56 / 73
お花畑だった家族の真実14
しおりを挟む
「クソ!」
「あなた」
「折角、ラオルス公爵家と親戚になれるはずだったのに!こんな、こんな、一体、どうしてくれるんだ!」
バスチャン伯爵は、自分が頭を下げて結んだ縁談でもない癖に、荒れた。
今の今まで、ベルーナはマリクワン侯爵家にも、ラオルス公爵家にも求められる素晴らしい娘だと思っていた。
「ベルーナは邸には戻さない」
「でも…」
「あんな恥さらし知るか!勝手をして、白紙に戻されて、恥ずかしい!」
「でも娘もいるのだから」
「知るか!婚約が白紙になったから帰って来るな、娘と勝手に働いて過ごせばいい!どうして私が面倒を看なければならない!そもそも、妻のある者と、子どもを作って、産むなどあり得んだろうが!」
ベルーナが結婚が出来ない相手と言ったことで、今でも妻のある者との子どもだと思っている。実際は今は結婚が出来ない相手という意味であった。
「それはそうだけど…」
「はあ…産ませるべきではなかった!」
「でも…」
マリクワン侯爵家に知られており、隠すことは出来ない以上、子どもに罪はないと、説得したのは夫人である。
「ああ!クソ!娘が他にもいれば!マリクワン侯爵家にも、ラオルス公爵家にも嫁がせられたのに…クソ!」
「…」
「ベルアンジュも、生きていれば!マリクワン侯爵家とも縁は切れなかったのに」
「…あなた」
「助けてやっただろう」
「でも、ベルアンジュは助けていないわ」
「だが、ソアリ伯爵家に援助してやったんだから、ベルアンジュにもということになっただろう!」
誰かにせいにしたいバスチャン伯爵は、ラオルス公爵家の縁談も理由があったからこそで、バスチャン伯爵は一生知ることはない。
「ああ!乳母も解雇だ!」
バスチャン伯爵からベルーナに手紙が届いた。婚約が白紙になったこと、恥さらしは娘と勝手に生きていけ、乳母も解雇すると書かれていた。
「思った通りのことが書いてあるわ、これでしおらしく二人で生きていくと書けばいいわね」
下宿という形にしていたが、実家には住所を義姉の知り合いに借りていたので、バスチャン伯爵夫妻は暮らしている場所すら知らない。
「エリーも解雇ですって」
「ようございました」
「こちらに残るでいいのね?」
「ええ、勿論でございます」
乳母であるエリーも、バスチャン伯爵が絶対に裏切らない相手ということで連れて来た。エリーは父に借金のある男爵家の娘だった。
エリーは同じ男爵令息と結婚し、息子を出産したが、赤子は朝起きると亡くなっていた。悲しみに打ちひしがれるエリーに、夫は寄り添うこともなく、お前のせいだと愛人を作って、離縁させられた。
父親はバスチャン伯爵と同じように恥だと言い、借金を待って貰うためにも、エリーを乳母として差し出した。
ベルーナも最初はどういう女性なのだろうと、いずれはいなくなるだろうなどと思っていたが、エリーはメイアンをとても大事にしてくれた。そしてエリーから、これまでの話を聞き、ベルーナも全てを打ち明けた。
エリーも母国には戻る気はない。
今後は医療に関わる仕事を二人で学んでいこうと話しており、ベルーナもラオルス公爵家に役立ちそうな勉強はしていなかったが、医療の勉強は始めていた。
解雇されなくても、縁談がなくなった時点で、給料が払えないからと辞めることになって、バスチャン伯爵に解雇された体にするつもりだった。
ランバートも目を付けられてしまった王女は他国に嫁いだので、横槍を入れる心配もなくなった。後は優秀な者ということで、想い人を婚約者にすればいい。
ベルーナは謝罪と、情けない娘とは縁を切って貰っていい、メイアンと二人で生きて行くと手紙を書くと、バスチャン伯爵から、怒りに任せて、縁を切ったという証明書が届いたので、オーカスと結婚した。
そして、そろそろリオードとジュリが、マリクワン侯爵家に行く日が迫っていた。
「あなた」
「折角、ラオルス公爵家と親戚になれるはずだったのに!こんな、こんな、一体、どうしてくれるんだ!」
バスチャン伯爵は、自分が頭を下げて結んだ縁談でもない癖に、荒れた。
今の今まで、ベルーナはマリクワン侯爵家にも、ラオルス公爵家にも求められる素晴らしい娘だと思っていた。
「ベルーナは邸には戻さない」
「でも…」
「あんな恥さらし知るか!勝手をして、白紙に戻されて、恥ずかしい!」
「でも娘もいるのだから」
「知るか!婚約が白紙になったから帰って来るな、娘と勝手に働いて過ごせばいい!どうして私が面倒を看なければならない!そもそも、妻のある者と、子どもを作って、産むなどあり得んだろうが!」
ベルーナが結婚が出来ない相手と言ったことで、今でも妻のある者との子どもだと思っている。実際は今は結婚が出来ない相手という意味であった。
「それはそうだけど…」
「はあ…産ませるべきではなかった!」
「でも…」
マリクワン侯爵家に知られており、隠すことは出来ない以上、子どもに罪はないと、説得したのは夫人である。
「ああ!クソ!娘が他にもいれば!マリクワン侯爵家にも、ラオルス公爵家にも嫁がせられたのに…クソ!」
「…」
「ベルアンジュも、生きていれば!マリクワン侯爵家とも縁は切れなかったのに」
「…あなた」
「助けてやっただろう」
「でも、ベルアンジュは助けていないわ」
「だが、ソアリ伯爵家に援助してやったんだから、ベルアンジュにもということになっただろう!」
誰かにせいにしたいバスチャン伯爵は、ラオルス公爵家の縁談も理由があったからこそで、バスチャン伯爵は一生知ることはない。
「ああ!乳母も解雇だ!」
バスチャン伯爵からベルーナに手紙が届いた。婚約が白紙になったこと、恥さらしは娘と勝手に生きていけ、乳母も解雇すると書かれていた。
「思った通りのことが書いてあるわ、これでしおらしく二人で生きていくと書けばいいわね」
下宿という形にしていたが、実家には住所を義姉の知り合いに借りていたので、バスチャン伯爵夫妻は暮らしている場所すら知らない。
「エリーも解雇ですって」
「ようございました」
「こちらに残るでいいのね?」
「ええ、勿論でございます」
乳母であるエリーも、バスチャン伯爵が絶対に裏切らない相手ということで連れて来た。エリーは父に借金のある男爵家の娘だった。
エリーは同じ男爵令息と結婚し、息子を出産したが、赤子は朝起きると亡くなっていた。悲しみに打ちひしがれるエリーに、夫は寄り添うこともなく、お前のせいだと愛人を作って、離縁させられた。
父親はバスチャン伯爵と同じように恥だと言い、借金を待って貰うためにも、エリーを乳母として差し出した。
ベルーナも最初はどういう女性なのだろうと、いずれはいなくなるだろうなどと思っていたが、エリーはメイアンをとても大事にしてくれた。そしてエリーから、これまでの話を聞き、ベルーナも全てを打ち明けた。
エリーも母国には戻る気はない。
今後は医療に関わる仕事を二人で学んでいこうと話しており、ベルーナもラオルス公爵家に役立ちそうな勉強はしていなかったが、医療の勉強は始めていた。
解雇されなくても、縁談がなくなった時点で、給料が払えないからと辞めることになって、バスチャン伯爵に解雇された体にするつもりだった。
ランバートも目を付けられてしまった王女は他国に嫁いだので、横槍を入れる心配もなくなった。後は優秀な者ということで、想い人を婚約者にすればいい。
ベルーナは謝罪と、情けない娘とは縁を切って貰っていい、メイアンと二人で生きて行くと手紙を書くと、バスチャン伯爵から、怒りに任せて、縁を切ったという証明書が届いたので、オーカスと結婚した。
そして、そろそろリオードとジュリが、マリクワン侯爵家に行く日が迫っていた。
3,033
あなたにおすすめの小説
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる