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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第5話 冒険者ギルドからの意外な依頼。

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 ベイントス公国

 カザト達は、ベイントス公国のギルドに到着して、職員達は緊急事態の転属手続きをした後に、今回の支援目的の訪問団は成功となり、打ち上げをしていた。

 翌朝
 カザトは、ワンダフル王国やウマンゴー王国での前勇者達の記録を見て、その解析をしていた。
 この旧小国群は、前勇者達側に立って戦っていたので、実は邪神戦争の被害は無かった。
 それどころか、邪神戦争終了の時に功績としてこの小国群が出来たらしい。
 奴隷開放と、奴隷禁止。
 今現在、小国群で守られていた奴隷禁止を復活させようとしているのが、旧ニャントゥーン王国であった。

 奴ら、旧ニャントゥ王国はカザトを人と見ずに、命令されたら動かねばならないと駒=奴隷としてしか見ていないのだ。
 
 散々、他国から奴隷扱い行為をやめろと言われても、あのニャントゥーン女王は止めなかったのだ。
 怪しい!
 それが、カザト達の判断。
 
 次の日、ベイントス公国の公都冒険者ギルドに行くと、受付嬢さんがカウンターを飛び越えてやってきた。
 
 なんだ?
 (仮)マスターのマーベルに何かいっている。
 そして、頭を下げているが?
 カザトは、道中見つけた珍しい素材を受け取りカウンターに出しておく。

 え?
 ギルドマスターが呼んでる?
 ギルドマスター室には、なんと小学生3年生と、20歳くらいの女性猫獣人が2人いた。
 
 おい!
 旧ニャントゥ王国の奴ら、今度はハニートラップかよ!
 確かにうちのトワイライトは、変身していると小学生くらいの姿になるが、俺がその姿が好みではないぞ!
 
 少しムカついていると、頭を下げてきた。
 え?
 これまで俺の前に出てきた猫獣人達には無い対応?
 イヤ、当たり前の常識人?
 さて、どういった事だ?

猫獣人ニャントゥートさん(20歳)
「す、すいません。
 アホな姉が、あんな事をしでかすとは。」

猫獣人ニャントゥートーンさん
(21歳なのに見かけ小学生3年生位)
「どうお詫びしたらいいのか。」 

 二人が言う。
 まず、鑑定してくれと。
 どういう事だ?

 カザトが、ギルドマスターに顔を向けると、鑑定の珠があった。
 ギルドマスター曰く、かなり複雑だから話を信用してもらうためには、必要と言われて鑑定したらしい。

 やっていると

猫獣人ニャントゥートーン

種族 獣人寄りの人間 猫種偏重
身分 平民

レベル 101
 ︙
 ︙
 ︙
スキル 
猫騙し 猫パンチ 猫叫び 計算 簿記 剣術 身体強化 天気予報 時間計測 魚類保護 毒物耐性

称号
姉のせいで、とばっちりを受けた者
(○○の猫の加護)[本人以外見えない称号]

 はて?
 これは?
 猫獣人ニャントゥートさん(20歳)もほぼ、同じステータスだな。
 猫獣人ニャントゥートーンさんと違うところは毒物耐性が無くて、打撲耐性だった。

 毒物耐性に打撲耐性?!
 え?
 イジメを散々受けていたカザトの脳裏に、嫌な予感がする。

カザト
「あの~。○○猫の加護って出てますが。」

 それを聞いた二人の猫獣人達は土下座した。
 あ!
 やっちまった。
 トワイライト達に、二人の対応を任せてギルドマスターに話を聞くと、なんでも一昨日に公都にヘロヘロに状態でやってきたらしい。
 いま、国境は猫獣人たちは厳しく検査される為に(商人ギルドの許可無しでは、実質通れない状況)何かに導かれて、山越えして命からがら来たらしいのだ。

 ギルドの受付嬢の中にスキル[真偽判断]を持つ者がいて確認したのと、スキル[予言]持ちの職員がカザトに会わすべしと言って気絶。
 すぐに回復した職員は、そのことを覚えていないのだが、ギルドではその言葉を尊重して匿ったという事らしい。

猫獣人ニャントゥート(20歳)
「あの女王を名乗っていたニャントゥーンは、実は女王ではありません。
 女王陛下の影武者です。
 女王は行方不明です。」

 な!なんとなく聞いてはいたが…
 あれ?なんとなく名前がよく似ているけど?

猫獣人ニャントゥートーン (21歳)
「はい、姉です。
 そして、女王との関係は親戚です。 
 女王陛下の行方不明後、閣僚達はそのことを国民に隠蔽しました。
 そして、影武者だった姉が王座に座ったのです。
 ここに、来れたのは私達の先祖様の導きで来れました。
 あの、ガス国王が攻めてくる前の日に、夢でお告げがありました。
 私達姉妹は、地方辺境地区に住んでいたのですが、一族にそのことを言うと長老をはじめ、村の幹部達は私達を罵倒し始めて、私達姉妹は村を追放されました。」

猫獣人ニャントゥートーン(21歳)
「そして、国境の森をさまよっていた私達の前に、○○の猫様のお使いが現れて、邪神軍に見つからないように迂回しながら、なんとかここにたどり着けました。
 そして、言われたのです。
 カザト様に、ニャントゥ王国で何が起こったのか?
 それを知らせよと。」

 そして、ニャントゥ王国の本当の女王が行方不明になる前日の事を聞くことになった。
 ニャントゥ王国は、前管理者神の同僚の部下の○○の猫の変身体(クローン改造体)の猫獣人が、元になったクローン体が先祖らしい。
 その縁で、○○の猫とその同僚様と前管理者神を信仰していて、その祭りの日に二人は地方辺境地区の代表の巫女として参加していたらしいのだ。

 しかし、その祭りで女王は食糧がもう無くなる。フェイクを討つか、食糧をなんとか生産できるようにしてくれと、三日三晩、食事もせずに祈祷して、祈りの護摩木に油をかけて焼いたがこの焼け目と炭の割れ方から、[しばらく待つように]との神託しか出なかった。
 キレた女王は、フェイクにいきなり祈祷を始めてしまったのだ。
 いつの間にか、祭壇に女王はいなくなったらしい。
 
カザト
「なんだって。
 いきなり祈祷を始めた?
 つまりだな、すぐに助けが無かったらフェイクに祈祷することが、既に閣僚会議で決まっていた可能性が有るのか。」

マーベル
「なるほど錯乱したのではなく、既に規定路線だったってこと?」

猫獣人ニャントゥートさん(20歳)
「おそらく、後の姉を女王に据えることから、すぐに手早く決定しましたから、そうだとすると納得できます。」

 フェイク側に寝返ったニャントゥ王国は、同じくフェイク側のガス国王の狂った欲望に滅ぼされてしまった。
 なんてこった。
 カザトは、言おうとした言葉を先程やらかしていた事を思い出して、飲み込んだ。

カザト
「オレに旧ニャントゥ王国を滅ぼせって事か?」

 なんとなく、そんな言葉が出た。
 ビクリッとなる、周囲。
 部屋の隅っこで気配を消している奴に目をあわせる。
 ギルドマスターが護衛だと言うのだが、おそかった。
 既に気絶していた。
 しまった、またやらかした。
 だが、カザトは何かの予兆であると考えていた。
 思い切って聞くことにする。
 毎日毒を盛られていなかったか?
 気を失うとか、身体が麻痺するとか、体調が悪くなるとか?
 そして、叩かれていなかったか?
 と聞くと、縦に首を振る二人。

 うわ~、わかる。
 ギルドマスターや、保護した職員とトワイライト達で相談して、冒険者ギルドに登録となった。
 そして、ベイントス公国に正式に事情説明をギルドマスター達と共に行き、あっさりと了承される。
 あれ?困難な場面をかんがえていたのだが?

 そして、なぜかトワイライト達と相談してカザト達の事務をすることになった。

□□□□□
 地球 日本 東京都某所 

 ニャ~ん!
 
 大きなビルのエレベーターを使って、ある事務所に入る猫。

「お!おかえり。お疲れ様ね~。
 ご飯用意してあるよ。」
 優しい女性の専務さんが、猫を見てそう言った。

 ニャん!
 と言って、頭を下げる猫。
 コミュニケーションが成立していた。

 さらに、事務所の奥に行くとネコミミカチューシャをつけている、お姉さんがいた。
「おかえり、導きご苦労様。
 見ていたよ。
 さぁ、向こうも本当の忙しさが来るね。
 コスモに、連絡を入れておこう。」

□□□□□□□□

 その頃、マトの街の郊外に何か炎を灯す祭壇らしきものが建築されていた。
 すべて、石造りで重いものを運ぶ用のレールが設置されている。
 なんだ?
 なんだあれは?

 それを、公開牢屋から見るガス宰相達。
 そこに、ニャントゥ王国の女王を騙っていたニャントゥーンと、その弟が連れて来られてその工事現場に近い所に移動された公開牢屋に入れられる。

 それを見た、ガス貴族達はまさか公開処刑をするつもりか?なんて言い出す者が現れた。
 見方によれば、それは生贄を焼く祭壇に見える。
 それを聞いたニャントゥの偽女王と、大使は震えて近くにいた見張りの兵士に、いろいろ貴族の名前を言って、なんとか会談をさせてくれと悲壮な顔をして言い出した。

 く、クソ!
 間に合ってくれ!
 ガス宰相は、ある望みをもっていた。
 長男に、娘のメリーに対して働きかけるように指令を出していたのだ。
 失敗するなんて、思ってもいない。
 自分のせいで、真面目に生きようとすれば、冒険者にならなければいけない事になったなんて露にも思っていない。
 だから、記憶を悪用するからと封印されたのだが、反省しないと言う事に置いては、ガス国王と同レベルであった。

 その公開牢屋の横で警備していた兵士に、あることを言われて、気絶するまであと5時間。


□□□□□
 その頃、ベイントス公国の砦からハトが飛んだ。
 ハァ?
 国賓が来たから歓待しろとかいうガス貴族が来たから、斬ってもいいかって?
 
 警備隊の隊長は、そのキチガイとも言える発言をした、縄で簀巻きにされたガス貴族を見てため息を吐いた。
 またかよ。
 旧アッガローンス王国貴族は、もっとひどかったから、なんとかその場で殺さないで簀巻きにした。
 未だに、ベイントス公国となった今でも、旧貴族だぞ!なんていって国境に入ろうとする者がいたので、追い返すのも面倒だから国境横に処刑場を作って、処刑しようか?と公国議会で提案されて、審議中である。

 このガス貴族が、いう。
 オレは貴様らが言う聖者の義兄だ!
 貴様らを、処刑にすることもできるのだぞ!
 なんていっているのだが、そんな事をいうと、最近正式にジョブが聖女になった、実はブレーダー王女の姉妹のナタリー様はどうなるの?と、ツッコミたい。
 いや、他の兵士が突っ込んでいた。
 
 だが、このガス貴族は余計に胸をそらして言い出した。
 なら聖騎士メリーに二人兄がいたことも知ってるな!
 この家紋が見えぬか!この間抜け共!
 なんて、いい出しやがった。
 はて?
 どこかで見たことがあるな?
 
 それを見た紋章官が、紋章辞典を持って来て調べだした。

紋章官
「ハァ、間違いなありません。
 聖者様の従者メリー様の出した要望書に描かれた家紋・紋章です。」

国境警備隊長
「なんてこった。」

 その言葉だけ聞いて、そのガス貴族は有頂天になった。

ガス貴族
「やっとわかったようだな!
 さっさと歓待の用意をして、義愚弟のカザトを呼んでこい!」

国境警備隊長
「おい!要望書通り、処刑場(実はベイントス公国では処刑は廃止されているだが。)に運べ!
 特に、カザト様の事を愚弄した罪は深い!
 ムチで叩きながら運べ!」

「お!オレにやらせてください!」
「俺も!」

 兵士の希望者多数で、抽選で決められて運ばれてしまったようだ。

 その要望書実行の報告が、1時間後ハト便で国務大臣に報告されて、カザト達にその2時間後報告された。

 そして、ラッド国王の元にもベイントス公国からハト便が飛んだ。
 
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