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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第21話 防御する側では。

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 第一次異世界衝突怪獣戦 ガス王都編が、勃発する少し前にさかのぼる。

 魔導通信での会議場では、紛糾していた。
「冒険者ギルドが、責任を持って冒険者カザトに命令しろ!」

「うるさい!そんな事を言うなら、自前の軍隊で対応しろ!」

「げっへへへへ~。もうおわりだ~!」

グランドマスター バッカー
「何を言っている。冒険者カザトは指名免除だぞ。ボケたのか?
 ボケたのであれば、仕方ない。
 次のギルドマスターの選考をしないとな。」

「な、何を言って、アギャー!」

「すいません。うちのギルドマスターはボケてしまって話ができないようなので、副ギルドマスターの私が話をします。」

「き、貴様!何を勝手に、アギャー!」

 邪神達は、どうも新たな頭目らしき者が出現して暴れ出したのでなんとしてほしいと、各王家から命令されたのだが、ラッド国王達に冒険者カザトの強制指名を強行する事を妨害されたので、冒険者ギルド経由でしろと言われたと言う。

 バッカー
「冒険者ギルド本部決定事項をいうぞ。
 冒険者カザトを奴隷あつかいした貴族は、ドワーフ王国と、ベイントス公国やポべー帝国の決定により処刑。
 国家は、敵対国家であり邪神の下僕国家として魔王認定して討伐対象とする。
 冒険者ギルドがやったとなれば切り離しを行う。
 魔王認定されたければ、その話を勝手に言うがいい。」

「待ってくれ!こちらも存亡が、かかっているのだ!王女だろうがなんでも用意すると、国王が言っているのだ!
 なんとかしてくれ!
 あのブレーダー王女とか、クソガス国王に頼っても滅びるだけだと、国王陛下は深く反省した。
 王女達を人質に出す決定もしたのだ。
 バッカー頼む!なんとかしてくれ!」
 
 そこに、マーベルがやってきた。
 報告書をだす。

バッカー
「な!なんだ、もう出陣したのか。
 既に、冒険者カザトは出陣した。
 ガス王都上空で、衝突した異世界から降ってきた怪獣達の討伐のために出陣した。
 あと、邪神達の新頭目の正体は元(仮)管理者神見習いフェイクの中にいた、フェイクの姉妹と母親達の魂を宿した邪神らしい。

 そして、その新頭目の内の1体の邪神イナゴと怪獣が、ガス王都近くで衝突している。
 つまりだな、いくら何を言っても冒険者カザトは戦闘中だ。
 よって、その要請は不可能。
 人質もいらない。
 帰ってもらってくれ。」

「な!クッ!戦闘中だと?」

「少しぐらい、我々の要請を聴いてくれてもいいじゃ無いのか?」

「お!おい!このいつもと違う声のワールドアナウンスって、伝説のワールドアナウンスか?」

「空を見ろ!冒険者カザト 対 瘴気怪獣ブラック・レイダーだと?」

バッカー
「いつもすまん。頼む!カザトよ!生きて帰って来てくれ。」

 それを聴いて、各ギルドマスター達は黙ってしまった。



 ガス王都上空

瘴気怪獣ブラック・レイダー
「私は、エルフの皇帝になるのだー!」

カザト
「勝手になってろ。ファイヤーウォール!」

 ブラック・レイダーの突撃をファイヤーウォールで目隠しして、すぐに姿を隠そうとしたがレイダーがものすごく後ろに飛んだ。

 は?

 鑑定では、(怯え)とでている。
 なぜ?
 まさか…共鳴合体した事で、変質した?
 詳細鑑定開始!

 な!
 
 前に鑑定で出てこなかったレイダーの強さの秘密が、わかりそれが弱点となった事がわかった。
 元々レイダー自身が、あのカメレオンと同じく属性変化をする能力を持っていたらしい。
 おそらく、攻撃魔法に対して同じ属性になることで、気配を隠し耐性を急激に高めて突撃を繰り返していたのだろうな。

 だが、あの瘴気浄化をする過程で、瘴気に対する浄化のノウハウをカザトがわかってきて、カンターレ戦からものすごく簡単に瘴気浄化を使えるようになったのだ。

 あの黒い巨人は、瘴気と病原菌の塊だったのだ。
 おそらくだが火と消毒や瘴気浄化に対して、ものすごく弱い。
 それが共鳴合体のあと、レイダーの戦闘体質と組み合わさって、より大弱点となったに違いない。

 あ!キノコがやってきたぞ!
 それに他の怪獣達がこちらを向いたぞ。
 
瘴気怪獣ブラック・レイダー
「く!おのれ!私に恐怖を感じさせた罪は重いぞ!
 ブラック・ウィンドカッター」

 黒い風の刃が300放たれる。 
 待てよ!これはチャンスだ!

カザト
「ウ、ウギャー!(棒読み)」
 
 カザトは、やられたフリをしてガス王都に急降下して行く。

瘴気怪獣ブラック・レイダー
「ふ、はっはは!」

 だが、その時カザトがなぜ下に回避したのかが、わかる。
 ブラック・レイダーの前にデカい口を開けた(どう見てもデカいトカゲ)が現れたからだ。

 慌てて、閉じるトカゲの口を両手で上を持ち、足で下顎を踏んづけて抵抗する。
 口を開けて食いつく姿はワニだ。
 そして、ワニの口内から炎ブレスが発射されたが、同時にブラック・レイダーも瘴気砲を発射していた。

 だが、そこにカザトは仕掛けた。
カザト
「プロミネンスフィールド!(滅菌魔法陣付与バージョン)」

 ブラック・レイダーと、デカいトカゲの周辺空間に高温の熱の繭ができた。
 そして、瘴気砲と炎のブレスの衝突爆発が発生する。
 カザトは移動する。
 それを追いかける高温で光る(デカいヒヨコ)は、口ら火を吹くのだがカザトの逃走を妨害出来ない。

 カザトを上空から追いかける(そらとぶデカい布?)は、ある空域に入った途端に動かなくなった。
 カザトが、仕掛けた[絶対零度]の罠の空域だ。
 バリ!
 バリバリバリバリバリバリバリバリバリ!
 凍って砕けていく布!
 そして、滅菌魔法陣と黒魔法ブラックファイヤーが、炸裂した。

 ウギャー!

 1つの怪獣の気配が消えた。
「ワールドアナウンスです。
 異世界からの怪獣[そらとぶデカい布?]の討伐が、確認されました。」

 カザトは、すぐに霧を出して気配遮断をして全力で現場を離脱する。 
 光る高熱ヒヨコは、そのまま大通りを王城めがけて突っ込んで行った。

 セーフルームにたどりついたカザトは、すぐにスタミナポーションとかを飲み物替わりに食事を済ませて、眠りについた。

「怪獣の討伐によって、多大なる経験値が…」

 アナウンスが終わる前に、カザトは「あ!一反木綿って妖怪がいたな!あれの特大版だよな」なんて思い出して寝に入ってしまった。
 
 
怪獣一覧

 デカい触手キノコ。
 粘体の黒い巨人。
 デカいコカトリス。
 どう見てもデカいトカゲ。
 動く触手ヒマワリ。
 デカすぎるヒヨコ。
 そらとぶデカい布?。
 どう見ても、デーモン。
 カメレオン?
 デカい西洋人形?

内 討伐済み
 カメレオン?
 そらとぶデカい布?
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