25 / 68
1章-2
第25話
しおりを挟む
俺たちは洞窟の中へと招かれてそこで豪勢な料理を振舞った。
オーガ族のみんなは嬉しそうに歓声を上げながら一心不乱に料理を頬張っていた。
サイドメニューとして出したほしにくの実の山積みもものの数分もしないうちに姿を消すことに。
これだけでみんながどれだけ腹を空かせてたか分かるってもんだ。
てか食いっぷりが迫力がありすぎてまるで戦場にでも来た気分だった。
その後。
みんなの食事がひと段落すると俺はガンフーに首領の間へと招待される。
長椅子に腰をかけるガンフーの隣りには女戦士長のクリエの姿もあった。
ちなみに彼女とは食事の席で挨拶を済ませている。
「ティム・ベルリ。このたびは本当に助かった。これまで自分が考えていたことがいかに愚かだったか学ぶことができた。大変感謝している」
「俺は霧丸に言われてここまで来ただけだからさ。それに実際に料理を振舞ったのはルーク軍曹たちなわけだし。感謝するなら蒼狼王族のみんなに感謝してほしいかな」
「もちろん蒼狼王族の皆には感謝している。だが彼らをまとめ上げてこんな頑固な我の心を動かしたのは間違いなくそなただ。どうかありがとうと言わせてほしい」
ガンフーはそこで改めて頭を深々と下げる。
「顔を上げてくれガンフー。俺はべつに感謝してほしくてあんたを説得したわけじゃないんだ。純粋にオーガ族のみんなに生きのびてほしかっただけだからさ」
「なんと……! 首領さま、この殿方はとんでもない人格者です! こんな人族の方ははじめてお目にしましたっ!」
クリエは指を組みながら目を輝かせる。
そんな感動されるようなことを言ったつもりはないんだけど。
気を取り直すと俺はガンフーに向けて言った。
「それにさ。自分のことを愚かだなんて卑下するのはやめようぜ。あんたはオーガ族の誇りをひとりで背負い込もうとしてたんだろ? それは想像を絶するほどのつらい決断だったはずだ。俺には到底できないことだよ」
「フッ、そなたには本当に敵わないな。こちらの考えがなんでもお見通しのようだ」
ガンフーは口元に笑みを浮かべる。
そして心の底から言うようにこんな言葉を口にした。
「そなたと出逢えて本当によかった。この恩は一生忘れない。我らにできることがあるならなんでも言ってくれ」
その真摯な口ぶりからガンフーが社交辞令で言ってるわけじゃないってことがすぐに分かった。
こういうのは茶化しちゃダメだ。
俺も真剣に返答を考えないと。
暫しの間、頭の中で考えを巡らせたあとである閃きが思い浮かぶ。
「んじゃさ。うちらの街にオーガ族のみんなで移り住むってのはどうかな?」
「移り住む?」
「みんながいてくれたらモンスターに襲われる心配も減るだろうし。逆にオーガ族としては食糧の心配をせずに済むんじゃないか? きっとwin-winの関係が築けるはずだ」
「おぉっ、なんという素晴らしい提案でしょうか! 首領さま! きっと皆の者も喜ぶはずです!」
クリエが感激したように声を上げるも隣りに座るガンフーは黙ったままだ。
さすがに無謀なお願いだったか。
「ごめん。この洞窟で暮らしてきた愛着だってあるだろうしいきなりすぎたな」
それにほかの種族と生活をともにするっていうのは種族の誇りにも大きく関係してくる。
そんなぽんぽんと決められるような簡単な話じゃない。
霧丸やルーク軍曹、ほかの仲間たちの意見も聞かないで先走りすぎだとちょっと反省。
が。
「……いや。ぜひそうしてくれるとありがたい」
「え、いいのか?」
「我も同じことを考えていたのだ。一緒に生活することができたらどんなに喜ばしいことかと」
「俺に気を使ってそう言ってるんじゃなくて?」
「そうではない。実は以前からそのように考えていたのだ。だが種族としてのプライドが邪魔して言い出すことができなかった。だからこの提案はこちらとしても本当に願ったりのものなのだ」
「種族が手を取り合って共存するというのはこれまでに前例のない発想です! 首領さま、ぜひとも成功させましょう!」
「ああ、そうだな」
クリエの言葉にガンフーはしっかりと頷く。
どうやら俺の提案は受け入れられたようだ。
蒼狼王族のみんなにはあとで俺からきちんと説明して納得してもらおう。
けどガンフーの口ぶりからなんとなく予想はできてる。
たぶん蒼狼王族の仲間たちも本当はオーガ族と一緒に暮らしたかったんじゃないかって。
そうすれば両種族の問題はもう少し早く解決してたのかもしれないな。
◇◇◇
今回の件を皆に報告するためクリエがひと足先に首領の間をあとにするとガンフーは再度礼を口にする。
「そなたが我が一族に新たな可能性の道を示してくれた。もう一度我の気持ちを伝えさせてほしい。本当に感謝している」
「そう何度も言われると気恥ずかしいっていうか……かしこまっちまうからやめてくれ」
「……そうか。むしろかしこまるべきなのは我の方だったな」
「?」
そこでガンフーは長椅子から降りると床に拳を突きつけて頭を下げる。
