極夜のネオンブルー

3星・雲の時代

16.5ノーカーウォーカーストリート

ノーカーウォーカーストリートは、
元々はサイレンリバーだった。

ただ、この場所は他のサイレンリバーと比較して
特殊だった。

どういうわけかダンサーが何人も居座り、
更に砂絵師まで登場した。

スリーピングタウンに浮浪者が訪れることは
珍しくないが、この場所は異様であった。

関係者は案内役を多めに配置し、
彼らを追い出すことよりも
彼らにルールを持たせることを考えた。

そしてこの場所は、車などは一切通らない、
歩行者たちの場所という意味で
ノーカーウォーカーストリートと名付けられた。

具体的に誰がそう決めたというのではなく、
いつの間にかそうなっていた。

もちろん、ストリートではなく歴とした川である。

ノーカーウォーカーストリートを行き交う
人々は自らをウォーカーと称するようになった。

サイレンリバーの川底に使われている素材は
タップシューズで叩くととても良い音がするため、
タップダンサーたちから好まれている。