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お花畑に住めなくなった家族9
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「しかもマリクワン侯爵家に養子になって欲しいなどと、よくも言えたものだな」
「姪なのだから良い話ではないか」
「だったら、どうして孤児院にいるんだ?」
「それは我が家ではお金が、厳しくて…」
援助して欲しいと話しているので、理由はお金だと答えることにした。
「人からどう見られているのか、どう感じているのか、周りの目を気にした方がいい。それでなくても、虐待したことで距離を置かれているのに。もう帰ってくれ」
「少しでもいいんだ」
「はあ…もう来ないでくれ、今度は通さない」
バスチャン伯爵は馬車代程度のお金を渡して、チェイスを追い出した。
その場ではしっかり受け取ったが、その程度のお金ではどうにもならない。結局、王都の邸を売って、お金を得て、領地の古い邸に住むことになった。
正直、王都に居づらくなったという方が正しい。
バスチャン伯爵に言われて、チェイスは周りを気にしてみると、怪訝な顔を向ける者、目を逸らす者、気にしだすと耐えられなくなってしまった。
ノーマも人の目が気になるようになって、そうしましょうと、ベントルは一人で邸を維持が出来るはずもないので、3人は引っ越して行った。
キャリーヌにはお金がないので、領地に戻ることになったとだけ手紙を出した。
マリクワン侯爵家にとっては、もうどうでもいいことであったが、苦情は出そうかとも考えたが、人目に付く場所で話したことが、良い罰になったのではないかと、何も行動は起こさなかった。
そして、ついに王都を撤退すると聞いて、ようやくかと思った。
これでリオードとジュリに接触することがなくなったので、気付くとは思えないが、心から良かったと思った。
リオードとジュリは、すくすくと擦れることなく大きくなった。ベルアンジュを知る者は二人を見ては、笑みを零し、少し涙目になる。
ベルーナもメイアンの下に、男の子をさらに産み、ついに母国に戻って、ベルアンジュの墓参りも叶った。バスチャン伯爵家には母親宛てに看護の仕事をしながら、結婚したことを一方的に伝えた。
ベルーナは久し振りにリオードとジュリに再開した。
「リオード様、ジュリ様、お元気にお過ごしだと伺っています」
二人の様子は定期的に、ルイフォードがベルーナに送っていた。
「はい、ご無沙汰しております」
「ご無沙汰しております」
ベルーナも離れたことで、自分が何をしてでも、守らなければならない子どもという感覚はなくなっていた。リオードとジュリはルイフォードによって、複雑な事情は聞いており、理解も出来る年になっている。
「産んでいただいて、ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「まあ、どういたしましてでいいのかしら?でも、私がベルアンジュに無理を言ったのよ?そこだけは忘れないでね」
利発に育っている様子の二人に、ベルーナは心の底から嬉しく思った。
「はい、でもベルーナ様のおかげだと」
「はい」
「二人が健康に大きくなって、ベルアンジュのことを忘れないでいてくれるだけで、私は嬉しいのです」
「「はい!」」
ベルーナとリオードとジュリは、縁は生涯に渡って、切れることはなかった。
そして、ベルーナは実家とも連絡は取っていないので、ルイフォードからソアリ伯爵家の末路について詳しく聞くことになった。
「没落したって本当なのですか?」
「ああ、領地に戻ったのだが、結局は貴族税が払えなくてね…確かに邸の維持費はなくなったが、領地に戻っても、お金が増えるわけではないだろう?しかも、伯爵は仕事を辞めたわけだし」
「そうでしたわね」
「それで、邸を売ったお金と領地の収入で何とかなると思ったのだろうけど、領地に戻って、10年持たなかったかな…」
「でも、10年近くは持ったのですね」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
明日で最終回となります。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
「姪なのだから良い話ではないか」
「だったら、どうして孤児院にいるんだ?」
「それは我が家ではお金が、厳しくて…」
援助して欲しいと話しているので、理由はお金だと答えることにした。
「人からどう見られているのか、どう感じているのか、周りの目を気にした方がいい。それでなくても、虐待したことで距離を置かれているのに。もう帰ってくれ」
「少しでもいいんだ」
「はあ…もう来ないでくれ、今度は通さない」
バスチャン伯爵は馬車代程度のお金を渡して、チェイスを追い出した。
その場ではしっかり受け取ったが、その程度のお金ではどうにもならない。結局、王都の邸を売って、お金を得て、領地の古い邸に住むことになった。
正直、王都に居づらくなったという方が正しい。
バスチャン伯爵に言われて、チェイスは周りを気にしてみると、怪訝な顔を向ける者、目を逸らす者、気にしだすと耐えられなくなってしまった。
ノーマも人の目が気になるようになって、そうしましょうと、ベントルは一人で邸を維持が出来るはずもないので、3人は引っ越して行った。
キャリーヌにはお金がないので、領地に戻ることになったとだけ手紙を出した。
マリクワン侯爵家にとっては、もうどうでもいいことであったが、苦情は出そうかとも考えたが、人目に付く場所で話したことが、良い罰になったのではないかと、何も行動は起こさなかった。
そして、ついに王都を撤退すると聞いて、ようやくかと思った。
これでリオードとジュリに接触することがなくなったので、気付くとは思えないが、心から良かったと思った。
リオードとジュリは、すくすくと擦れることなく大きくなった。ベルアンジュを知る者は二人を見ては、笑みを零し、少し涙目になる。
ベルーナもメイアンの下に、男の子をさらに産み、ついに母国に戻って、ベルアンジュの墓参りも叶った。バスチャン伯爵家には母親宛てに看護の仕事をしながら、結婚したことを一方的に伝えた。
ベルーナは久し振りにリオードとジュリに再開した。
「リオード様、ジュリ様、お元気にお過ごしだと伺っています」
二人の様子は定期的に、ルイフォードがベルーナに送っていた。
「はい、ご無沙汰しております」
「ご無沙汰しております」
ベルーナも離れたことで、自分が何をしてでも、守らなければならない子どもという感覚はなくなっていた。リオードとジュリはルイフォードによって、複雑な事情は聞いており、理解も出来る年になっている。
「産んでいただいて、ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「まあ、どういたしましてでいいのかしら?でも、私がベルアンジュに無理を言ったのよ?そこだけは忘れないでね」
利発に育っている様子の二人に、ベルーナは心の底から嬉しく思った。
「はい、でもベルーナ様のおかげだと」
「はい」
「二人が健康に大きくなって、ベルアンジュのことを忘れないでいてくれるだけで、私は嬉しいのです」
「「はい!」」
ベルーナとリオードとジュリは、縁は生涯に渡って、切れることはなかった。
そして、ベルーナは実家とも連絡は取っていないので、ルイフォードからソアリ伯爵家の末路について詳しく聞くことになった。
「没落したって本当なのですか?」
「ああ、領地に戻ったのだが、結局は貴族税が払えなくてね…確かに邸の維持費はなくなったが、領地に戻っても、お金が増えるわけではないだろう?しかも、伯爵は仕事を辞めたわけだし」
「そうでしたわね」
「それで、邸を売ったお金と領地の収入で何とかなると思ったのだろうけど、領地に戻って、10年持たなかったかな…」
「でも、10年近くは持ったのですね」
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