レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ

文字の大きさ
54 / 81
2章

第21話

しおりを挟む
 冒険者ギルドに足を踏み入れると、館の中はお祭り騒ぎとなっていた。
 どうやら騒ぎの中心にいるのはディーネのようだ。

「ユリウス大森林のボス魔物を1人で倒しちまったんだって!」
「すっげぇぞ、あの女剣士! 信じられねーぜ!」
「さすが〝葬送の請負人キルアンダーテイカー〟だな」
「これで安心してダンジョンへ入れるわ~」

 ベルセルクオーディンをディーネが倒したっていう噂は瞬く間に広がったようだ。
 館内のあちこちで称賛する声が上がっている。

 ディーネの周りにはかなりの人だかりができていた。
 これじゃ近付くのは難しそうだな。

 冒険者たちは思い思いに感謝の言葉をディーネに伝えているみたいだった。
 そんな彼女の傍には青色の魔術ローブを羽織った少女が立っていた。

 見るからに他の冒険者たちとは違ったオーラを放っている。
 明らかに尋常じゃない雰囲気が少女にはあった。

(ひょっとしてあの子がギルマスか?)
 
 女の子は袖口の広い魔術ローブを着て、両耳に大きな羽飾りを付けていた。
 水色のミディアムヘアを揺らしながらディーネと仲良さそうに話している。

 2人が親密にしているところから見ても、多分あの少女がギルドマスターで間違いないだろう。

(パッと見の印象だと俺やナズナよりも年下に見えるな)

 ディーネと同い年ってことは年上なんだろうが、正直子供にしか見えない。
 あれだけディーネが色気たっぷりに発育しているっていうのに、ギルマスの女の子は背も低く胸はぺったんこだった。

 傍から見るとなんとも不思議な組み合わせの2人に見える。

(けどその若さでこのギルドを治めているんだよな)

 屈強な男たちからも恐れられていたし、相当の実力者であるのは間違いない。
 人を見た目で判断してはダメだ。

「すごい騒ぎです。皆さんディーネさんのことで盛り上がっているようですね」

「そうみたいだな」

「マスター。ベルセルクオーディンはディーネさんが倒したってことにされたのでしょうか?」

「あいつには借りがあったからな。ナズナにとっては理解できないことかもしれんが」

「いえ、そんなことはありません。マスターがそのようにした方がいいと判断されたのでしたらそれは最良の選択のはずです」

「そうか」

 もう何か指摘するつもりはないようだ。
 俺のことを信頼してこう言ってくれているんだろうな。

「それじゃ俺たちも報告しに行くか」

「そうですね」



 ◇◇◇



 それから受付カウンターで試験の結果報告を行うと今朝対応してくれた中年の男職員が出てきた。
 
「まさか、エルハルト様が冒険者試験に不合格となるとは我々も想定しておりませんでして……」

 職員の男は予期せぬ出来事に遭遇したというような表情を浮かべて困惑していた。
 俺が試験を突破できないとは本当に考えていなかったんだろうな。

 巨大水晶をぶっ壊したくせにこの結果じゃ驚かれて当然だ。

「変に期待させて悪かったな。いろいろと余計な手間をかけた」

「いえ……こちらとしても残念な限りです。エルハルト様が今後益々のご活躍をされることを我々は願うばかりです」

 俺は男職員に一礼をすると、ナズナと一緒に受付を後にした。

 すると。
 すぐにヒソヒソとした声が聞えてくる。

「だっせ! アイツ、冒険者試験に落ちたのかよ」
「ほれみろ。劣等職の無能がイキって冒険者なんてやろうとするからだ!」
「クッハハハ! 身の程を知れってんだ! 二度とうちのギルドに足を踏み入れるなよ」
「ざまぁねーぜ、あのクズ。女なんか連れて来るからだよな~」

 今日はギルマスがいるせいか昨日のように大人数で盛り上がるようなことはなかったが、一部の連中は俺を見て笑い声を上げていた。

 どうしても俺が目について仕方ないんだろう。

 ナズナはやはり何か言いたそうにしていたが俺はそれを手で制する。

「さてと。ディーネに挨拶したらここを出るぞ。また明日は別の街へ向かうことになると思うが大丈夫か?」

「もちろんです。マスターの行かれるところに私も同行させていただきます」

「ああ。よろしく頼む」

 俺たちはそのままディーネのもとへと向かった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...