守るべきモノ

神崎

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 目を覚ますと、いつもの場所とは違う。倫子はそう思いながらぼんやりする頭をおこした。パソコンエリアが充実しているし、見覚えのない複合機が見える。
 そのときやっと倫子は自分の置かれている状況に気がついた。布団にくるまって裸だったのだ。そして隣には伊織がいる。自分の部屋に帰るつもりだったのに、そのまま寝てしまったのだ。
「おはよう。やっと起きた。」
 眠っていた倫子を起こさないように、布団の中で本を読んでいたらしい伊織は、笑顔だった。
「起こしてくれれば良かったのに。」
「起きなかった。それにこうしていたかったし。」
 倫子はまだ少しぼんやりする頭をくしゃっとかくと、体を起こして脱ぎ捨てられている下着に手を伸ばす。不覚だった。部屋で寝ると思っていなかったのに。
「部屋に帰るの?」
「春樹が帰ってくるのよ。こんな状態を見られたくないわ。」
「帰ってくるのは昼過ぎだって言ってた。泉もまだ帰ってこないし。」
 時計はまだ朝の八時を指している。伊織も体を起こすと、倫子の唇に軽くキスをする。
「何……。」
「少し余韻に浸りたくて。」
「……。」
 すると伊織はそのまま倫子の頭を支えて、また唇を重ねた。そのまま倫子の体を布団に押し倒すと、その首筋に唇をはわせる。
「あ……。伊織……もう朝なのに……。」
「ん?」
 だが伊織は止めなかった。胸に触れると、それをつかみ上げて乳首に舌をはわせる。すると倫子の顔が少しずつ赤くなっていく。舌で転がすようになめ回すと、倫子は声を抑えきれなかった。
「あっ……。」
 そしてそのまま足の間に手を伸ばすと、少しもう濡れていた。
「もっと見たいな。夕べあまり見れなかったし。」
 足の方に移動すると、その足を広げた。そしてそこを指で広げる。おそらく何人モノ男がここに入ったはずだ。なのにとても綺麗な色をしている。そして見てるだけでそこから汁が溢れてきた。
 思い切ってそこに指をはわせる。すると倫子は声を上げる。
「ああっ……。伊織……あまり探らないで。」
「見て。指が出たり入ったりしてる。ほらこんなに濡れてるよ。」
 指を入れる度に音がする。そしてそれを言うとさらに濡れてきた。
「あいつ、ちょっとマゾヒストなんだよ。だからたまらねぇな。」
 政近が冗談混じりに言っていた。それが現実だったのかもしれない。指を増やして、その中をまた探る。すると声が変わった。
「いっ……伊織……。あっ!」
 すでに指だけではなく手のひらが濡れてきた。それだけ感じているのだ。
「声を聞かせてよ。」
 指を曲げてそこを探る。するとさらに水が溢れてきた。
「駄目……。伊織。い……。あっああああ!」
 体ががくがくと震える。そしてぐったりとして息を切らせた。だがそのまま伊織はすぐに腰を持ち上げると、そのままその濡れているところに舌をはわせる。音を立てないようになんてできない。さっき絶頂に達したばかりなのに、さらにまた絶頂に達しそうだ。
「や……あっ……そこ……すぐにイっちゃう!」
 セックスの詳しいことなんかよくわからない。なのに声色が変わる。ここが倫子の好きなところなのだ。舌をのばして、そこを舐め上げた。
「あっ!ああああ!」
 度重なるその絶頂に、どうにかなりそうだ。ぼんやりとした感覚の中、伊織はそこから口を離すと倫子の唇にキスをする。そして枕の下からコンドームを取り出して、また自分のモノに付ける。これでコンドームは無くなってしまった。
 買っても良いが、次があるのかと言われると無いだろう。だが諦めたくない。そう思いながら、伊織はその中にまた自分を入れ込んだ。
「あっ……倫子の……すごい気持ちいい……。」
 奥に入り込むと、倫子は少し涙目になっていたようだ。それを伊織は拭うと、またキスをする。すると倫子の舌が伊織の舌に絡んでくる。こんなに受け入れられたことはなかった。
「倫子……。」
「一杯になってる……。あなたので一杯になってるわ。」
「うん……。倫子のも気持ちいい……こうしていても締まってきてる。でも少し動くよ。」
 中に入れる度に、射精しそうになる。それでも伊織は止めなかった。動く度に、赤くなる顔も、声も、すべてが好きだった。だが倫子は気を抜くと目を閉じてしまう。伊織を見ないようにしているのだろうか。
「倫子。」
 そこから抜くと、伊織は倫子の手を引いて起きあがらせる。そしてそのまま伊織は横になると、倫子を自分の体の上に乗り上げさせた。
「そのまま入れて。」
「え……。」
「入れて。」
 これでは見ないと言うわけにもいかないだろう。倫子は伊織の体に乗り上げると、その大きくなっているそれを指で支えて中に入れていく。
 伊織の方からは入っていくのがよく見えて、少し笑顔になる。
「倫子の中に入ってるの見えるよ。」
「や……。」
「ん……気持ちいいな。倫子……。ほら中に……。」
 腰を下ろすと、倫子はその繋がっているところを改めてみる。それが春樹のモノではないのはわかっているのに、どこか求めている自分がいた。
 自然と倫子の腰が動いていく。そのたびに伊織の太股も濡れていった。
「俺の方に体を倒して。そう……。あっ……。」
 体を倒されて、少し締まった。良いところに当たったらしい。胸に手を当てて、下から腰を打ち付けていく。そのたびに倫子は声を上げた。
「あっ……あっ……。奥……。」
「奥まで届いてるね。倫子。すごい気持ちいいよ。」
「んっ……。どうにかなりそう……。」
 何も考えられない。そう思いながら倫子はそのまま伊織の唇にキスをする。そのまま激しく打ち付けられ、何度も何度も絶頂に達した。

 シーツや洗濯物を洗っている間、伊織は食事の用意をしていた。セックスをしていて、朝食と昼食兼用の食事だった。餅を焼いて、簡単な雑煮を作る。
 すると倫子が脱衣所から洗濯の終わったシーツや、洗濯物を持ってきた。
「シーツは手伝おうか。」
「そうね。お願い。」
 物干し竿をたてて、洗濯物を干していく。そしてシーツを二人で広げた。このシーツの上で、倫子は今朝まで乱れていたのだ。そして今日は、春樹の下で乱れるのかもしれない。そう思うと嫉妬する。
 洗濯物を干し終えて、倫子はまた布団を干すための台を設置し始めた。
「布団を干すの?」
「昨日は無理だったから、今日買ってきた布団と毛布を干そうと思って。」
 そういって部屋から真空パックしている布団を取り出した。蓋を開けるとふわんと厚めの布団が膨らんで出てくる。
「羊毛なのよね。羽に比べると重いわ。」
「手伝うよ。」
 シングルサイズではない布団は、春樹と寝るためだ。最近ずっと春樹は倫子の部屋で寝泊まりをしている。体の大きな春樹には、二人で寝ると窮屈なのだろう。
 今朝までずっと乱れていた倫子が、春樹に今日は抱かれるのだろうか。いいや。春樹はともかく、倫子は家に他の人が居たら抱かれるのを嫌がるだろう。そして明日からまたみんなは仕事になり、日常に戻るのだ。
 この布団で、二人は寝るだけだ。伊織にはそれも出来ないのに。
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