[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

文字の大きさ
258 / 334
第5章 ついに始まった本当の戦い。

第6話 ラッド国王のお怒りで行われる、妙な儀式

しおりを挟む
 ハトが飛んで、マトの街の郊外の公開牢屋にに文官が馬に乗ってやってきた。

ガス宰相
「ふ~。あの慌てよう。
 やっと、長男のやつが説き伏せたか。
 やれやれ。
 まぁ、あの娘は無理矢理政略結婚をさせなくて正解だったな。
 で、どうしようか。
 ラッドの兄貴に命令なんてできない。
  部下天使様がまだ、帰って来ていなくていないからな。
 どうやって、説得するかだよな~。
 もう、あのバカ(現ガス国王)処刑を確約して、他のガス貴族の助命をするか。」
 
 なんて、ものすごく気楽な考えをするガス宰相殿。

文官
「ガス宰相殿は、教育が疎からしいな。」

 開口一番が、この言葉だ。
文官
「侵攻して敗退したのに、ベイントス公国の国境で歓待しろだとか、カザト殿を散々こき下ろす言葉を吐いていたそうだぞ、あなたの嫡男殿は。」

ガス宰相
「ハァ?そ!そんなはずは、大体冒険者カザトの側にいるのは、わしの娘だぞ!
 そろそろここから出せ!」

文官
「そんな馬鹿な発言しか出ないあなたは、本当に宰相か?
 実は影武者で違うかもしれんな。
 まぁいいか、聖騎士メリー殿がベイントス公国建国の頃に要望書を出していてな、自身を蹴り出して暗殺者を送り込んだ元実家の者が、権力をふるえると勝手に思い込んで、やりたい放題をしたなら、処刑場に送ってほしいと書いてあるのだよ。
 家紋・紋章は、紋章官が確認して処刑場に送られたらしいよ。」

ガス宰相
「なに!」

 黙ってしまったガス宰相。
 それを聞いていたガス貴族やニャントゥ王国の偽女王達は、やはりあの建物は処刑場なのではと、震えだした。

 では、その建物は何だろうか?
 カザトがブチギレると、同じくブチギレていた者達がいた。
 トワイライト達とラッド国王。
 特に、ラッド国王のガス宰相に対する怒りはひどかった。
 
 ガス宰相の事を聞いたカザトが出した感想はコウモリである。
 暗い闇に潜み獲物を狙い、立場が悪くなったら手のひらを返すように裏切る。
 そして、生き血が大好き。
 特に、処女の血が好き。
 うん、吸血鬼のイメージも入っているがこんなものだと、ラッド国王の使者にいった。

 悪魔消滅の儀式でもやらないと、死なないのかな?なんて、使者と話していたのを聞いてラッド国王は、思いついた。

 むか~し、むか~し読んだ絵本にある、牢屋に入れた悪魔に憑かれた人を、油の風呂に入れて徹底的に加熱して、悪魔退散をしたと言うお話である。

 そう!公開牢屋ごと、油の風呂に入れて煮ろうというわけだ。
 それに、今回はそうする理由がある。
 あの元聖女統括フェルべーや、ブレーダー王女の例がある。
 結局乗り移られたあの女性2人がやったことは、大邪魔神の召喚だ!
 そして邪神ゴベール。
 冒険者カザトが、なんとかしたと言っても、やはりあの恐怖はなかなか拭えない。

 悪魔退散の儀式を、その大邪魔神の手下となって動いたガス宰相やガス貴族にするのは、当たり前だろうと考えたのだ。

 その事をカザトや皇主に皇帝にも相談した。
 使い魔などが潜んでいるかもしれないので、拡散する前に煮ろう!

 皇主や、皇帝も考えたらしいが、大邪魔神のインパクトは強すぎた。
 そして、その後のガス国王の行動が酷い。
 何か悪魔が憑いているかもしれない。
 それだけのインパクトがあったのだ。
 そして、恐怖も。

 カザト達は、その日にマトの街に向かった。
 ある木箱をゴーレムに運ばせていたのだ。
 ガタゴトと、箱の内部から音がする。
 その度に、聖騎士メリーが木槌を棺桶みたいな木箱に打ち付ける。

 しばらくすると、またガタゴト音がすると木槌で打つの繰り返しである。

カザト
「ハァ~。なるようにしか、ならないのか?」
 と言うと聖騎士メリーが、
「小麦が多く収穫されましたから、よくまぶしてカラッと揚げましょう!この人でなしめ!」
 と、また木槌で木箱を叩く。

 あまりのメリーの怒りの形相にナタリーも、トワイライト達もタジタジだ。

 その頃、ラッド国王のマトの街に向けたお知らせが発表された。

 お知らせ

 朕(私という意味)は、先程の大邪魔神がこの新生ガス王国を滅ぼそうと、悪魔の手先を連れて侵攻してきた事に対して、憤りをおぼえた。

 と、同時にこれまでのガス王国の政治とは真反対の施策を邪神共が、危惧して広がらないように潰しに来たとも判断出来る事に、間違ではない施策をやってきたのだと言う自信をもった。
 そして、今、朕(私という意味)は必要な決断をしないといけない。
 大邪魔神の手先になって攻めてきた、ホビット族軍に、ガス貴族軍、ガス宰相達は、もはや人なのだろうか?
 ここで、朕(私の意味)は少しだけ可能性をかけて、悪魔祓いの儀式をすることにした。
 悪魔の如く活動するガス貴族の8割が牢に入っている今!たとえ、肉親が叫ぼうとも人間に戻って欲しいと思い、涙を飲んでここに悪魔祓いを実行する。


 なんて、お知らせが出たのだ。
 そのお知らせが書かれた板が、公開牢屋前にも立つ。

 ちょうどカザト達がマトの街についた時だった。

 嫌だー!
 オレは、殺したけど貴族だから無実だー。
 オレは無実だ!人殺しをしない貴様らが、悪魔だー!
 俺は宰相だ!娘よ!俺の言いなりになって助けろー!
 死にたくない死にたくない!
 
 など、聞くと気分が悪くなる悲鳴しかない。
 メリーの顔が既に怒りに染まっている。
 カザトは、メリーを見て真っ青になる。

カザト
「油に煮るとは、まるで五右衛門だな。
 だけどガス貴族の奴らって、なぜ反省しないのだろな。
 仕方ない。
 あれだけの事をやっちまったんだ。
 見届けよう。」
 なんて、言っている頃。
 

 ガス王都の城では、ブレーダー王女が久しぶりに奇声を発していた。

ブレーダー王女
「なんですって!悪魔祓い?!
 ガス宰相もその儀式を受けさせられるですって!
 儀式って何よ!よくわからないの?」

 そんな、怒鳴り声を聞いてやってきたのはガス国王である。そして、ガス先王も部屋に閉じこもっていたが、出てきた。

ガス先王
「悪魔祓いだと。
 これが、出されたお知らせか。
 邪神の下僕だと!
 おい!どうするつもりだ!
 黙って見ているのか!
 なんとか言え!」

 ガス先王が、ガス国王を締め上げる。

ガス国王
「ゲホゲホゲホゲホ。
 兄貴に、ラッド兄貴にそんな事が出きる根性なんてあるか!」

ブレーダー王女
「では、ラッド叔父が直接しなければいいだけですよ。」

ガス先王
「確かにそうじゃ。
 早く、魔導珠を出して通信の用意をしろ。
 今から、ラッドに繋いでやめさせるのだ!
 貴様が、誠心誠意謝れ!
 それしか、もう回避の方法は無い!
 ワンダフル王国の侵攻失敗は、かなり痛かった。
 ガス防衛隊500万の内、今の戦力稼働率は30%で、全軍ですら20%も使えない。
 兵数では、奴らの連合軍の同じだが戦力ではもう勝てないのだぞ!
 わかっているのか!
 それとも、ガス貴族達を見殺しにして貴様も攻められて処刑させるつもりなのか?!」

 ここまで言われて、やっと動いたガス国王は、全土魔導珠放送を始めた。
 公開放送にして、ラッド国王をなじり倒して、悪魔祓いという処刑をやめさせるつもりだが、なぜか答えるように出てきた映像は、公開牢屋に入れられたガス貴族達とガス宰相であった。

 ラッド国王は、全く返答すらしないのである。
 なぜって?
 ガス衝突暗黒地獄戦争は、戦闘は終わったが、終戦条約なんて締結していない。
 つまり、まだ戦闘中。

 ガス宰相達の「早く助けろ!」の大合唱に対して、ガス国王の「早くラッドの兄貴を出せ!」との大合唱にラッド国王たちは、沈黙を貫く。
 
 3時間後、疲れ果てたガス国王は放送を止めた。
 ラッド国王側の官房長官クラスの文官が魔導通信で放送を始める。
 「ラッド国王は、冒険者カザト様と共に今から始める悪魔祓いの為に、食事は菜食を取られ身を清めるために、冷水行(水を被って身を清める)を始められました。
 先程の放送を見ましたが、国王、宰相ともあろうものが、ラッド国王陛下に生かされているとの感謝の言葉の1つもでずに、己が上だと言う邪念(理念では無い、妄想よりも上の格付け)によって、話すら噛み合わない場面がありました。
 
 これは、悪魔祓いをしても手遅れかもしれないが、人に戻るよう前管理者神様に祈祷して、おられるのです。
 皆様も、悪魔の思考と悪魔の行動にでる、ガス国王と宰相が、人間に戻るように祈って下さい。
 もし人間に戻るのが嫌で死を選ぶなら、またこの世界に生まれ変わらないように、他の異世界に迷惑に、不幸をばら撒かないように、封印することにします。」

 
その模様を魔導珠で見ていたブレーダー王女は。
「はぁ?
 生まれ変わらないように封印?
 な、なんですって!
 それって、本格的に悪魔に対応するつもりですか。
 確かに、大邪魔神を召喚しましたけどね。」

 ガス国王は、ホビット族の参謀を呼んで今の戦力の確認をするが、結果は変わらない。
 いくら、ポーションを作ろうがエリクシールみたいな、部位欠損すら治すポーションではないのだ。
 すぐに治る訳では無い。
 だが、直接会談に行くと捕まって、悪魔封印の儀式の対象にされてしまう。
 
 なんとかしろー!
 なんて叫ぶガス国王の声が響くが、どうしようも無いのだ。

 勇者ゴン太は、ヘロヘロの状態でやってきた。

勇者ゴン太
「何かネタは無いのか?
 勇者帰還魔法陣を渡すから、兵を返してくれ~とか言って、交渉の場に向こうが応じるようにしないと、とても無理だぞ!」

 勇者ゴン太は、そう言って自分も帰りたいので、帰る方法を1番知っているはずのブレーダー王女達を焚き付ける。

だが…。

ブレーダー王女 
「無理よ!出来たら交渉の材料にしているわ。
 それにね、カンターレ様に聞いたのよ。
 帰還する方法があるのではないのかと。
 あるのだけど、今は地球とフェイクランドの間の時空がねじまがっていて、フェイク様よりも強い管理者神クラスの存在でも、気を抜けばどこかの次元に飛ばされる位、危険な状態らしいのよ。
 どっちみち、無理なのよね。」

 勇者ゴン太は、無理ならととんでもない事を言い出した。
 
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

処理中です...