168 / 222
閑話17・短編まとめ4
しおりを挟む
活動報告にちょこちょこ上げている短編のまとめその4です。
今回はミーニャ王子のお薬を使ってマクシミリアンとビアンカがイチャイチャしているだけのお話。
『お嬢様のお耳』(ミーニャ王子後、学園祭前)
-----------------------------------
『お嬢様のお耳』
お嬢様がミーニャ王子からの贈り物の『獣人化』できるお薬を自分も飲みたいと言い出した。
学園祭の仮装で使用したいらしい。
しかしあの薬……特殊なものであるし、何が入っているか分からない。
お嬢様のお体に万が一のことがあったら困るので、ジョアンナに頼みストラタス商会の薬学部門で確認してもらったところ人体に全く害はないようで一安心した。
……私自身はなんの確認もせずに飲んでしまったが、お嬢様の手ずから頂いたものに害があるのならそれは仕方がないと思っている。
それを聞いたお嬢様は『もっと自分を大事にして! 貴方私が渡したら毒でも飲みそうよ!』と悲鳴を上げた。
当然、毒でも頂いたら飲みますが……。
「じゃあ、飲むわね」
お嬢様はキラキラと瞳を期待で輝かせ小瓶に入った青い液体を一口飲んだ。
ちなみにこの薬を……というかこの薬を飲んで狼の獣人になった私をお嬢様が大変お気に召している為ミーニャ王子からはダース単位で在庫をもぎとって、いや、頂いている。
生温かい目で『お盛んだな……』と呟かれたが、なんのことやら。勝手にいかがわしい想像をしないで頂きたい。
液体を飲んだお嬢様は見るからにわくわくしながら、今か今かとその時を待っている。
その様子はとても可愛らしく私は内心悶えながらも平静な顔を保つ努力をした。
うちのお嬢様は本当に可愛い。
一見聡明で凛とし近づき辛い印象を与える彼女の柔らかで愛らしい本質は親しくならないとなかなか人には伝わらないし、伝わらなくてよいと私は思っている……主に彼女に恋慕の眼差しを向ける男共には。
そんなことを考えながらお嬢様に見惚れていると、お嬢様の頭に可愛らしい白い二本のお耳が生えた。
お嬢様の頭に生えたのは、可愛らしいうさぎのお耳だった。
ああ、なんということだ……!可憐で守りたくなるお嬢様に、か弱き草食動物の耳がこんなに似合うとは……!
お嬢様が私の狼獣人姿に執着するお気持ちがたちまちに理解できてしまった。
「う……うさみみだわ!すごいわね、マクシミリアン!」
彼女は鏡の前に立ち嬉しそうに白い耳を揺らしてみたり、スカートの下に生えているのであろう丸い尻尾を触りながら気にしていたりと楽しそうだ。
「お嬢様、お似合いですね」
そう言いながら両手をお嬢様に向けて差し出すと、お嬢様はなんの迷いも見せずに無防備な笑顔を浮かべながら私の胸に飛び込んできた。
……お嬢様が幼い頃から習慣づけた甲斐があったな。
しかしこんなに無防備だと、悪い狼に食べられてしまわないか心配だ。
細い体を少しだけ強く抱きしめるとお嬢様はくすぐったそうに笑い声を上げながら、湖面の色の大きな瞳で私を見上げた。
「可愛いうさぎさんになれているかしら?」
そう言ってお嬢様は白い頬を染めはにかんで笑いながら長いお耳を少し揺らした。
この世で一番可愛いです、お嬢様。
「可愛すぎて……食べてしまいたいです、お嬢様」
悪い狼は、私だったらしい。
目の前でふらふらと揺れるお嬢様のお耳をそっと食むとお嬢様の体がびくっと揺れた。
「ママママクシミリアン! それ、くすぐったい!」
「私が狼の獣人になった時……お嬢様は遠慮なく触れてらっしゃいましたよね?」
「触ったけど! ひゃあっ!」
お嬢様の体から手を放し今度は長い両耳に両手でそっと触れ、ふにふにと感触を確かめた。
「マ……マクシミリアン! くすぐったいんだってば! ハウス! ハウスよ!!」
お嬢様、私は犬ではないのですが……。いや、お嬢様の犬という意味では間違っていないな。
それにしてもうさぎの耳というのは柔らかくてよい感触なのだな。
お嬢様がくすぐったさに耐える様子もとても可愛らしいし。
「お嬢様、もう少しだけ……」
「マクシミリアン!!!」
お嬢様が本気で泣き出しそうだったので手を放すと、彼女はまるで本物のうさぎのように部屋の隅へと駆けて逃げて行った。
その後、お嬢様がご機嫌を直しこちらへの警戒心を解いてくれるまでに2時間を要し、私は少しだけ後悔をした。
今回はミーニャ王子のお薬を使ってマクシミリアンとビアンカがイチャイチャしているだけのお話。
『お嬢様のお耳』(ミーニャ王子後、学園祭前)
-----------------------------------
『お嬢様のお耳』
お嬢様がミーニャ王子からの贈り物の『獣人化』できるお薬を自分も飲みたいと言い出した。
学園祭の仮装で使用したいらしい。
しかしあの薬……特殊なものであるし、何が入っているか分からない。
お嬢様のお体に万が一のことがあったら困るので、ジョアンナに頼みストラタス商会の薬学部門で確認してもらったところ人体に全く害はないようで一安心した。
……私自身はなんの確認もせずに飲んでしまったが、お嬢様の手ずから頂いたものに害があるのならそれは仕方がないと思っている。
それを聞いたお嬢様は『もっと自分を大事にして! 貴方私が渡したら毒でも飲みそうよ!』と悲鳴を上げた。
当然、毒でも頂いたら飲みますが……。
「じゃあ、飲むわね」
お嬢様はキラキラと瞳を期待で輝かせ小瓶に入った青い液体を一口飲んだ。
ちなみにこの薬を……というかこの薬を飲んで狼の獣人になった私をお嬢様が大変お気に召している為ミーニャ王子からはダース単位で在庫をもぎとって、いや、頂いている。
生温かい目で『お盛んだな……』と呟かれたが、なんのことやら。勝手にいかがわしい想像をしないで頂きたい。
液体を飲んだお嬢様は見るからにわくわくしながら、今か今かとその時を待っている。
その様子はとても可愛らしく私は内心悶えながらも平静な顔を保つ努力をした。
うちのお嬢様は本当に可愛い。
一見聡明で凛とし近づき辛い印象を与える彼女の柔らかで愛らしい本質は親しくならないとなかなか人には伝わらないし、伝わらなくてよいと私は思っている……主に彼女に恋慕の眼差しを向ける男共には。
そんなことを考えながらお嬢様に見惚れていると、お嬢様の頭に可愛らしい白い二本のお耳が生えた。
お嬢様の頭に生えたのは、可愛らしいうさぎのお耳だった。
ああ、なんということだ……!可憐で守りたくなるお嬢様に、か弱き草食動物の耳がこんなに似合うとは……!
お嬢様が私の狼獣人姿に執着するお気持ちがたちまちに理解できてしまった。
「う……うさみみだわ!すごいわね、マクシミリアン!」
彼女は鏡の前に立ち嬉しそうに白い耳を揺らしてみたり、スカートの下に生えているのであろう丸い尻尾を触りながら気にしていたりと楽しそうだ。
「お嬢様、お似合いですね」
そう言いながら両手をお嬢様に向けて差し出すと、お嬢様はなんの迷いも見せずに無防備な笑顔を浮かべながら私の胸に飛び込んできた。
……お嬢様が幼い頃から習慣づけた甲斐があったな。
しかしこんなに無防備だと、悪い狼に食べられてしまわないか心配だ。
細い体を少しだけ強く抱きしめるとお嬢様はくすぐったそうに笑い声を上げながら、湖面の色の大きな瞳で私を見上げた。
「可愛いうさぎさんになれているかしら?」
そう言ってお嬢様は白い頬を染めはにかんで笑いながら長いお耳を少し揺らした。
この世で一番可愛いです、お嬢様。
「可愛すぎて……食べてしまいたいです、お嬢様」
悪い狼は、私だったらしい。
目の前でふらふらと揺れるお嬢様のお耳をそっと食むとお嬢様の体がびくっと揺れた。
「ママママクシミリアン! それ、くすぐったい!」
「私が狼の獣人になった時……お嬢様は遠慮なく触れてらっしゃいましたよね?」
「触ったけど! ひゃあっ!」
お嬢様の体から手を放し今度は長い両耳に両手でそっと触れ、ふにふにと感触を確かめた。
「マ……マクシミリアン! くすぐったいんだってば! ハウス! ハウスよ!!」
お嬢様、私は犬ではないのですが……。いや、お嬢様の犬という意味では間違っていないな。
それにしてもうさぎの耳というのは柔らかくてよい感触なのだな。
お嬢様がくすぐったさに耐える様子もとても可愛らしいし。
「お嬢様、もう少しだけ……」
「マクシミリアン!!!」
お嬢様が本気で泣き出しそうだったので手を放すと、彼女はまるで本物のうさぎのように部屋の隅へと駆けて逃げて行った。
その後、お嬢様がご機嫌を直しこちらへの警戒心を解いてくれるまでに2時間を要し、私は少しだけ後悔をした。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる