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1巻
1-2
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「本当にうまくいったんだな……」
なんかすごい驚いてる。
エルドさんは私たちが従魔契約を成功させるとは思ってなかったみたい。
そういえば、エルドさんはフェンリルと契約した人なんて聞いたことないと言っていた。
これは、かなりすごいことをしてしまったのかもしれない。
お父さんはエルドさんに向けて、得意げな表情を浮かべた。
「アンはフェンリルとして育ったからな。フェンリルの俺と魔力を同調させるのがうまいのだ。それに、アンは普通の人間よりも【魔力操作】の能力に長けているから楽だったぞ」
え、私って【魔力操作】の能力が高いの?
今まで自分は普通だと思っていたので、驚いてしまった。
……もしかして、フェンリルとして育ったから、普通の子供と違うところがあるのかな?
そういえば異世界ものの小説だとステータスを確認できたけど、私も転生者だから同じ感じでステータスを見られるのかな?
「ステータス」
私は誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いてみた。
すると急に目の前に、一辺三十センチくらいの画面が現れた。
アニメでも見たことのあるステータスが表示されている小さな画面。
そこには次のように書かれていた。
名 前:アン
種 族:人間
レベル:102
体 力:1010
魔 力:780
筋 力:575
素早さ:920
器用さ:810
スキル:【創作魔法】【全知鑑定】【魔力操作】【魔力感知】【言語理解】【アイテムボックス】
おおっ、本当にステータスが出た。
私は表示されたステータスを見て、ふむふむと頷く。
どうやら私には、結構いろんなスキルがあるみたいだ。
でも意識的に使ったことがあるのは、【魔力操作】と【魔力感知】くらいかな。
他のスキルは前からあったスキルなのか、前世の記憶を思い出したから得られたスキルなのかはよく分からない。
よく分からないけど……もしかして特別なスキルなのでは?
よく読んでいた異世界ものの小説だと、主人公しか使えないスキルが存在するってパターンが結構あった。
もしかしたら、私はフェンリルを従魔にして、チート級のスキルも使えるという恵まれた異世界転生をしたのではないだろうか?
それって、最高では?
幸先のいいスタートを切れた気がして、私は思わず微笑んだ。
こうして、私は異世界で新たな人生を歩むことになったのだった。
第二話 いざ街へ
私たちは死の森を抜けて、森の近くにあるとエルドさんが教えてくれた、『エルランド』という街に向かった。
街の門が見えてくると、その門の前には武器を構えた多くの人たちがいた。
門番かもしれないけど、それにしては数が多すぎる気がする。
私は首を傾げて隣にいるエルドさんを見る。
「何かあったんですかね?」
「フェンリルが森から出てきたから、厳戒態勢を敷いているんだろう。これだけ街に近づいてきたシキに気付かないほど、門番も馬鹿じゃない」
エルドさんは私の疑問にそう答えた。
私たちの話を聞いていたシキは、街の人たちを見ながら鼻で笑う。
「ほぅ、人間のくせに生意気な。蹴散らしてくれるわ」
「シキ、頼むからやめてくれ。俺が話をつけてくるから」
エルドさんは慌てて、門に向かおうとしていたシキを宥める。
シキなら本気でやりかねないかも……
そう思っていると、エルドさんがちらっと私を見た。
「それとアン……人間の住む街では、四足歩行は禁止な」
「だ、大丈夫ですよ。もうしませんから」
エルドさんに注意されて、私は恥ずかしくなった。
森からここに来るまでの道中、私は何度か四足歩行で歩いてしまったのだ。
フェンリル生活の中でたまに立って歩くこともあったけど、四足歩行で歩くほうがずっと多かったから仕方ない。
そのたびにエルドさんに注意を受けたが、またしばらくすると四足歩行に戻ってしまった。
これはフェンリルとして育った弊害だろう。
申し訳なさからしょんぼりしていると、エルドさんが私の頭を軽く撫でた。
私が見上げると、エルドさんはそれ以上何も言わずに笑って、一人で門の方へ向かっていった。
離れていくエルドさんの背中を見つめていると、シキは不満そうに小さなため息を漏らした。
「またアンに触れおって、あの人間は……」
「私は別に気にしてないよ。むしろ、気持ちいいしね」
私がそう伝えても、シキは何やら納得していない様子だった。
不満げなシキを見ていたら、私は今さらシキの毛並みのもふもふ具合が気になった。
……すごい気持ちよさそう。
「ねぇ、シキのこと撫でてみてもいい?」
気が付けばそう口にしていた。
「なぜだ?」
シキは私の突然のお願いに首を傾げていた。
今まで私が撫でたいと言ったことなんてなかったから、びっくりしたんだろう。
私は思ったままを口にする。
「うーん、もふもふで気持ちよさそうだからかな」
「ふむ。まあ、アンが撫でたいなら好きにすればいい」
了承を得た私は、シキの頭を優しく撫でてみた。
柔らかい毛並みは心地よく、前世の友人宅で触らせてもらった大型犬のことを思い出した。
初めは乗り気ではなさそうだったシキも、私が撫で続けていくうちに、徐々にピンと立てていた耳が垂れていく。
「ほぅ、これはなかなか」
「ね? 頭を撫でられると、なんか気持ちいいでしょ?」
「ふむ」
シキが気持ちよさそうに目を細めるのを見て、なんだか私の方まで癒されてきた。
大きなもふもふって、こんなに可愛いんだね。
そんな風にしてシキの頭を撫でていると、いつの間にかエルドさんが戻ってきた。
エルドさんは顎に手を当ててから、真剣な顔で呟いた。
「……大型犬と戯れる幼女。絵になる可愛さだな」
その言葉を聞いて、シキは垂れていた耳をピンと立てて目を見開いた。
「おい、エルド。今俺を大型犬と言ったか?」
「撫でられて気持ちよさそうにしていたら、それはもう犬だろ。少なくとも、そんなフェンリルを俺は知らない」
エルドさんは呆れたようにそう言ってから、少し目を細める。
「まぁ、シキにはその調子でいてもらった方が都合がいいか」
なんだか意味ありげに呟いてから、エルドさんは私とシキを連れて門の方へと向かった。
エルドさんが話をつけておいてくれたらしく、私たちが街の人たちから武器を向けられるようなことはなかった。
その代わりに、好奇の目を向けられてしまっている。
「でかっ! え、ハイウルフなのか、あれって?」
「いや、ハイウルフにしてはでかすぎるだろ」
あれ? 街の人たち、シキを魔物のハイウルフと間違えてる?
そんなことを考えていると、シキを見ていた街の人たちの視線は、すぐに私の方に向けられた。
「すごい可愛いじゃんっ、あの子」
「うわー、お人形さんみたい」
「お人形さん? いや、あれって天使なんじゃ――」
え、なんか絶賛されている?
そこまで可愛い顔してるの、私?
私が街の人たちからの反応に困惑していると、ふいに建物の窓に女の子が映っているのに気が付いた。
くりっとした大きな目に、ぱっちりとした二重瞼。柔らかそうなほっぺをした丸顔で、肩の長さまである黒い髪には艶があった。
子供としても可愛らしいが、将来はかなり魅力的な女性になりそうな容姿だ。
私と同じタイミングで瞬く姿を見て、しばらくしてからようやくその女の子が自分だと理解した。
こんなにハッキリと自分の姿を見たのは初めてだった。
なるほど。
これだけ可愛ければ、街の人たちが大げさに騒ぐわけだよね。
私が自分でもびっくりしていると、エルドさんに肩を叩かれた。
「とりあえず俺の家に来てくれ。そこで、これからのことを話そう」
「その前に問おう、エルドよ。なぜ人間たちは俺のことをハイウルフだと勘違いしているんだ?」
シキはそう言うと、エルドさんをじろっと見た。
確かに、そのことは私も気になっていた。
ハイウルフはシキよりもふたまわりは小さい狼のような魔物だ。
シキとは大きさだけではなく、毛並みや毛色も全然違う。
それなのに、街の人たちは口を揃えてシキをハイウルフと言っていた。
普通、これだけの人がフェンリルとハイウルフを間違えるわけがない。
私たちがエルドさんを見ると、エルドさんは頬を掻きながらため息を漏らす。
「フェンリルだなんて言ったら騒ぎになるだろ。俺が先に街の人に『シキはハイウルフだ』と言っておいたんだ」
エルドさんはあっさりと答えてから続ける。
「波風立てずに人間社会で暮らすためには仕方ないんだよ。諦めてくれ」
シキの視線から不満を感じ取ったのだろう。エルドさんは申し訳なさそうに眉を下げていた。
「人間というのは、面倒だな」
シキは仕方ないといった様子ではあったが、本当はハイウルフと間違えられるのは面白くないらしい。
その証拠に、シキの尻尾がいつもよりも垂れている気がした。
……なんだか可哀想だな。
そう思った私は、シキの頭を撫でながら歩くことにした。
それからしばらく歩いていくと、落ち着いたところにある平屋の一軒家に到着した。
エルドさんはその家の扉を開けて、私たちの方を振り返る。
「俺の家だ。好きにくつろいでくれ」
エルドさんの家の中はよく片づいていた。
ベッドやソファ、ダイニングテーブルや椅子。そんな最低限の家具しか置いていないせいか、広く感じる。
家具はみんな使い込まれている雰囲気がある。
だけど部屋の奥にある小さなキッチンだけが、新品のように綺麗だ。
キッチンだけ、やけに綺麗ということは……エルドさん、あんまり料理していないな。
そんなことを考えながら椅子に腰かけていると、すぐにエルドさんがお茶を運んできてくれた。
もらったお茶を飲んでみると、前世で飲んだ海外のお茶みたいな高級感のある味をしていた。
うん、美味しい。
私がほっと一息ついていると、エルドさんが表情を緩めた。
「この街で生活する拠点は、ここを使ってくれていい。自分の家だと思って構わないからな」
「……ずいぶんと親切だな」
優しいエルドさんを、シキは警戒しているようだった。
エルドさんはシキから目を逸らして少し俯く。
「親切にもなるさ。小さな子供を放っておくわけにはいかないだろう」
エルドさんは私をちらりと見た後、なぜか遠くを見るような目をした。
私が不思議に思っていると、エルドさんは気を取り直したように椅子から立ち上がった。
「とりあえず、街の案内といきたいところだが……さすがに、その格好のまま街を歩くわけにはいかないな」
そう言われて自分の服装を見てみると、私が着ているのは汚れもほつれも目立つ、ぶかぶかの白色のワンピースだった。
確かに、この服装で街を歩いたら結構浮くかもしれない。
そういえば、長い間この服を着ていたけど、この服ってどこで手に入れたものなんだろう?
シキが買い物したわけじゃないよね。
「ねぇ、シキ。これってどこで調達したの?」
「死の森で白骨化していた遺体から頂戴した」
「ヒィッ!」
私は想像もしなかった答えに、悲鳴を上げてしまった。
そんな私たちのやり取りを見ていたエルドさんは、腰に手を当てて大きなため息をついた。
「はぁ……想像以上にひどいな。とりあえず、今から適当にアンの服を買ってくる。街の案内は明日にしよう」
「い、いえ、お気遣いなく。というか、服を買うお金がありませんし」
シキの話を聞いた後に、この服を着続けることには抵抗がある。
でも必要なお金を稼ぐまでは、しばらくこの服で我慢しなくちゃだ。
今まで森の中で生活していたから仕方ないよね。
私がそんなことを考えていると、エルドさんは何を言っているという顔で私を見た。
「服ぐらい買ってやるから気にするなって」
「え⁉ いいんですか?」
私は思わずガタッと音を立てて椅子から立ち上がった。
そんな私を見て、エルドさんはからかうような笑みを浮かべる。
「遺体が着ていた服がいいって言うのなら、無理にとは言わないけど?」
「うう、そうでした……で、できれば、お願いします」
「はいよ」
私の言葉を聞くと、エルドさんは家の扉に手をかけた。
「服を買ってくるから、シキは俺が帰ってくるまでの間に、アンの体を洗っておいてくれ」
エルドさんは部屋にあった、たらいを指差してそう言うと、扉を開けて家を後にした。
まだ会ったばかりの私たちに自分の家を任せて出かけてしまうとは、不用心と言うべきか、人がよすぎると言うべきか……
私はエルドさんが出ていった方を見つめながら、言葉を漏らす。
「エルドさんって、すごい優しい人だね」
「そうだな。親切すぎて少し気にはなるが」
「気になる?」
シキが目を細めている理由が分からず、私は首を傾げた。
「いや、なんでもない。ほら、今のうちに体を洗っておくぞ、アン」
シキは私の服を口で引っ張ると、そのまま私をたらいの方に連れていって体を洗うのを手伝ってくれた。
ところで、さっきのシキの言葉……なんなんだろう?
何か気になることがあったのかな?
私はいろいろと考えてみたが、よく分からなかった。
そして魔法を使って体を綺麗に洗い終えた頃、エルドさんが私の新しい服を買って帰ってきた。
さっそくその服に袖を通すと、新しい服を着た私を見た二人は感心したような声を漏らした。
「おお、見違えたな。かなり可愛いぞ」
「エルドよ、アンは元々可愛いのだ。服のおかげではない」
「……天使だな」
「ふむ、天使だ」
エルドさんとシキは真面目な顔でそう言ってから頷いた。
ストレートに褒められ、私は恥ずかしくなって俯く。
エルドさんが買ってきた服は、白のブラウスと、赤色のジャンパースカート。それに加えて黒色のワークブーツまで買ってきてくれた。
私がくるっと回ると、ひらりとジャンパースカートの裾が翻る。
服の質感とデザインの可愛らしさに、思わず笑顔になった。
「エルドさんっ、ありがとうございます」
「はいよ、どういたしまして」
エルドさんは私のお礼を笑顔で受け取ると、椅子に腰を下ろした。
「それじゃあ、今日はもう飯にするか。ついでに屋台で飯を買ってきたんだ」
エルドさんに言われてテーブルの上を見てみると、そこには容器に入った薄切りのお肉と、バスケットの中にパンがあった。
お肉からは湯気が立ち上がり、いい匂いがしている。
「これは、なんのお肉ですか?」
「クックバードだ」
クックバードというのは、鶏のような魔物た。
簡単に捕まえられて美味しいから、よく森でも狩って食べていた。
切り身の状態のクックバードは初めて見た。
……そういえば、私って魔物を料理もせずに食べていたんだよね。
今になって考えてみると、いろいろまずいような気も……
それはともかく、この魔物のお肉が美味しいことはすでに知っている。
料理されたそのお肉を前にして、お腹がぺこぺこだったことに気付いた。
「とりあえずシキの分は多めに買ってきたけど、足りるか?」
「よい。腹が減ったら自分の分は後で調達してくる」
「……あんまり目立たないように頼むぞ」
私はそんな二人のやり取りを聞きながら、さっそく席に着いて、フォークでクックバードを一口食べてみた。
こんがりと焼いたお肉の風味と肉汁が口に広がる。
塩加減もちょうどよくて、お肉の旨味を引き立てている。
「美味しいですね! 味つけは塩だけみたいなのに、こんなに美味しいなんて」
「だろ? 後はパンがあるから、これも食べてくれ」
エルドさんはそう言うと、バスケットの中に入っているパンを私に手渡した。
一口かじってみると、素朴な小麦の香りが口いっぱいに広がった。
うん、優しい味でこのパンも美味しい。
人によってはシンプルで物足りなさを感じるかもしれないけれど、おかずと一緒に食べるなら、このくらいがちょうどいいよね。
私は初めて食べる異世界料理の美味しさを前に、表情を緩ませたのだった。
第三話 優しさの理由
「すぴー、すぴー……」
俺――エルドがベッドを覗き込むと、そこには気持ちよさそうに寝息を漏らしているアンの姿があった。
ずいぶんと可愛い寝顔だな。
つついてみたくなる柔らかそうな頬を前に、俺はぐっとその衝動を抑えた。
ぷにぷにしていそうだけど、寝ているところをつつくのも悪いしな。
「それにしても、爆睡だな……まぁ、飯食べてすぐにウトウトしていたし、それだけ眠かったんだろうな」
初めて街に来て、いろいろと疲れたのだろう。
ずっと自分をフェンリルだと思っていたみたいだし、自分が人間だと知って衝撃的な一日だっただろうな。
そんな風に考えながらアンの寝顔を見ていると、背後から魔物の鋭い視線を感じた。
警戒というよりも、威嚇に近い視線だ。
初めから敵意を隠すつもりはないのだろう。
生唾を飲み込んでから振り向いてみると、そこには案の定シキの姿があった。
俺が変なことをしたらすぐに噛み殺すぞ、といったような圧を感じる。
……まさか、寝ているアンに近づいただけで、こんなに睨まれるとは思わなかったな。
俺はシキの威嚇を前に、少し冷や汗をかいていた。
「なんだ? 俺がアンの寝顔を見ていると不安か?」
シキはゆらりとこちらに近づいてくると、鋭すぎる眼光を微かに抑えた。
どうやら、急に襲ってきはしないみたいだ。
「なぜ俺たちにここまで親切にする?」
シキはアンを起こさない程度に軽く唸る。
アンはすぐに俺のことを信用してくれたが、シキはまだ俺のことを警戒していた。
まぁ、警戒するなという方が無理か。
見ず知らずの幼女とフェンリルを街で生活できるように援助をする。
そんななんの利益にもならないことをすれば、裏があるだろうと怪しまれても仕方がない。
「アンが可愛いから親切にしている。それだけじゃ不満か?」
「それが本当の理由なら構わんが、それだけには思えんな」
シキは少しの嘘も見逃さないような鋭い目で、俺を睨んでいる。
アンに近づく者が危険な人物ではないか、それを確かめるためだとは思うが、さすがに睨みすぎじゃないだろうか?
まぁ、こんなに過剰な反応をしてしまうくらい、アンのことが心配なのだろう。
多分、俺も似たような状況だったら同じようなことをする気がした。
俺の場合は娘ではなく、別の存在になるけどな。
シキに親近感を抱いたせいだろう。
俺は普段なら話さないようなことをぽろっと漏らしてしまった。
「昔な、俺には妹がいたんだよ」
「昔? ……死んだのか?」
「ああ、殺された。魔物に村を襲われて、数日後に山の奥の方で遺体になって発見されたんだ」
俺はそれから、少しだけ過去の話をした。
なんかすごい驚いてる。
エルドさんは私たちが従魔契約を成功させるとは思ってなかったみたい。
そういえば、エルドさんはフェンリルと契約した人なんて聞いたことないと言っていた。
これは、かなりすごいことをしてしまったのかもしれない。
お父さんはエルドさんに向けて、得意げな表情を浮かべた。
「アンはフェンリルとして育ったからな。フェンリルの俺と魔力を同調させるのがうまいのだ。それに、アンは普通の人間よりも【魔力操作】の能力に長けているから楽だったぞ」
え、私って【魔力操作】の能力が高いの?
今まで自分は普通だと思っていたので、驚いてしまった。
……もしかして、フェンリルとして育ったから、普通の子供と違うところがあるのかな?
そういえば異世界ものの小説だとステータスを確認できたけど、私も転生者だから同じ感じでステータスを見られるのかな?
「ステータス」
私は誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いてみた。
すると急に目の前に、一辺三十センチくらいの画面が現れた。
アニメでも見たことのあるステータスが表示されている小さな画面。
そこには次のように書かれていた。
名 前:アン
種 族:人間
レベル:102
体 力:1010
魔 力:780
筋 力:575
素早さ:920
器用さ:810
スキル:【創作魔法】【全知鑑定】【魔力操作】【魔力感知】【言語理解】【アイテムボックス】
おおっ、本当にステータスが出た。
私は表示されたステータスを見て、ふむふむと頷く。
どうやら私には、結構いろんなスキルがあるみたいだ。
でも意識的に使ったことがあるのは、【魔力操作】と【魔力感知】くらいかな。
他のスキルは前からあったスキルなのか、前世の記憶を思い出したから得られたスキルなのかはよく分からない。
よく分からないけど……もしかして特別なスキルなのでは?
よく読んでいた異世界ものの小説だと、主人公しか使えないスキルが存在するってパターンが結構あった。
もしかしたら、私はフェンリルを従魔にして、チート級のスキルも使えるという恵まれた異世界転生をしたのではないだろうか?
それって、最高では?
幸先のいいスタートを切れた気がして、私は思わず微笑んだ。
こうして、私は異世界で新たな人生を歩むことになったのだった。
第二話 いざ街へ
私たちは死の森を抜けて、森の近くにあるとエルドさんが教えてくれた、『エルランド』という街に向かった。
街の門が見えてくると、その門の前には武器を構えた多くの人たちがいた。
門番かもしれないけど、それにしては数が多すぎる気がする。
私は首を傾げて隣にいるエルドさんを見る。
「何かあったんですかね?」
「フェンリルが森から出てきたから、厳戒態勢を敷いているんだろう。これだけ街に近づいてきたシキに気付かないほど、門番も馬鹿じゃない」
エルドさんは私の疑問にそう答えた。
私たちの話を聞いていたシキは、街の人たちを見ながら鼻で笑う。
「ほぅ、人間のくせに生意気な。蹴散らしてくれるわ」
「シキ、頼むからやめてくれ。俺が話をつけてくるから」
エルドさんは慌てて、門に向かおうとしていたシキを宥める。
シキなら本気でやりかねないかも……
そう思っていると、エルドさんがちらっと私を見た。
「それとアン……人間の住む街では、四足歩行は禁止な」
「だ、大丈夫ですよ。もうしませんから」
エルドさんに注意されて、私は恥ずかしくなった。
森からここに来るまでの道中、私は何度か四足歩行で歩いてしまったのだ。
フェンリル生活の中でたまに立って歩くこともあったけど、四足歩行で歩くほうがずっと多かったから仕方ない。
そのたびにエルドさんに注意を受けたが、またしばらくすると四足歩行に戻ってしまった。
これはフェンリルとして育った弊害だろう。
申し訳なさからしょんぼりしていると、エルドさんが私の頭を軽く撫でた。
私が見上げると、エルドさんはそれ以上何も言わずに笑って、一人で門の方へ向かっていった。
離れていくエルドさんの背中を見つめていると、シキは不満そうに小さなため息を漏らした。
「またアンに触れおって、あの人間は……」
「私は別に気にしてないよ。むしろ、気持ちいいしね」
私がそう伝えても、シキは何やら納得していない様子だった。
不満げなシキを見ていたら、私は今さらシキの毛並みのもふもふ具合が気になった。
……すごい気持ちよさそう。
「ねぇ、シキのこと撫でてみてもいい?」
気が付けばそう口にしていた。
「なぜだ?」
シキは私の突然のお願いに首を傾げていた。
今まで私が撫でたいと言ったことなんてなかったから、びっくりしたんだろう。
私は思ったままを口にする。
「うーん、もふもふで気持ちよさそうだからかな」
「ふむ。まあ、アンが撫でたいなら好きにすればいい」
了承を得た私は、シキの頭を優しく撫でてみた。
柔らかい毛並みは心地よく、前世の友人宅で触らせてもらった大型犬のことを思い出した。
初めは乗り気ではなさそうだったシキも、私が撫で続けていくうちに、徐々にピンと立てていた耳が垂れていく。
「ほぅ、これはなかなか」
「ね? 頭を撫でられると、なんか気持ちいいでしょ?」
「ふむ」
シキが気持ちよさそうに目を細めるのを見て、なんだか私の方まで癒されてきた。
大きなもふもふって、こんなに可愛いんだね。
そんな風にしてシキの頭を撫でていると、いつの間にかエルドさんが戻ってきた。
エルドさんは顎に手を当ててから、真剣な顔で呟いた。
「……大型犬と戯れる幼女。絵になる可愛さだな」
その言葉を聞いて、シキは垂れていた耳をピンと立てて目を見開いた。
「おい、エルド。今俺を大型犬と言ったか?」
「撫でられて気持ちよさそうにしていたら、それはもう犬だろ。少なくとも、そんなフェンリルを俺は知らない」
エルドさんは呆れたようにそう言ってから、少し目を細める。
「まぁ、シキにはその調子でいてもらった方が都合がいいか」
なんだか意味ありげに呟いてから、エルドさんは私とシキを連れて門の方へと向かった。
エルドさんが話をつけておいてくれたらしく、私たちが街の人たちから武器を向けられるようなことはなかった。
その代わりに、好奇の目を向けられてしまっている。
「でかっ! え、ハイウルフなのか、あれって?」
「いや、ハイウルフにしてはでかすぎるだろ」
あれ? 街の人たち、シキを魔物のハイウルフと間違えてる?
そんなことを考えていると、シキを見ていた街の人たちの視線は、すぐに私の方に向けられた。
「すごい可愛いじゃんっ、あの子」
「うわー、お人形さんみたい」
「お人形さん? いや、あれって天使なんじゃ――」
え、なんか絶賛されている?
そこまで可愛い顔してるの、私?
私が街の人たちからの反応に困惑していると、ふいに建物の窓に女の子が映っているのに気が付いた。
くりっとした大きな目に、ぱっちりとした二重瞼。柔らかそうなほっぺをした丸顔で、肩の長さまである黒い髪には艶があった。
子供としても可愛らしいが、将来はかなり魅力的な女性になりそうな容姿だ。
私と同じタイミングで瞬く姿を見て、しばらくしてからようやくその女の子が自分だと理解した。
こんなにハッキリと自分の姿を見たのは初めてだった。
なるほど。
これだけ可愛ければ、街の人たちが大げさに騒ぐわけだよね。
私が自分でもびっくりしていると、エルドさんに肩を叩かれた。
「とりあえず俺の家に来てくれ。そこで、これからのことを話そう」
「その前に問おう、エルドよ。なぜ人間たちは俺のことをハイウルフだと勘違いしているんだ?」
シキはそう言うと、エルドさんをじろっと見た。
確かに、そのことは私も気になっていた。
ハイウルフはシキよりもふたまわりは小さい狼のような魔物だ。
シキとは大きさだけではなく、毛並みや毛色も全然違う。
それなのに、街の人たちは口を揃えてシキをハイウルフと言っていた。
普通、これだけの人がフェンリルとハイウルフを間違えるわけがない。
私たちがエルドさんを見ると、エルドさんは頬を掻きながらため息を漏らす。
「フェンリルだなんて言ったら騒ぎになるだろ。俺が先に街の人に『シキはハイウルフだ』と言っておいたんだ」
エルドさんはあっさりと答えてから続ける。
「波風立てずに人間社会で暮らすためには仕方ないんだよ。諦めてくれ」
シキの視線から不満を感じ取ったのだろう。エルドさんは申し訳なさそうに眉を下げていた。
「人間というのは、面倒だな」
シキは仕方ないといった様子ではあったが、本当はハイウルフと間違えられるのは面白くないらしい。
その証拠に、シキの尻尾がいつもよりも垂れている気がした。
……なんだか可哀想だな。
そう思った私は、シキの頭を撫でながら歩くことにした。
それからしばらく歩いていくと、落ち着いたところにある平屋の一軒家に到着した。
エルドさんはその家の扉を開けて、私たちの方を振り返る。
「俺の家だ。好きにくつろいでくれ」
エルドさんの家の中はよく片づいていた。
ベッドやソファ、ダイニングテーブルや椅子。そんな最低限の家具しか置いていないせいか、広く感じる。
家具はみんな使い込まれている雰囲気がある。
だけど部屋の奥にある小さなキッチンだけが、新品のように綺麗だ。
キッチンだけ、やけに綺麗ということは……エルドさん、あんまり料理していないな。
そんなことを考えながら椅子に腰かけていると、すぐにエルドさんがお茶を運んできてくれた。
もらったお茶を飲んでみると、前世で飲んだ海外のお茶みたいな高級感のある味をしていた。
うん、美味しい。
私がほっと一息ついていると、エルドさんが表情を緩めた。
「この街で生活する拠点は、ここを使ってくれていい。自分の家だと思って構わないからな」
「……ずいぶんと親切だな」
優しいエルドさんを、シキは警戒しているようだった。
エルドさんはシキから目を逸らして少し俯く。
「親切にもなるさ。小さな子供を放っておくわけにはいかないだろう」
エルドさんは私をちらりと見た後、なぜか遠くを見るような目をした。
私が不思議に思っていると、エルドさんは気を取り直したように椅子から立ち上がった。
「とりあえず、街の案内といきたいところだが……さすがに、その格好のまま街を歩くわけにはいかないな」
そう言われて自分の服装を見てみると、私が着ているのは汚れもほつれも目立つ、ぶかぶかの白色のワンピースだった。
確かに、この服装で街を歩いたら結構浮くかもしれない。
そういえば、長い間この服を着ていたけど、この服ってどこで手に入れたものなんだろう?
シキが買い物したわけじゃないよね。
「ねぇ、シキ。これってどこで調達したの?」
「死の森で白骨化していた遺体から頂戴した」
「ヒィッ!」
私は想像もしなかった答えに、悲鳴を上げてしまった。
そんな私たちのやり取りを見ていたエルドさんは、腰に手を当てて大きなため息をついた。
「はぁ……想像以上にひどいな。とりあえず、今から適当にアンの服を買ってくる。街の案内は明日にしよう」
「い、いえ、お気遣いなく。というか、服を買うお金がありませんし」
シキの話を聞いた後に、この服を着続けることには抵抗がある。
でも必要なお金を稼ぐまでは、しばらくこの服で我慢しなくちゃだ。
今まで森の中で生活していたから仕方ないよね。
私がそんなことを考えていると、エルドさんは何を言っているという顔で私を見た。
「服ぐらい買ってやるから気にするなって」
「え⁉ いいんですか?」
私は思わずガタッと音を立てて椅子から立ち上がった。
そんな私を見て、エルドさんはからかうような笑みを浮かべる。
「遺体が着ていた服がいいって言うのなら、無理にとは言わないけど?」
「うう、そうでした……で、できれば、お願いします」
「はいよ」
私の言葉を聞くと、エルドさんは家の扉に手をかけた。
「服を買ってくるから、シキは俺が帰ってくるまでの間に、アンの体を洗っておいてくれ」
エルドさんは部屋にあった、たらいを指差してそう言うと、扉を開けて家を後にした。
まだ会ったばかりの私たちに自分の家を任せて出かけてしまうとは、不用心と言うべきか、人がよすぎると言うべきか……
私はエルドさんが出ていった方を見つめながら、言葉を漏らす。
「エルドさんって、すごい優しい人だね」
「そうだな。親切すぎて少し気にはなるが」
「気になる?」
シキが目を細めている理由が分からず、私は首を傾げた。
「いや、なんでもない。ほら、今のうちに体を洗っておくぞ、アン」
シキは私の服を口で引っ張ると、そのまま私をたらいの方に連れていって体を洗うのを手伝ってくれた。
ところで、さっきのシキの言葉……なんなんだろう?
何か気になることがあったのかな?
