尻凛 shiri 〜 がちむちゲイの短編小説集 〜

くまみ

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激闘の褌寒中水泳大会 後編

祝勝会

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 何とか四人(聡志と孝一、消防団ベア)はゴールの海岸浅瀬まで到着、砂に足が着いた。

 聡志と孝一は両脇から兄貴の肩を支えて浅瀬を歩く。

 既に褌は流されてゼッケンだけの姿、前を覆い隠すものなど何もなく素っ裸だったが体力も尽きかけて股間を隠したり恥ずかしがる余裕は全くなかった。

 多くの観衆の「頑張れ!後少し!」などの声援の中、聡志と孝一は消防団の兄貴を連れてゴールに倒れ込んだ。

 倒れ込んだ四人のもとに直ぐ様レスキュー隊が駆けつけた。

 四人はバスタオルを掛けられて担架で仮設医務室に運ばれるはずが、何故か更衣室兼控室に運ばれた。

 更衣室兼控室は暖かく、毛布で包まっていたイースタンクロスビーチライフセーバーベアと日西大ペアが既にいた。

 「市場さん・・・」井谷見は聡志を見るなり毛布に構わず裸で駆け寄ってそのまま聡志を抱きしめた。

 井谷見は毛布の下は裸だった。井谷見を始め、先にゴールをした出場者も、着替えをする元気もない程#憔悴____#していたのだ。

 「井谷見・・・どうした・・・」井谷見が抱きついた為に聡志も巻かれていたバスタオルがはだけてしまう。

 「市場さん・・・俺、市場さんが帰って来ないんじゃないかって心配で心配で・・・良かった・・・」

 「ちょっと、すみません・・・俺の先生にいつまで裸で抱きついているんすか?」孝一が井谷見と聡志の間に割って入った。

 「あ、ごめん・・・市場さんはだったね!市場さん、取り乱してすみませんでした」

 「後で連絡先を交換してください・・・」井谷見はそう言い残して元いた場所に戻った。

 後にゴールした出場者にも毛布が渡され、暖かいココアが配られた。

 聡志と孝一は互いに寄り添いホッと一息付く。

 完全に冷え切って身体にココアの甘さと暖かさが染み渡った。

 「兄ちゃんたち、助けてくれてありがとうな・・・」六百町消防団ベアの溺れていなかった兄貴が寄ってきて、聡志と孝一とに交互に抱き合った。

 消防団ベアの溺れていた兄貴も起きられないくらい衰弱すいじゃくしていたが、段々と回復しつつあるようだった。
 
 少し経ち表彰式をすると係員が呼びに来た。

 3位は百高高校水泳部ペア。

 2位はイースタンクロスビーチライフセーバーペア。

 1位は日本西体育大学水泳部ペア。

 それ以外のチームは棄権となっており、ちなみに新宿三丁目水泳部ベアはどうなったかと言うと・・・

 浮島までは到着、そこで何でこんな大会に参加したのかと責任のなすりつけ合いになりギャンギャンと大喧嘩を始め、結局その場で棄権する事になった。

 大会賞品の草の山温泉ベア宿泊券は日西大ペアに授与されたが、井谷見は授与を断ると申し出た。

 「先頭にいた百高高校水泳部は溺れているペアを助ける為に進路を変えた・・・本当の優勝は百高高校水泳部です!」井谷見は表彰式で公言した。

 それを聞いていた観衆から声援と拍手が巻き起こった。
 
 井谷見は草の山温泉ベア宿泊券は百高高校水泳部へ授与と提案し、イースタンビーチライフセーバーも賛同し、百高高校水泳部が草の山温泉宿泊券を授与する事になった。

 表彰式を終え、ゴール出来た三ペアはそれぞれテレビ新福島のインタビューを受け、それが終わると聡志は井谷見と、六百町消防団ベアの二人と連絡先の交換をした。

 百高高校の体育館で、町をあげての祝勝会が用意されていた。

 残念ながら優勝が出来なかった聡志と孝一だったが、そんな事は関係なく盛大に祝われた。

 「良くやった!人を助けるなんて凄い!百高の英雄だっ!」参加した皆から声援と拍手喝采の嵐であった。

 聡志と孝一は引っ張りだこで休む暇がなかった。

 二次会は有志で孝一の実家である孝介の居酒屋で行われた。

 孝介の居酒屋でも聡志と孝一を囲み祝杯で盛り上がった。

 「縁もたけなわではございますが、この辺りで、今日頑張って疲れている市場先生と、孝一を解放してやろうと思うのですが皆さんいかがでしょうか・・・」

 「つきましては、こね頑張った二人の為にゆっくり出来る百高旅館を手配しました、どうかこの二人の為に宿泊料のカンパをお願い出来ればと思います」

 居酒屋に集まった町内会のメンバー始め学校長、同僚教員たちは酔った勢いもあり快くカンパに応じた。

 聡志と孝一は店の外に迎えに来ていた、百高旅館の車に乗せらて、百高旅館にそのまま向かう事になるのだった。

 

 
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