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友人の両親
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「あの、お願いがあるのですが、嫌だったらはっきり断ってください」
「はい、何でしょうか」
何やら意を決したように、カイリが話し始めたので、ルイフォードも真剣に聞くことにした。
「お子様たちに贈り物を送ってもよろしいでしょうか?お誕生日だけでいいのです。祝わせていただけませんでしょうか」
「ありがとうございます、息子たちも喜びます」
二人を想ってくれて、味方は多い方がいい。それがベルアンジュの唯一の友人の両親ならば、断る理由がない。有難く、受け取らせて貰おう。
「こちらこそ、ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらです」
カイリはトーマスに、嬉しそうに微笑み、トーマスも笑顔で答えた。その様子に二人には、リオードとジュリの出生のことを話して置こうと思った。
「お二人には話して置きますが、リオードとジュリは体外受精で生まれました。母親はベルアンジュですが、産んだのは別の女性です」
トーマスは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに頷いた。カイリは表情を変えなかった。
「…そうですか」
「母親はベルアンジュ様ということになるんですよね?」
「はい、許可を得ています。ですが、二人が生まれたのは、ベルアンジュが亡くなってからです。そのことを指摘される日が来るかもしれません」
「ベルアンジュ様はお子様たちに御会いになっていないのですか?」
「…はい」
「そうですか」
口には出さなかったが、いくら産んでいないとはいえ、母親として、さぞ悔しかっただろうとカイリは思った。
「私と産んだ女性の強い希望で生まれました…もし、何か思うところがあるならば、私の責任です」
「そのようなことは」
「ベルアンジュ様は、きっとお二人を可愛がられたでしょう。トーリの弟と妹も、とても可愛がってくれていたのですよ。ねえ、あなた」
カイリはルイフォードが我々を信頼して、言いにくいこと、言わなくていいことを話してくれているのだと察して、夫に話を振った。
「ああ、一緒に絵を描いたり、遊びに連れて行ったりしていただきました」
「そうだったのですか」
「はい、そうなのです。出生について私たちが何か思うことはありません。ベルアンジュ様の面影を持つ、二人がただ可愛い、それだけです」
「ありがとう、ございます」
カイリはベルアンジュの手紙を大事に抱えて、もう一度リオードとジュリに会ってから、二人は帰って行った。
トーマスとカイリは、リオードとジュリの出生には驚きはしたものの、ベルアンジュの命が繋がっているような気がして、嬉しいことだと話をしながら、二人は王都のクリスミー子爵邸に帰った。
そして、ベルアンジュの手紙を読むことにした。
まずはカイリが先に読むことになった。
そこには、ご無沙汰しておりますから始まり、自分は一年前にNN病で亡くなっていること。治る病気ではないことから、お二人には話すことが辛かったこと。
でも、自分が死んでしまうと分かった時、ウリちゃんのことを思い出したこと。
ウリちゃんは待っていてくれないかもしれないけれど、あの二人でよく花冠を作った花畑で、二人でまた笑い合えるかもしれないと思うと、死ぬのが怖くないわけではないが、心が落ち着いたと書かれていた。
カイリは二人が遊ぶ姿を思い出し、涙をボロボロと流した。
そして、二人の健康を気遣う言葉と、ウリちゃんが大好きでした。ウリちゃんに会わせてくれてありがとうございましたと締めくくられていた。
続いてトーマスも読むと、堪らない気持ちになった。
「よく花冠を作り合っていたな」
「ええ、あの光景は忘れないわ」
「ああ…」
愛娘のことを思い出さない日は一日もないが、愛娘の大事な友人のことも、一生忘れることはないだろうと思った。
ベルアンジュは家族とは違うお花畑に、幸せがあることをちゃんと知っていた。
「はい、何でしょうか」
何やら意を決したように、カイリが話し始めたので、ルイフォードも真剣に聞くことにした。
「お子様たちに贈り物を送ってもよろしいでしょうか?お誕生日だけでいいのです。祝わせていただけませんでしょうか」
「ありがとうございます、息子たちも喜びます」
二人を想ってくれて、味方は多い方がいい。それがベルアンジュの唯一の友人の両親ならば、断る理由がない。有難く、受け取らせて貰おう。
「こちらこそ、ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらです」
カイリはトーマスに、嬉しそうに微笑み、トーマスも笑顔で答えた。その様子に二人には、リオードとジュリの出生のことを話して置こうと思った。
「お二人には話して置きますが、リオードとジュリは体外受精で生まれました。母親はベルアンジュですが、産んだのは別の女性です」
トーマスは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに頷いた。カイリは表情を変えなかった。
「…そうですか」
「母親はベルアンジュ様ということになるんですよね?」
「はい、許可を得ています。ですが、二人が生まれたのは、ベルアンジュが亡くなってからです。そのことを指摘される日が来るかもしれません」
「ベルアンジュ様はお子様たちに御会いになっていないのですか?」
「…はい」
「そうですか」
口には出さなかったが、いくら産んでいないとはいえ、母親として、さぞ悔しかっただろうとカイリは思った。
「私と産んだ女性の強い希望で生まれました…もし、何か思うところがあるならば、私の責任です」
「そのようなことは」
「ベルアンジュ様は、きっとお二人を可愛がられたでしょう。トーリの弟と妹も、とても可愛がってくれていたのですよ。ねえ、あなた」
カイリはルイフォードが我々を信頼して、言いにくいこと、言わなくていいことを話してくれているのだと察して、夫に話を振った。
「ああ、一緒に絵を描いたり、遊びに連れて行ったりしていただきました」
「そうだったのですか」
「はい、そうなのです。出生について私たちが何か思うことはありません。ベルアンジュ様の面影を持つ、二人がただ可愛い、それだけです」
「ありがとう、ございます」
カイリはベルアンジュの手紙を大事に抱えて、もう一度リオードとジュリに会ってから、二人は帰って行った。
トーマスとカイリは、リオードとジュリの出生には驚きはしたものの、ベルアンジュの命が繋がっているような気がして、嬉しいことだと話をしながら、二人は王都のクリスミー子爵邸に帰った。
そして、ベルアンジュの手紙を読むことにした。
まずはカイリが先に読むことになった。
そこには、ご無沙汰しておりますから始まり、自分は一年前にNN病で亡くなっていること。治る病気ではないことから、お二人には話すことが辛かったこと。
でも、自分が死んでしまうと分かった時、ウリちゃんのことを思い出したこと。
ウリちゃんは待っていてくれないかもしれないけれど、あの二人でよく花冠を作った花畑で、二人でまた笑い合えるかもしれないと思うと、死ぬのが怖くないわけではないが、心が落ち着いたと書かれていた。
カイリは二人が遊ぶ姿を思い出し、涙をボロボロと流した。
そして、二人の健康を気遣う言葉と、ウリちゃんが大好きでした。ウリちゃんに会わせてくれてありがとうございましたと締めくくられていた。
続いてトーマスも読むと、堪らない気持ちになった。
「よく花冠を作り合っていたな」
「ええ、あの光景は忘れないわ」
「ああ…」
愛娘のことを思い出さない日は一日もないが、愛娘の大事な友人のことも、一生忘れることはないだろうと思った。
ベルアンジュは家族とは違うお花畑に、幸せがあることをちゃんと知っていた。
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