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【テイラー】自白剤4
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「なぜだ?」
「あれ、は、つが、いだから、こど、も、を、うめる」
「その二人を殺したのは、お前じゃないか!」
自白剤を打っているとはいえ、アイルーンは子どもを産めていないのに、よくそんなことが言えるものだと思った。
「ちを、ぬき、すぎ、たの、だと、お、もった、けど、ころ、す、き、はなか、つた。つ、がい、いない、と、こ、まる」
「お前は死因を分かっていながら、素知らぬ顔をしていたんだな?」
「そ、れは、ち、がうと、おも、い、たか、った」
「病死になってホッとしたか?」
「は、い」
部屋にいる全員が、命を助ける医師でありながら、実行犯だとも呼べるラオイに怒りを向けていた。
「陛下!」
カーズ医師は再び陛下に向かって、叫んだ。
「どのくらい血を抜いていたのか、カルテなど何か書き残している物はないか聞いてください」
「ああ、どのくらい抜いていたんだ?」
「500、く、らい、で、も、もっと、だと、いわ、れて、1000、ちか、くぬい、て、いたこと、もあった」
「っな」
カーズ医師は、驚愕の表情を浮かべていた。
「危険か?」
「はい、貧血になるのも当然です。亡くなられたのは、そのせいだと思います」
「そうか、何か書き残しているか?」
「はいぃ、わた、し、の、つく、えの、かぎ、のかかった、ひきだしに、かる、て、ある」
「王宮のか?」
「は、うぃ」
興味があるなどと言っていたことから、どのように行ったか書き残したのだろう。だが、見付かれば証拠になる。
「アイルーン・デリアの血は残っていないのか?」
「も、ない。ぜ、んぶ、つか、つた」
ディオエルは隠し持っていれば、調べることも出来るのではないかと思ったが、もうなかったかと、残念に思った。
「無理矢理、手伝ったわけではないのだな?」
「はいぃ」
「ペジリーとローズミー以外に、誰か関わった者はいるか?」
「い、ない、かっ、あつ、かっ」
まだ聞きたいことはあったが、ペジリーと同じような状態になり始めた。
「もう無理か」
「はい」
「牢に入れて置いてくれ、あと机を調べるように」
「は!」
騎士たちがラオイを牢に連れて行き、机を調べるために出て行った。
ディオエルは小さく息を吐いてから、テイラーとデリア侯爵の方を向いた。すると、既にデリア侯爵は顔を歪ませ、立ち上がっていた。
「デリア侯爵、申し訳なかった」
「陛下、アイルーンは殺されたのですね!」
「ああ、その通りだ」
「アイルーンは、あなたの寵妃のために!馬鹿げたことのために!理不尽に、殺されたんですね!」
「ああ…すまなかった」
ディオエルは、当然だが、怒りに満ち溢れたデリア侯爵を、まっすぐ見ることが出来なかった。
デリア侯爵は、クソ!っと大きな声を出して、ドカリと椅子に座った。
ディオエルはテイラーはどんな顔をしているのかと恐る恐る見ると、ペジリーやラオイを睨み付けていた顔ではなく、真顔で座っていた。
「テイラー嬢」
「何でしょうか?」
「あっ」
記憶とペジリーとラオイの自白は、アイルーンの記憶と相違ないかと聞こうとしていたが、その前に謝罪をしなければならないと思い直した。
「申し訳なかった。アイルーン・デリアが、そんな目に遭っているとは知らなかったが、私の責任だ」
「ええ、そうですね」
部屋にいる者にはデリア侯爵は、アイルーンの父親だと説明されていたので、怒りも最もだと感じていた。
だが、テイラーはライシードとの予定通り、デリア侯爵の縁者だと説明されていたが、ディオエルの謝罪にどういうことだろうかと考えていたが、テイラーの返した言葉にもギョッとしていた。
「一つ、質問をいいですか?」
「ああ、何だろうか」
