尻凛 shiri 〜 がちむちゲイの短編小説集 〜

くまみ

文字の大きさ
22 / 53
激闘の褌寒中水泳大会 後編

いざ、大会へ

しおりを挟む
 前回までのあらすじ・・・

 百高高校の体育教師で水泳部顧問の聡志は室内温水プールを獲得する為に寒中水泳大会に優勝を目指す事になった。

 大会に出場するのは聡志と部員で三年生、卒業を間近に控えた孝一。淡い恋心を聡志に抱く孝一と聡志は共同練習に励む中、聡志への想いを膨らませて行った。

 孝一の父親、孝介の提案で練習メニューに褌一枚の姿で氷点下に近い滝行を加え、二ヶ月の練習を終え聡志と孝一はいよいよ大会に挑む。

 後編・・・

 聡志と孝一は平日は部活で自主練と、土曜日は町営プール、日曜日は滝行をし、時間は過ぎていった。

 3月初旬には孝一は卒業式を終えた。

 孝一は卒業式の日も練習をすると言い張ったが、聡志は一生に一度だからと説得し一日だけ孝一は練習を休んだ。

 その後、ルーティン化したスケジュールで練習を進めいよいよ3月27日の寒中水泳大会を迎える事となった。 

 百高高校では校長をはじめ、職員、生徒有志の応援団が結成された。

 百高町内会では孝介と住職が音頭を取り応援団有志が集められていた。

 大会会場の東十字星海岸イースタンクロスビーチは県内でも有数の海水浴場である。

 夏にはたくさんの人で賑わうが、さすがに3月下旬にこんなに賑わうのは初めてであろう。

 その客を目当てに海の家は開かれて屋台も出店されていた。

 これだけ応援が集まっているのにも関わらず、大会出場メンバーは7組14名と意外に少なかった。

 ①六百町消防団ベア、②東十字星海岸ライフセーバーベア、③日本西体育大学水泳部ベア、④福島県庁町興し企画室臨時水泳部ベア、⑤新宿三丁目水泳部ペア、⑥山岳救助隊ベア、そして・・・⑦百高高校水泳部ベアの7組14名のメンバーがエントリーされていた。

 実況はテレビ新福島のアナウンサーが担当をする事になっていた。

 参加メンバーの少ない割に大きな大会であると、参加者や観衆は思ったことであろう。

 聡志と孝一は大会会場受付に行った。

 受付周辺には大会出場者が集まっていた。

 「キャァ寒いわ!ありえない・・・ちょっと風強すぎじゃない信じられないわ!」それにしても新宿三丁目水泳部ベアと応援の一行は賑やかで周囲の人目を引いていた。

 「海岸なんだから風強いの当たり前だろ・・・何でエントリーネームは新宿二丁目じゃなくて新宿三丁目なんだ?どっちにしたってオネェがバレバルじゃないか・・・あぁぁ・・・知り合いがいませんように・・・」聡志は心から願った。

 「市場さん?ですか?」市場は会場で声を掛けられた。

 「うわぁ知り合いか・・・ヤバい!」聡志はドキッとし、オズオズと振り返った。

 「あれ?井谷見いやみ・・・?」

 「市場さん、ご無沙汰しています、大会案内で市場さんの名前を見てもしもやと思っていました、やっぱり市場さんだったんですね!」

 そこには聡志の大学時代、水泳部の後輩の井谷見がいた。

 「何してんだ?こんなところで?!」

 「市場さん、俺も大会に出場するんですよ・・・今からエントリーリストの変更をお願いしに行くところです・・・」

 「なるほど、それでエントリーリストに井谷見の名前はなかったのか・・・」聡志は思った。

 「井谷見、それでどこのチームなの?」

 「市場さん、日西大学です!」井谷見はほこらしく名乗った。

 聞くと井谷見は日西大学で講師をし、もう次期准教授になるとか、水泳部ではベッドコーチをしていると聞いてもいない事までベラベラと井谷見は聡志に話しをする。

 「えっ!?高校の体育教師で弱小水泳部の顧問をしてるんですか?」

 「おい、井谷見・・・俺はうちの水泳部が弱小なんて一言も言ってないぞ!」

 「あっ、すみません・・・実は大会出場のベアについて、既にリサーチ済みなんです、百高高校に市場先生がいた事に驚きました、しかも弱小水泳部の顧問をされているなんて・・・」

 「お前・・・知っていて聞くなよ・・・」

 「しかも、その腹はどうしちゃったんですか?水泳と言うよひら柔道でもされた方が良いのではないですか?!アハハハ!」

 「おい、井谷見さん・・・いくら知った中だってちょっと言い過ぎじゃねぇか?」聡志は井谷見を睨んだ。

 「おっと、失敬、怒らせてしまったかな?じゃあ市場さん、大会でまたお会いしましょう!」井谷見は肩で風を切るように去って行った。

 「先生、何だよ、あの感じ悪い奴は、すげぇ失礼じゃねぇか!」孝一は満身に怒りが込み上げる。

 「あぁ、孝一、すまない・・・あいつは昔からちょっと極端なんだ!ただし成績は俺なんかと比べものにならない・・・あいつはオリンピック候補だったけど後少しで駄目だった・・・」

 「あ~やって発破はっぱを掛けに来たんだろうけど・・・だがな・・・やり過ぎだろ・・・」聡志も井谷見の事で怒り心頭だった。

 「昔からあいつ(井谷見)はあ~言う風に、俺をこけ下すんだ・・・」聡志はふと思い出した。

 優勝候補は日西大、イースタンクロスビーチライフセーバーなどと、観衆は騒ぎ出していた。

 初企画のイベントがこんなに盛り上がり、強豪の参加と、予想外が目白押し・・・

 聡志は少し落ち着き考えた。

 「何だか強者揃つわものぞろいな気がする・・・これで優勝出来るんだろうか・・・」聡志は不安になるのだった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父のチンポが気になって仕方ない息子の夜這い!

ミクリ21
BL
父に夜這いする息子の話。

処理中です...