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【アイルーン】三人の妃
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「後見人に、自白剤の許可も得ているのだぞ?どうせ知っているのだろう?」
「っ」
ハウニーは父親から知らされており、自白剤なんてと動揺していた。だからこそ、犯人が拘束されたと聞き、ホッとしていた。
「陛下は私どもに、自白剤をお使いになるなんて思っておりませんわ」
「やはり知っていたのだな?全員に口止めしたのに、皆、口が軽いことだな」
「お父様は、私のためを思って伝えてくれただけでございます」
ロウスも覚悟して置くようにという意味で、知らされていたが、ディオエルはそんなことするはずないと思っていた。
「皇帝が口止めしたのにか?」
「っ」
さすがにそう言われてはロウスも返す言葉がなく、黙るしかなかった。
「エオナは?」
「はい、私も知らされてはおりました。ですが、潔白が証明できるのであれば、私は受けたいと思っております」
妃たちの実家は誰も口が軽かったが、エオナだけは潔白が証明が出来るなら、使えばいいと思っていたところである。
「な!」
「エオナ?」
裏切られたような感覚になったのは、ハウニーとロウスであった。
「自白剤であれば、これ以上の証明はなるのではありませんか?」
「でも」
「前のように廃人になるわけでもなく、寝込むだけで、薬も効くというではありませんか。何の問題があるというのです?」
「でも、疑われて、自白剤を使われたなんて!」
「番が殺されたのならば、妃が疑われるのは、当然ではありませんか?」
エオナはハウニーやロウスとは違って、疑われることに理解を示していた。
「そんなことないわ!」
「なぜです?」
「私は番に、関わっていないからよ」
「それは証明にはならないのではありませんか?だから、自白剤という手法が使われているのでしょう?皇帝宮には権力が渦巻いているではありませんか?誰も不利益なことを洩らさなかっただけかもしれません」
エオナの言うことが、全てだとディオエルも実感していた。何か知っていても、誰も危険を犯してまで、訴える者がいなかっただけではないか。
「でも、犯人はもう拘束されているのよ?それなのに、自白剤なんて」
ハウニーはあまりに必死になっており、エオナには何かあるのかと感じるほどであった。
「そんなに否定していると、疑われるかもしれませんよ?」
「な!そんなはずないでしょう!」
「ハウニー様、落ち着いてください。先程、犯人は拘束されているとおっしゃられていたではありませんか。私たちではありませんわ」
ロウスは落ち着きを取り戻した様で、冷静に諭した。
「関与している者も、拘束している」
「ほら、私たちではございませんでしょう?殺す理由がありませんもの」
「そうなのですね」
ロウスは自信満々に言い、ハウニーもまたホッとした様子を見せた。
エオナは表情を変えなかったが、ディオエルはその様子に疑似番のことを聞こうかと思ったが、それは3人一緒ではない時の方がいいだろうと、今は聞かない方がいいと判断した。
「まだ裏付けが取れていない部分がある。もしも何か分かれば、そなたたちにも自白剤を使うことになる」
「…え」
「陛下、それは」
「承知いたしました」
「下がっていい」
エオナは頭を下げ出て行こうとしたが、ハウニーとロウスは納得いかない様子で残っていた。
「下がっていい」
「っはい、失礼いたします」
「…失礼します」
渋々という形ではあったが、2人も出て行き、ディオエルは少し緊張しながら、テイラーの方を向いた。
「テイラー嬢、何か分かっただろうか?」
「ええ、再度呼んで貰いたい方がおります」
「誰だ?」
「名前が分からないのですが、ふわっとしたブロンドの髪を、肩のところで斜めに結んでいた女性です」
「ライシード、分かるか?」
ディオエルには、全く記憶にない女性であった。
そして、その言葉にルーベルトはテイラーの横で、唇をグッと噛み締めた。
「っ」
ハウニーは父親から知らされており、自白剤なんてと動揺していた。だからこそ、犯人が拘束されたと聞き、ホッとしていた。
「陛下は私どもに、自白剤をお使いになるなんて思っておりませんわ」
「やはり知っていたのだな?全員に口止めしたのに、皆、口が軽いことだな」
「お父様は、私のためを思って伝えてくれただけでございます」
ロウスも覚悟して置くようにという意味で、知らされていたが、ディオエルはそんなことするはずないと思っていた。
「皇帝が口止めしたのにか?」
「っ」
さすがにそう言われてはロウスも返す言葉がなく、黙るしかなかった。
「エオナは?」
「はい、私も知らされてはおりました。ですが、潔白が証明できるのであれば、私は受けたいと思っております」
妃たちの実家は誰も口が軽かったが、エオナだけは潔白が証明が出来るなら、使えばいいと思っていたところである。
「な!」
「エオナ?」
裏切られたような感覚になったのは、ハウニーとロウスであった。
「自白剤であれば、これ以上の証明はなるのではありませんか?」
「でも」
「前のように廃人になるわけでもなく、寝込むだけで、薬も効くというではありませんか。何の問題があるというのです?」
「でも、疑われて、自白剤を使われたなんて!」
「番が殺されたのならば、妃が疑われるのは、当然ではありませんか?」
エオナはハウニーやロウスとは違って、疑われることに理解を示していた。
「そんなことないわ!」
「なぜです?」
「私は番に、関わっていないからよ」
「それは証明にはならないのではありませんか?だから、自白剤という手法が使われているのでしょう?皇帝宮には権力が渦巻いているではありませんか?誰も不利益なことを洩らさなかっただけかもしれません」
エオナの言うことが、全てだとディオエルも実感していた。何か知っていても、誰も危険を犯してまで、訴える者がいなかっただけではないか。
「でも、犯人はもう拘束されているのよ?それなのに、自白剤なんて」
ハウニーはあまりに必死になっており、エオナには何かあるのかと感じるほどであった。
「そんなに否定していると、疑われるかもしれませんよ?」
「な!そんなはずないでしょう!」
「ハウニー様、落ち着いてください。先程、犯人は拘束されているとおっしゃられていたではありませんか。私たちではありませんわ」
ロウスは落ち着きを取り戻した様で、冷静に諭した。
「関与している者も、拘束している」
「ほら、私たちではございませんでしょう?殺す理由がありませんもの」
「そうなのですね」
ロウスは自信満々に言い、ハウニーもまたホッとした様子を見せた。
エオナは表情を変えなかったが、ディオエルはその様子に疑似番のことを聞こうかと思ったが、それは3人一緒ではない時の方がいいだろうと、今は聞かない方がいいと判断した。
「まだ裏付けが取れていない部分がある。もしも何か分かれば、そなたたちにも自白剤を使うことになる」
「…え」
「陛下、それは」
「承知いたしました」
「下がっていい」
エオナは頭を下げ出て行こうとしたが、ハウニーとロウスは納得いかない様子で残っていた。
「下がっていい」
「っはい、失礼いたします」
「…失礼します」
渋々という形ではあったが、2人も出て行き、ディオエルは少し緊張しながら、テイラーの方を向いた。
「テイラー嬢、何か分かっただろうか?」
「ええ、再度呼んで貰いたい方がおります」
「誰だ?」
「名前が分からないのですが、ふわっとしたブロンドの髪を、肩のところで斜めに結んでいた女性です」
「ライシード、分かるか?」
ディオエルには、全く記憶にない女性であった。
そして、その言葉にルーベルトはテイラーの横で、唇をグッと噛み締めた。
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