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魔物ハンターとサキュバス
咲宮(さきみや) 雫(しずく) 身長169cm B108 W59 H89 Eカップ ⑨
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そこには半透明になった汐音と瓜二つの少女が立っていました。
「あなたが……サキュバス」
「といっても消えかけだけどね」
「……どうしてですか?」
「消えかけている理由はいろいろとあるの。でも、それよりも先にあなたの催眠術を解いてあげる」
メリナは私の頭に手を当てて、呪文を唱えた。
すると、見る見るうちに視界が開けて……先ほどの光景を思い出した。
「あっ、ああぁ、ああぁぁぁぁぁぁ!!!」
「大丈夫。心配しないで」
「で、でも! 汐音が!!」
とめどなく溢れ出す感情が止まらない。
先ほどまではダムのように溜められてそれが今はない状態だ。
壊れそうになりそうな心をギリギリで保つのがやっとだ。
「あなたの気持ちはわかるわ。大切な人なんでしょう。だったら、手を組みましょうよ」
「どうして……私を助けるんですか?」
「疑心になっているわね。残念だけど論理的な答えはないわ。ただ……同族を助けるのに理由なんてないの」
メリナは私に手を指し伸ばしてくれます。
だけど、私はその手を取ることができません。
「私は……あなたを信用することができません」
「それでいいわ」
「でも……力が欲しい。汐音を救う力が欲しいです!」
「ええ、貸してあげるわ」
私を包み込むようにメリナは抱いてくれます。
その温かさにはどこか遠く忘れてしまったような記憶を思い出させてくれます。
やっぱり……私は汐音のことが好きだと実感します。
「さて、まずはインキュバスから汐音ちゃんを助ける方法だけど……現状、手段がないの」
「えっ!?」
「だって、力はあっちの方が蓄えているし護衛もいる。正面からやっても負けるだけだわ」
「そんな……じゃあ、どうするんですか?」
「簡単よ。手段がないなら作ればいいの」
「作る?」
「ええ、あなたがサキュバスの力を手に入れたように私の体の一部を使って新たな道具を作成すればいいの」
「……それなら、私が力を手に入れたら」
「それはダメ。あなたの体に負担が大きすぎるわ。安心して、今回は私はしっかりついてあげるから」
「……わかりました。でも、作る場所がないです」
「そうね、どうしても本格的につくるのはダメね。だから、簡易的につくれるもので簡単に手に入るものを使いましょう」
「それは?」
「普通の水とおもちゃの水鉄砲よ。これならどこでも手に入りそうでしょ?」
「水鉄砲が無理じゃないですか?」
「いいから。これでお風呂場に行きましょう」
「りょ、了解です」
部屋から出て、共同風呂場に向かいます。
しかし、どうするのでしょう。共同風呂場には大量のインキュバス側に魔物ハンターがいます。
「で、ここからどうするかなんですがここは正面から行きましょう」
「いっぱい魔物ハンターがいるのに?」
「まぁ、私も女性ですから普通に入ることはできますよ」
半透明の部分にツッコミを入れたかったですが、風呂場から洩れる光を浴びると見る見る透明感が薄くなって見た目はやっぱり汐音と瓜二つです。
髪の色だけがさっきまでと違い、金髪のブロンドになってバスタオルをもって前を歩きます。
急いで私も追いかけようとしたその時、後ろから声をかけられます。
「あれ? 雫さんじゃないですか。珍しいですね」
「あなたは……紗枝さんでしったけ?」
冷静に、催眠術が解けていると悟らせないように演技します。
「正解です……が。あれ、雫さん。もしかしてですけど催眠が」
わかっていましたがすぐにばれました。冷や汗をかきつつ、後ろに下がるとメリナが私の肩から顔を出しました。
「解けてないよ―」
「あなたは?」
「初めましてー。私はメリナ。インキュバス様に最近、入った新人ですー」
「えっ?」
「あっ、そうなんですか」
「はい。それで雫さんと一緒なんですけど感情制御が一時的に緩和しているんですよ」
「? それがちょっと」
「あー、私のわがままで無口のまま一緒に行動するのはいやだったんで」
「なるほど、そういうことですか。それなら、一緒にいいですか?」
「はい。もちろんですー」
こ、これがコミュ力の差でしょうか。一瞬にして紗枝さんの信頼を得ました。
私には到底できない芸当です。
ですが……
「メリナさん。どうするんですか?」
「せっかくなので紗枝さんには協力してもらいましょう」
「協力?」
「ええ、気づきませんか? わざわざお風呂場に来たのは協力者を見つけるためです」
「……そんな都合のいい人いませんよ」
「いなけらば作ればいいんですよ。まぁ、見ててください。紗枝さんをメロメロにしてみますよ」
メリナはそういって、お風呂場に入っていきました。
「あなたが……サキュバス」
「といっても消えかけだけどね」
「……どうしてですか?」
「消えかけている理由はいろいろとあるの。でも、それよりも先にあなたの催眠術を解いてあげる」
メリナは私の頭に手を当てて、呪文を唱えた。
すると、見る見るうちに視界が開けて……先ほどの光景を思い出した。
「あっ、ああぁ、ああぁぁぁぁぁぁ!!!」
「大丈夫。心配しないで」
「で、でも! 汐音が!!」
とめどなく溢れ出す感情が止まらない。
先ほどまではダムのように溜められてそれが今はない状態だ。
壊れそうになりそうな心をギリギリで保つのがやっとだ。
「あなたの気持ちはわかるわ。大切な人なんでしょう。だったら、手を組みましょうよ」
「どうして……私を助けるんですか?」
「疑心になっているわね。残念だけど論理的な答えはないわ。ただ……同族を助けるのに理由なんてないの」
メリナは私に手を指し伸ばしてくれます。
だけど、私はその手を取ることができません。
「私は……あなたを信用することができません」
「それでいいわ」
「でも……力が欲しい。汐音を救う力が欲しいです!」
「ええ、貸してあげるわ」
私を包み込むようにメリナは抱いてくれます。
その温かさにはどこか遠く忘れてしまったような記憶を思い出させてくれます。
やっぱり……私は汐音のことが好きだと実感します。
「さて、まずはインキュバスから汐音ちゃんを助ける方法だけど……現状、手段がないの」
「えっ!?」
「だって、力はあっちの方が蓄えているし護衛もいる。正面からやっても負けるだけだわ」
「そんな……じゃあ、どうするんですか?」
「簡単よ。手段がないなら作ればいいの」
「作る?」
「ええ、あなたがサキュバスの力を手に入れたように私の体の一部を使って新たな道具を作成すればいいの」
「……それなら、私が力を手に入れたら」
「それはダメ。あなたの体に負担が大きすぎるわ。安心して、今回は私はしっかりついてあげるから」
「……わかりました。でも、作る場所がないです」
「そうね、どうしても本格的につくるのはダメね。だから、簡易的につくれるもので簡単に手に入るものを使いましょう」
「それは?」
「普通の水とおもちゃの水鉄砲よ。これならどこでも手に入りそうでしょ?」
「水鉄砲が無理じゃないですか?」
「いいから。これでお風呂場に行きましょう」
「りょ、了解です」
部屋から出て、共同風呂場に向かいます。
しかし、どうするのでしょう。共同風呂場には大量のインキュバス側に魔物ハンターがいます。
「で、ここからどうするかなんですがここは正面から行きましょう」
「いっぱい魔物ハンターがいるのに?」
「まぁ、私も女性ですから普通に入ることはできますよ」
半透明の部分にツッコミを入れたかったですが、風呂場から洩れる光を浴びると見る見る透明感が薄くなって見た目はやっぱり汐音と瓜二つです。
髪の色だけがさっきまでと違い、金髪のブロンドになってバスタオルをもって前を歩きます。
急いで私も追いかけようとしたその時、後ろから声をかけられます。
「あれ? 雫さんじゃないですか。珍しいですね」
「あなたは……紗枝さんでしったけ?」
冷静に、催眠術が解けていると悟らせないように演技します。
「正解です……が。あれ、雫さん。もしかしてですけど催眠が」
わかっていましたがすぐにばれました。冷や汗をかきつつ、後ろに下がるとメリナが私の肩から顔を出しました。
「解けてないよ―」
「あなたは?」
「初めましてー。私はメリナ。インキュバス様に最近、入った新人ですー」
「えっ?」
「あっ、そうなんですか」
「はい。それで雫さんと一緒なんですけど感情制御が一時的に緩和しているんですよ」
「? それがちょっと」
「あー、私のわがままで無口のまま一緒に行動するのはいやだったんで」
「なるほど、そういうことですか。それなら、一緒にいいですか?」
「はい。もちろんですー」
こ、これがコミュ力の差でしょうか。一瞬にして紗枝さんの信頼を得ました。
私には到底できない芸当です。
ですが……
「メリナさん。どうするんですか?」
「せっかくなので紗枝さんには協力してもらいましょう」
「協力?」
「ええ、気づきませんか? わざわざお風呂場に来たのは協力者を見つけるためです」
「……そんな都合のいい人いませんよ」
「いなけらば作ればいいんですよ。まぁ、見ててください。紗枝さんをメロメロにしてみますよ」
メリナはそういって、お風呂場に入っていきました。
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