私はいろいろと考えてみたが、よく分からなかった。
そして魔法を使って体を綺麗に洗い終えた頃、エルドさんが私の新しい服を買って帰ってきた。
さっそくその服に袖を通すと、新しい服を着た私を見た二人は感心したような声を漏らした。
「おお、見違えたな。かなり可愛いぞ」
「エルドよ、アンは元々可愛いのだ。服のおかげではない」
「……天使だな」
「ふむ、天使だ」
エルドさんとシキは真面目な顔でそう言ってから頷いた。
ストレートに褒められ、私は恥ずかしくなって俯く。
エルドさんが買ってきた服は、白のブラウスと、赤色のジャンパースカート。それに加えて黒色のワークブーツまで買ってきてくれた。
私がくるっと回ると、ひらりとジャンパースカートの裾が翻る。
服の質感とデザインの可愛らしさに、思わず笑顔になった。
「エルドさんっ、ありがとうございます」
「はいよ、どういたしまして」
エルドさんは私のお礼を笑顔で受け取ると、椅子に腰を下ろした。
「それじゃあ、今日はもう飯にするか。ついでに屋台で飯を買ってきたんだ」
エルドさんに言われてテーブルの上を見てみると、そこには容器に入った薄切りのお肉と、バスケットの中にパンがあった。
お肉からは湯気が立ち上がり、いい匂いがしている。
「これは、なんのお肉ですか?」
「クックバードだ」
クックバードというのは、鶏のような魔物た。
簡単に捕まえられて美味しいから、よく森でも狩って食べていた。
切り身の状態のクックバードは初めて見た。
……そういえば、私って魔物を料理もせずに食べていたんだよね。
今になって考えてみると、いろいろまずいような気も……
それはともかく、この魔物のお肉が美味しいことはすでに知っている。
料理されたそのお肉を前にして、お腹がぺこぺこだったことに気付いた。
「とりあえずシキの分は多めに買ってきたけど、足りるか?」
「よい。腹が減ったら自分の分は後で調達してくる」
「……あんまり目立たないように頼むぞ」
私はそんな二人のやり取りを聞きながら、さっそく席に着いて、フォークでクックバードを一口食べてみた。
こんがりと焼いたお肉の風味と肉汁が口に広がる。
塩加減もちょうどよくて、お肉の旨味を引き立てている。
「美味しいですね! 味つけは塩だけみたいなのに、こんなに美味しいなんて」
「だろ? 後はパンがあるから、これも食べてくれ」
エルドさんはそう言うと、バスケットの中に入っているパンを私に手渡した。
一口かじってみると、素朴な小麦の香りが口いっぱいに広がった。
うん、優しい味でこのパンも美味しい。
人によってはシンプルで物足りなさを感じるかもしれないけれど、おかずと一緒に食べるなら、このくらいがちょうどいいよね。
私は初めて食べる異世界料理の美味しさを前に、表情を緩ませたのだった。
第三話 優しさの理由
「すぴー、すぴー……」
俺――エルドがベッドを覗き込むと、そこには気持ちよさそうに寝息を漏らしているアンの姿があった。
ずいぶんと可愛い寝顔だな。
つついてみたくなる柔らかそうな頬を前に、俺はぐっとその衝動を抑えた。
ぷにぷにしていそうだけど、寝ているところをつつくのも悪いしな。
「それにしても、爆睡だな……まぁ、飯食べてすぐにウトウトしていたし、それだけ眠かったんだろうな」
初めて街に来て、いろいろと疲れたのだろう。
ずっと自分をフェンリルだと思っていたみたいだし、自分が人間だと知って衝撃的な一日だっただろうな。
そんな風に考えながらアンの寝顔を見ていると、背後から魔物の鋭い視線を感じた。
警戒というよりも、威嚇に近い視線だ。
初めから敵意を隠すつもりはないのだろう。
生唾を飲み込んでから振り向いてみると、そこには案の定シキの姿があった。
俺が変なことをしたらすぐに噛み殺すぞ、といったような圧を感じる。
……まさか、寝ているアンに近づいただけで、こんなに睨まれるとは思わなかったな。
俺はシキの威嚇を前に、少し冷や汗をかいていた。
「なんだ? 俺がアンの寝顔を見ていると不安か?」
シキはゆらりとこちらに近づいてくると、鋭すぎる眼光を微かに抑えた。
どうやら、急に襲ってきはしないみたいだ。
「なぜ俺たちにここまで親切にする?」
シキはアンを起こさない程度に軽く唸る。
アンはすぐに俺のことを信用してくれたが、シキはまだ俺のことを警戒していた。
まぁ、警戒するなという方が無理か。
見ず知らずの幼女とフェンリルを街で生活できるように援助をする。
そんななんの利益にもならないことをすれば、裏があるだろうと怪しまれても仕方がない。
「アンが可愛いから親切にしている。それだけじゃ不満か?」
「それが本当の理由なら構わんが、それだけには思えんな」
シキは少しの嘘も見逃さないような鋭い目で、俺を睨んでいる。
アンに近づく者が危険な人物ではないか、それを確かめるためだとは思うが、さすがに睨みすぎじゃないだろうか?
まぁ、こんなに過剰な反応をしてしまうくらい、アンのことが心配なのだろう。
多分、俺も似たような状況だったら同じようなことをする気がした。
俺の場合は娘ではなく、別の存在になるけどな。
シキに親近感を抱いたせいだろう。
俺は普段なら話さないようなことをぽろっと漏らしてしまった。
「昔な、俺には妹がいたんだよ」
「昔? ……死んだのか?」
「ああ、殺された。魔物に村を襲われて、数日後に山の奥の方で遺体になって発見されたんだ」
俺はそれから、少しだけ過去の話をした。
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