「ローズミーに子どもは出来たが、無事には生まれなかったという解釈で合っていますか?」
「ああ、合っている」
「あれ、は、つが、いだから、こど、も、を、うめる」
「その二人を殺したのは、お前じゃないか!」
自白剤を打っているとはいえ、アイルーンは子どもを産めていないのに、よくそんなことが言えるものだと思った。
「ちを、ぬき、すぎ、たの、だと、お、もった、けど、ころ、す、き、はなか、つた。つ、がい、いない、と、こ、まる」
「お前は死因を分かっていながら、素知らぬ顔をしていたんだな?」
「そ、れは、ち、がうと、おも、い、たか、った」
「病死になってホッとしたか?」
「は、い」
部屋にいる全員が、命を助ける医師でありながら、実行犯だとも呼べるラオイに怒りを向けていた。
「陛下!」
カーズ医師は再び陛下に向かって、叫んだ。
「どのくらい血を抜いていたのか、カルテなど何か書き残している物はないか聞いてください」
「ああ、どのくらい抜いていたんだ?」
「500、く、らい、で、も、もっと、だと、いわ、れて、1000、ちか、くぬい、て、いたこと、もあった」
「っな」
カーズ医師は、驚愕の表情を浮かべていた。
「危険か?」
「はい、貧血になるのも当然です。亡くなられたのは、そのせいだと思います」
「そうか、何か書き残しているか?」
「はいぃ、わた、し、の、つく、えの、かぎ、のかかった、ひきだしに、かる、て、ある」
「王宮のか?」
「は、うぃ」
興味があるなどと言っていたことから、どのように行ったか書き残したのだろう。だが、見付かれば証拠になる。
「アイルーン・デリアの血は残っていないのか?」
「も、ない。ぜ、んぶ、つか、つた」
ディオエルは隠し持っていれば、調べることも出来るのではないかと思ったが、もうなかったかと、残念に思った。
「無理矢理、手伝ったわけではないのだな?」
「はいぃ」
「ペジリーとローズミー以外に、誰か関わった者はいるか?」
「い、ない、かっ、あつ、かっ」
まだ聞きたいことはあったが、ペジリーと同じような状態になり始めた。
「もう無理か」
「はい」
「牢に入れて置いてくれ、あと机を調べるように」
「は!」
騎士たちがラオイを牢に連れて行き、机を調べるために出て行った。
ディオエルは小さく息を吐いてから、テイラーとデリア侯爵の方を向いた。すると、既にデリア侯爵は顔を歪ませ、立ち上がっていた。
「デリア侯爵、申し訳なかった」
「陛下、アイルーンは殺されたのですね!」
「ああ、その通りだ」
「アイルーンは、あなたの寵妃のために!馬鹿げたことのために!理不尽に、殺されたんですね!」
「ああ…すまなかった」
ディオエルは、当然だが、怒りに満ち溢れたデリア侯爵を、まっすぐ見ることが出来なかった。
デリア侯爵は、クソ!っと大きな声を出して、ドカリと椅子に座った。
ディオエルはテイラーはどんな顔をしているのかと恐る恐る見ると、ペジリーやラオイを睨み付けていた顔ではなく、真顔で座っていた。
「テイラー嬢」
「何でしょうか?」
「あっ」
記憶とペジリーとラオイの自白は、アイルーンの記憶と相違ないかと聞こうとしていたが、その前に謝罪をしなければならないと思い直した。
「申し訳なかった。アイルーン・デリアが、そんな目に遭っているとは知らなかったが、私の責任だ」
「ええ、そうですね」
部屋にいる者にはデリア侯爵は、アイルーンの父親だと説明されていたので、怒りも最もだと感じていた。
だが、テイラーはライシードとの予定通り、デリア侯爵の縁者だと説明されていたが、ディオエルの謝罪にどういうことだろうかと考えていたが、テイラーの返した言葉にもギョッとしていた。
「一つ、質問をいいですか?」
「ああ、何だろうか」
「ローズミーに子どもは出来たが、無事には生まれなかったという解釈で合っていますか?」
「ああ、合っている」
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