11 / 14
十一話 『あれから……』
しおりを挟む
あれから……本当に彼は勝手にしてきた。私がいくら突き放しても彼は私に話しかけてくる。そして、私に向かって笑いかけてくるのだ。まるで、私のことを好きだってアピールするように……。
私はそれが嫌で仕方がなかった。だから、彼を避け続けたのに……何故か彼が私を追いかけて来るのだ。意味が分からない。本当にやめてほしい……と何度思ったことか。
とゆうか、こいつが……クラウス様が『女として見れない』とか言ったのがいけないんじゃん!そのせいで私はこいつに恋をしないって決めたのに……
なのに、なんでこいつは私に付きまとうんだろう……?本当に理解ができない。
そしてある日の境に執着されるのはバタンと止んだ。……やっと諦めたのか。私はそう思いながらクラウス様とは反対方向へと歩いて行った。
そして私は〝真実の愛〟とか言うものを信じることはなく、今も仕事に打ち込んでいる。恋愛も婚約者も結婚ももうコリゴリよ。やはり、私は1人で生きていくのが合っている。
私はそう思いながら、今日も仕事に精を出していると――。
「あら。精が出るわね、カトリーヌちゃん」
「え、あ……はい。お疲れ様です。エール様」
同じ部署のエール・バイエル様が私に話しかけてきた。私は彼女に挨拶を返した。
彼女は私がこの魔法省に勤めてからずっとお世話になっている上司だ。とても仕事ができる人で、いつも私を気にかけてくれる優しい人だ。そして、私の憧れでもある。
「ところで……カトリーヌちゃんは恋とかしないの?」
「恋ですか?恋は……もういいです」
「どうして?」
「……私には向いていないからです。それに、今は仕事が楽しいので」
私はエール様にそう伝えた。……恋なんてもう懲り懲りだ。あんな辛い思いはもうしたくない。だから、私は恋愛はしないと決めたのだ。
「ふーん……そう。残念だわ~。うちのいとこで貴方のことがとても好きって言っている子がいるのに~」
「え……?」
エール様はニヤニヤとしながら、私に伝えてきた。私は驚きながら彼女を見つめた。……エール様のいとこ?会ったこともないのに……?
「会ったことはあるわよー。絶対にね?だから一回だけ会ってみない?きっと、貴方も好きになると思うわ」
「は、はぁ……」
私はエール様に押されながら返事をしてしまった。……でも、好きにならないと思うけどなぁ~。だって、会ったこともない人だし……しかし、エール様の押しは強く、私は断ることができなかった。
△▼△▼
結局、断ることができずに私はエール様のいとこと会うことになった。……一体どんな人なんだろう?と、思っていると、
「…は?何でお前が……」
声が聞こえた。……その声はめちゃくちゃ懐かしい声だった。私は声のした方を向くと、そこには……
――クラウス様がいた。
え?なんでここにクラウス様がここにいるの……?私は驚きすぎて言葉を失ったが、クラウス様の方が私の何倍、何十倍も驚いていた。
「な、なんでお前がここにいるんだ!?」
「そ、それはこっちのセリフです!クラウス様こそどうしてここに……!?」
お互いがお互いに向かって質問攻めをして答えていくとわかったことは……
「……ってことは。クラウス様ってエール様の……!?」
「ああ、そうだ。エールとはいとこだ」
私は驚きで空いた口が塞がらなかった。……まさかクラウス様がエール様の親戚だったなんて……!でも、確かによく考えたら髪の色も目の色も似ているし、顔もどことなく似ている気がする。しかし……
「あんたのことかーい!」
と、思わず、大声で言ってしまった――。
私はそれが嫌で仕方がなかった。だから、彼を避け続けたのに……何故か彼が私を追いかけて来るのだ。意味が分からない。本当にやめてほしい……と何度思ったことか。
とゆうか、こいつが……クラウス様が『女として見れない』とか言ったのがいけないんじゃん!そのせいで私はこいつに恋をしないって決めたのに……
なのに、なんでこいつは私に付きまとうんだろう……?本当に理解ができない。
そしてある日の境に執着されるのはバタンと止んだ。……やっと諦めたのか。私はそう思いながらクラウス様とは反対方向へと歩いて行った。
そして私は〝真実の愛〟とか言うものを信じることはなく、今も仕事に打ち込んでいる。恋愛も婚約者も結婚ももうコリゴリよ。やはり、私は1人で生きていくのが合っている。
私はそう思いながら、今日も仕事に精を出していると――。
「あら。精が出るわね、カトリーヌちゃん」
「え、あ……はい。お疲れ様です。エール様」
同じ部署のエール・バイエル様が私に話しかけてきた。私は彼女に挨拶を返した。
彼女は私がこの魔法省に勤めてからずっとお世話になっている上司だ。とても仕事ができる人で、いつも私を気にかけてくれる優しい人だ。そして、私の憧れでもある。
「ところで……カトリーヌちゃんは恋とかしないの?」
「恋ですか?恋は……もういいです」
「どうして?」
「……私には向いていないからです。それに、今は仕事が楽しいので」
私はエール様にそう伝えた。……恋なんてもう懲り懲りだ。あんな辛い思いはもうしたくない。だから、私は恋愛はしないと決めたのだ。
「ふーん……そう。残念だわ~。うちのいとこで貴方のことがとても好きって言っている子がいるのに~」
「え……?」
エール様はニヤニヤとしながら、私に伝えてきた。私は驚きながら彼女を見つめた。……エール様のいとこ?会ったこともないのに……?
「会ったことはあるわよー。絶対にね?だから一回だけ会ってみない?きっと、貴方も好きになると思うわ」
「は、はぁ……」
私はエール様に押されながら返事をしてしまった。……でも、好きにならないと思うけどなぁ~。だって、会ったこともない人だし……しかし、エール様の押しは強く、私は断ることができなかった。
△▼△▼
結局、断ることができずに私はエール様のいとこと会うことになった。……一体どんな人なんだろう?と、思っていると、
「…は?何でお前が……」
声が聞こえた。……その声はめちゃくちゃ懐かしい声だった。私は声のした方を向くと、そこには……
――クラウス様がいた。
え?なんでここにクラウス様がここにいるの……?私は驚きすぎて言葉を失ったが、クラウス様の方が私の何倍、何十倍も驚いていた。
「な、なんでお前がここにいるんだ!?」
「そ、それはこっちのセリフです!クラウス様こそどうしてここに……!?」
お互いがお互いに向かって質問攻めをして答えていくとわかったことは……
「……ってことは。クラウス様ってエール様の……!?」
「ああ、そうだ。エールとはいとこだ」
私は驚きで空いた口が塞がらなかった。……まさかクラウス様がエール様の親戚だったなんて……!でも、確かによく考えたら髪の色も目の色も似ているし、顔もどことなく似ている気がする。しかし……
「あんたのことかーい!」
と、思わず、大声で言ってしまった――。
34
お気に入りに追加
740
あなたにおすすめの小説
私が我慢する必要ありますか?【2024年12月25日電子書籍配信決定しました】
青太郎
恋愛
ある日前世の記憶が戻りました。
そして気付いてしまったのです。
私が我慢する必要ありますか?
※ 株式会社MARCOT様より電子書籍化決定!
コミックシーモア様にて12/25より配信されます。
コミックシーモア様限定の短編もありますので興味のある方はぜひお手に取って頂けると嬉しいです。
リンク先
https://www.cmoa.jp/title/1101438094/vol/1/
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~
みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。
全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。
それをあざ笑う人々。
そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
婚約者とその幼なじみの距離感の近さに慣れてしまっていましたが、婚約解消することになって本当に良かったです
珠宮さくら
恋愛
アナスターシャは婚約者とその幼なじみの距離感に何か言う気も失せてしまっていた。そんな二人によってアナスターシャの婚約が解消されることになったのだが……。
※全4話。
巻き戻される運命 ~私は王太子妃になり誰かに突き落とされ死んだ、そうしたら何故か三歳の子どもに戻っていた~
アキナヌカ
恋愛
私(わたくし)レティ・アマンド・アルメニアはこの国の第一王子と結婚した、でも彼は私のことを愛さずに仕事だけを押しつけた。そうして私は形だけの王太子妃になり、やがて側室の誰かにバルコニーから突き落とされて死んだ。でも、気がついたら私は三歳の子どもに戻っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる