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ふたりの関係
一言の勇気
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いつもの朝がいつもと違う。
6時の目覚まし。一度で起きられなかった。
髪をきゅっと一発で結べなかった。
時間を過ぎてしまったので、ゴミ出しもできず…。
バスも電車も乗り遅れてしまった。
どうしちゃったのよ、直生!
ダメダメな朝なんて今まで一度もなかったじゃない。
こんな私は「許せまじ!」
理由はわかってる。
伊月に今日、あることを訊くから…。
「伊月の好きな人って誰?」
仕事も身につかなくてミス多発。
「ミス・ノーミスの岡田さんってば、どうしちゃったの⁈」
職場のみんなに心配されてしまう始末…。
情けない。
でも、伊月から質問の答えを訊いたら、どんな結果であろうとも、へこたれない!
真実を受け入れるんだ、そう自分に誓う。
あれこれ思ってる間に就業時間を過ぎてた。
「直生ちゃん!もうお仕事は終わりですよー。たまには一緒に途中まで帰らない?」
伊月が笑顔で声を掛けてくれて、私はドキッとして紅潮してしまう。
駅までの帰り道、肩を並べて歩く。
頭ひとつ分の身長差。
私が160センチだから、180くらいあるのかな?
周りからは私たちってどんなふうに映るんだろう。
姉と弟?
それとも友達?
職場の同僚?
もしかして…恋人?
そんなことを考えていたら、伊月が私の顔をのぞきこんできた。
「直生ちゃん、今日はどうしたの?いつもの直生ちゃんじゃなかったから心配したよ。お腹痛かったのかな?」
「お腹?い、痛くなんなんかないよ?ちょっと疲れがたまってたみたい」
「そうなんだね、大丈夫?いつも全力で頑張ってる直生ちゃんだから疲れちゃったんだね…」
なんて優しいんだろう。
7つも年下の子に慰めてもらえるなんて、それだけでも幸せ者だ。
「あの!伊月」
「ん?なぁに?直生ちゃん」
頑張れ、直生!
勇気出して伊月に言うのよ!
「伊月の好きな人って誰?」
この時の私は全身から汗が湧き出ていたくらい全力だった。
6時の目覚まし。一度で起きられなかった。
髪をきゅっと一発で結べなかった。
時間を過ぎてしまったので、ゴミ出しもできず…。
バスも電車も乗り遅れてしまった。
どうしちゃったのよ、直生!
ダメダメな朝なんて今まで一度もなかったじゃない。
こんな私は「許せまじ!」
理由はわかってる。
伊月に今日、あることを訊くから…。
「伊月の好きな人って誰?」
仕事も身につかなくてミス多発。
「ミス・ノーミスの岡田さんってば、どうしちゃったの⁈」
職場のみんなに心配されてしまう始末…。
情けない。
でも、伊月から質問の答えを訊いたら、どんな結果であろうとも、へこたれない!
真実を受け入れるんだ、そう自分に誓う。
あれこれ思ってる間に就業時間を過ぎてた。
「直生ちゃん!もうお仕事は終わりですよー。たまには一緒に途中まで帰らない?」
伊月が笑顔で声を掛けてくれて、私はドキッとして紅潮してしまう。
駅までの帰り道、肩を並べて歩く。
頭ひとつ分の身長差。
私が160センチだから、180くらいあるのかな?
周りからは私たちってどんなふうに映るんだろう。
姉と弟?
それとも友達?
職場の同僚?
もしかして…恋人?
そんなことを考えていたら、伊月が私の顔をのぞきこんできた。
「直生ちゃん、今日はどうしたの?いつもの直生ちゃんじゃなかったから心配したよ。お腹痛かったのかな?」
「お腹?い、痛くなんなんかないよ?ちょっと疲れがたまってたみたい」
「そうなんだね、大丈夫?いつも全力で頑張ってる直生ちゃんだから疲れちゃったんだね…」
なんて優しいんだろう。
7つも年下の子に慰めてもらえるなんて、それだけでも幸せ者だ。
「あの!伊月」
「ん?なぁに?直生ちゃん」
頑張れ、直生!
勇気出して伊月に言うのよ!
「伊月の好きな人って誰?」
この時の私は全身から汗が湧き出ていたくらい全力だった。
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