「おいおい!? 急にどうしたっ?」
「ティム・ベルリ……いえティムさま。ひとつお願いがございます」
「は?」
「お世話になるあかつきには我が一族をティムさまの配下とさせていただけないでしょうか?」
「配下って……いやいや」
俺はただ一緒に暮らせば協力し合えるって思ったから提案しただけで。
べつに配下とかそんなものは望んでない。
対等な関係のままでいいんだが。
でも俺が何度そう言ってもガンフーは姿勢を崩すことはなくて。
「キラキラと目を輝かせている蒼狼王族の皆を見て我はより強い確信を抱くことができました。ティムさまが支配者として蒼狼王族を導いているからこそ彼らはあれほどまで活き活きしているのだと」
「いや、俺はこれといってなにもしてないよ」
「そんなはずありません。その証拠に以前のルーク軍曹たちの間にはどこか重苦しい空気が流れていました。イヌイヌ族の全員がそのような悲壮感に満ちていたのです。それを変えたのは間違いなくティムさまです」
「俺?」
たしかに最初イヌイヌタウンに足を踏み入れたときはそんな印象もあったけど。
でも俺はほんの一役買ったにすぎない。
変わったっていうならそれは蒼狼王族のみんな自身のおかげだ。
が、それもやっぱりガンフーには伝わらなかったみたいで。
「ですから我がオーガ族もティムさまに導いていただきたいのです。そうしていただけたら『強き者こそ正義』という一族の掟も守られます。もちろんティムさまがよければの話ですが」
「今日会ったばかりの俺なんかが上に立って本当にいいのか?」
「時間は関係ありません。信頼できるリーダーに出逢えた。そのことの方が何百倍も重要なことです」
その目は完全に俺を信頼しきっていた。
まあ全力で戦いを挑んで敵わなかったわけだから。
戦いに重きを置くガンフーが俺を神格化して見るのは仕方ないことなんだろうけど。
(でも実際の俺は【命中率0%】なんだし。なんか騙してるみたいで気が引けるなぁ)
かといって、本当のことを言って話がふりだしに戻るのもイヤだし。
結局俺はガンフーの願いを聞き入れることにした。
もう蒼狼王族の支配者やってるんだ。
配下の種族がひとつからふたつに増えたところで今さらだと半ばヤケだったりする。
「ありがとうございますティムさま。これからは我が主のために一族全員で力となります」
「うん。よろしく頼むよ」
俺たちは固い握手を交わした。
こうしてオーガ族が俺たちの新たな仲間になった。
オーガ族のみんなは嬉しそうに歓声を上げながら一心不乱に料理を頬張っていた。
サイドメニューとして出したほしにくの実の山積みもものの数分もしないうちに姿を消すことに。
これだけでみんながどれだけ腹を空かせてたか分かるってもんだ。
てか食いっぷりが迫力がありすぎてまるで戦場にでも来た気分だった。
その後。
みんなの食事がひと段落すると俺はガンフーに首領の間へと招待される。
長椅子に腰をかけるガンフーの隣りには女戦士長のクリエの姿もあった。
ちなみに彼女とは食事の席で挨拶を済ませている。
「ティム・ベルリ。このたびは本当に助かった。これまで自分が考えていたことがいかに愚かだったか学ぶことができた。大変感謝している」
「俺は霧丸に言われてここまで来ただけだからさ。それに実際に料理を振舞ったのはルーク軍曹たちなわけだし。感謝するなら蒼狼王族のみんなに感謝してほしいかな」
「もちろん蒼狼王族の皆には感謝している。だが彼らをまとめ上げてこんな頑固な我の心を動かしたのは間違いなくそなただ。どうかありがとうと言わせてほしい」
ガンフーはそこで改めて頭を深々と下げる。
「顔を上げてくれガンフー。俺はべつに感謝してほしくてあんたを説得したわけじゃないんだ。純粋にオーガ族のみんなに生きのびてほしかっただけだからさ」
「なんと……! 首領さま、この殿方はとんでもない人格者です! こんな人族の方ははじめてお目にしましたっ!」
クリエは指を組みながら目を輝かせる。
そんな感動されるようなことを言ったつもりはないんだけど。
気を取り直すと俺はガンフーに向けて言った。
「それにさ。自分のことを愚かだなんて卑下するのはやめようぜ。あんたはオーガ族の誇りをひとりで背負い込もうとしてたんだろ? それは想像を絶するほどのつらい決断だったはずだ。俺には到底できないことだよ」
「フッ、そなたには本当に敵わないな。こちらの考えがなんでもお見通しのようだ」
ガンフーは口元に笑みを浮かべる。
そして心の底から言うようにこんな言葉を口にした。
「そなたと出逢えて本当によかった。この恩は一生忘れない。我らにできることがあるならなんでも言ってくれ」
その真摯な口ぶりからガンフーが社交辞令で言ってるわけじゃないってことがすぐに分かった。
こういうのは茶化しちゃダメだ。
俺も真剣に返答を考えないと。
暫しの間、頭の中で考えを巡らせたあとである閃きが思い浮かぶ。
「んじゃさ。うちらの街にオーガ族のみんなで移り住むってのはどうかな?」
「移り住む?」
「みんながいてくれたらモンスターに襲われる心配も減るだろうし。逆にオーガ族としては食糧の心配をせずに済むんじゃないか? きっとwin-winの関係が築けるはずだ」
「おぉっ、なんという素晴らしい提案でしょうか! 首領さま! きっと皆の者も喜ぶはずです!」
クリエが感激したように声を上げるも隣りに座るガンフーは黙ったままだ。
さすがに無謀なお願いだったか。
「ごめん。この洞窟で暮らしてきた愛着だってあるだろうしいきなりすぎたな」
それにほかの種族と生活をともにするっていうのは種族の誇りにも大きく関係してくる。
そんなぽんぽんと決められるような簡単な話じゃない。
霧丸やルーク軍曹、ほかの仲間たちの意見も聞かないで先走りすぎだとちょっと反省。
が。
「……いや。ぜひそうしてくれるとありがたい」
「え、いいのか?」
「我も同じことを考えていたのだ。一緒に生活することができたらどんなに喜ばしいことかと」
「俺に気を使ってそう言ってるんじゃなくて?」
「そうではない。実は以前からそのように考えていたのだ。だが種族としてのプライドが邪魔して言い出すことができなかった。だからこの提案はこちらとしても本当に願ったりのものなのだ」
「種族が手を取り合って共存するというのはこれまでに前例のない発想です! 首領さま、ぜひとも成功させましょう!」
「ああ、そうだな」
クリエの言葉にガンフーはしっかりと頷く。
どうやら俺の提案は受け入れられたようだ。
蒼狼王族のみんなにはあとで俺からきちんと説明して納得してもらおう。
けどガンフーの口ぶりからなんとなく予想はできてる。
たぶん蒼狼王族の仲間たちも本当はオーガ族と一緒に暮らしたかったんじゃないかって。
そうすれば両種族の問題はもう少し早く解決してたのかもしれないな。
◇◇◇
今回の件を皆に報告するためクリエがひと足先に首領の間をあとにするとガンフーは再度礼を口にする。
「そなたが我が一族に新たな可能性の道を示してくれた。もう一度我の気持ちを伝えさせてほしい。本当に感謝している」
「そう何度も言われると気恥ずかしいっていうか……かしこまっちまうからやめてくれ」
「……そうか。むしろかしこまるべきなのは我の方だったな」
「?」
そこでガンフーは長椅子から降りると床に拳を突きつけて頭を下げる。
「おいおい!? 急にどうしたっ?」
「ティム・ベルリ……いえティムさま。ひとつお願いがございます」
「は?」
「お世話になるあかつきには我が一族をティムさまの配下とさせていただけないでしょうか?」
「配下って……いやいや」
俺はただ一緒に暮らせば協力し合えるって思ったから提案しただけで。
べつに配下とかそんなものは望んでない。
対等な関係のままでいいんだが。
でも俺が何度そう言ってもガンフーは姿勢を崩すことはなくて。
「キラキラと目を輝かせている蒼狼王族の皆を見て我はより強い確信を抱くことができました。ティムさまが支配者として蒼狼王族を導いているからこそ彼らはあれほどまで活き活きしているのだと」
「いや、俺はこれといってなにもしてないよ」
「そんなはずありません。その証拠に以前のルーク軍曹たちの間にはどこか重苦しい空気が流れていました。イヌイヌ族の全員がそのような悲壮感に満ちていたのです。それを変えたのは間違いなくティムさまです」
「俺?」
たしかに最初イヌイヌタウンに足を踏み入れたときはそんな印象もあったけど。
でも俺はほんの一役買ったにすぎない。
変わったっていうならそれは蒼狼王族のみんな自身のおかげだ。
が、それもやっぱりガンフーには伝わらなかったみたいで。
「ですから我がオーガ族もティムさまに導いていただきたいのです。そうしていただけたら『強き者こそ正義』という一族の掟も守られます。もちろんティムさまがよければの話ですが」
「今日会ったばかりの俺なんかが上に立って本当にいいのか?」
「時間は関係ありません。信頼できるリーダーに出逢えた。そのことの方が何百倍も重要なことです」
その目は完全に俺を信頼しきっていた。
まあ全力で戦いを挑んで敵わなかったわけだから。
戦いに重きを置くガンフーが俺を神格化して見るのは仕方ないことなんだろうけど。
(でも実際の俺は【命中率0%】なんだし。なんか騙してるみたいで気が引けるなぁ)
かといって、本当のことを言って話がふりだしに戻るのもイヤだし。
結局俺はガンフーの願いを聞き入れることにした。
もう蒼狼王族の支配者やってるんだ。
配下の種族がひとつからふたつに増えたところで今さらだと半ばヤケだったりする。
「ありがとうございますティムさま。これからは我が主のために一族全員で力となります」
「うん。よろしく頼むよ」
俺たちは固い握手を交わした。
こうしてオーガ族が俺たちの新たな仲間になった。
111
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる