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第20章 女神降臨編
第308話 聖都セントフィリア
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翌日、アクアスター・リゾートに異世界宅配便のド派手な黄色い飛行船が飛来した。
「毎度様で~す、ハヤミ様にお届けものです」
配達人は、いつものパルム・シントラである。
「いつもご苦労さま」
「こちらにサインをお願いします」
パルム・シントラが差し出した伝票の差出人欄を見ると女神フィリアの名前があった。
「コワレモノ」に丸印があり、品名欄には『彫像』とある。
恐らく、女神フィリアが送ると言っていた女神像であろう。
「え~っと、サインしてもいいけど、設置場所まで運んでもらってもいいですか?」
「もちろんです、施工チームを連れて来てますので、設置までしっかりと面倒見させて頂きますよ」
「それはありがたい」
「ところで、どこに設置するのですか?」
「これから、ご案内します」
オレは、飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、パルム・シントラと施工チーム10名を乗せた飛行船を女神の大神殿へと先導した。
そこは、アクアスターリゾートの対岸にある深い森を切り開き開拓した場所だ。
湖畔にはMOGで生成した女神の大神殿が既に建築済みなのだ。
総大理石造りで白亜に輝く大神殿は、朝日を浴びて神々しく輝き、如何にも聖地と言った感じだ。
厳重に梱包されたダンボールを開け、丁寧に梱包を解いていくと、真っ白な大理石のような素材の女神像が姿を現した。
施工チームは、女神像を1体1体、手際よく台座に設置していった。
全ての女神像が台座に設置され、その全容が明らかになると、オレは思わず笑ってしまった。
女神像を見て笑うなど不謹慎に思われるかも知れないが、女神たちの取っているポーズを見ると笑いを押さえきれなかったのだ。
それは何故かと言うと、女神像39体はASR39の曲『ポニーテール記念日』のダンスパフォーマンスの決めポーズを取っていたからだ。
メインセンターには女神フィリア、サブセンターには女神フィリスと女神フィオナ、その後ろと両サイドには36体の女神たちが、それぞれ決めポーズを取っていた。
恐らく何かの映像データを元に製作したのであろうが、何の予備知識も無しにこの女神像を見た人はいったいどう思うだろう。
オレは、梱包資材の後片付けをしていたパルム・シントラに女神像の感想を聞いてみた。
「はい、どの女神像も生き生きしていて凛々しくて、素晴らしいと思います」と真顔で言った。
女神像が何のポーズを取っているかオレが明かすと、パルム・シントラは腹を抱えて笑い出した。
「そうだったんですね、それは知りませんでした……
でも、このことは我々だけの秘密にしておいた方がいいですね」
確かにその通りだ。
女神を尊び、神聖な気持ちで巡礼に来る信者にとっては余計な情報だ。
オレは、女神たちの決めポーズの件は、関係者だけの秘密にすることに決めた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方、マリンの説得が功を奏したのか『踊る銀ねこ亭』のチェーン展開の話は、女将と亭主の了承が得られ、実現へ向けて進むこととなった。
早速、建設担当の4人(アスナ、女神フィリス、女神フィリナ、妖精族のスー)を招集し、具体的な話を詰めていった。
検討すべきことは盛りだくさんである。
国境検問所の設置、街道の整備、聖地周辺設備の整備、王都からの飛行船定期便の検討など決めるべきことは多岐にわたる。
優先順位だけ指定して、建設スケジュールなど具体的な計画は、女神フィリスと女神フィリナに一任した。
既に女神フィリアが約束したMOG10台が到着し、いつでも稼働できるという話だ。
今までの10倍の速さで建設できるのだから、想像を絶する能力である。
ひとつ肝心なことを決めるのを忘れていた。
国境を入り女神の大神殿へ至るルートは既に決まっているが、肝心の都市をどこに作るかが未決だったのだ。
恐らく、将来的には人口25万人のセントレーニアを超える都市になるだろう。
それを見越して土地を確保しておかねばならない。
言うなれば中核都市の設計と言う大きな話なのだ。
広い土地があり、なるべく平坦で、聖地巡礼の際に必ず通る場所と言う条件で検討した結果、ソランスター国境から60kmほどの川沿いの場所に都市を作ることとなった。
ソランスター王国から街道を歩き女神の大神殿へと左折する辺りが中心となるように、オレは都市設計を始めた。
都市設計は、前世に於いてプロジェクトリーダーを任されたことがあり、経験済みなのである。
都市を作るからには名前が必要だ。
オレの婚約者7名を含む、スタッフ10数名から都市名の案を出してもらった。
「わたし、女神フィリア様の名前を入れるべきだと思うの」
そう言ったのは、ジェスティーナであった。
「絶対そうよね」
「賛成~、私もそう思う」
他の婚約者も同意した。
最終的に候補として残った3つの都市名から、投票の結果『セントフィリア』と決まった。
それは『女神フィリアが降臨した地』と言う意味である。
何れにしても、フィリア教信者が聖地巡礼の旅に大挙して訪れる前に、最低限の整備は終えねばなるまい。
建設関係以外に頭を悩ます大きな問題があった。
それは人の問題である。
何もない所に都市を作り、ホテルや飲食店などの箱を作っても、そこで働く人を募集し、教育訓練しなければ、サービスを提供することが出来ないからだ。
多くの人が集う場所で仕事が潤沢にあれば、長い目で見れば人は集まるだろうが、そんな悠長な事は言っていられない。
ヨーイドンの瞬間までに働く人を確保しなければならないのだ。
現在、ソランスター王国は大型リゾートのオープンや新規事業の開業などで人手不足気味なのである。
王都で好条件を提示すれば、それなりの人数を採用することは出来るだろうが、必要数には到底届かないだろう。
今の予想では、短期的に最低でも5千人の人材確保が必要であり、1年単位のスパンで考えれば更に1万人は必要となると予想していた。
人材確保は、かなりハードルの高い課題だ。
さて、どうしようかと、アレコレ考えていると1つの策が浮かんだ。
かなり無謀な策であるが、オレはその策を国王に相談し、説得して何とか許可を取り付けたのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレは飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、ある場所へ向かった。
それはどこかと言うと、オレが勝手に『コロッセオ』と名付けた円形監獄である。
この監獄は、オレが統治を任された東西南北120kmの領域内にある海岸に近い場所にあるのだ。
円形監獄には、4万人ものデルファイ公国の兵士が囚人として収監されている。
敷地内にある農作物や家畜の世話をして、自分たちの食べる物を自分たちで作り、自給自足の生活をしていた。
兵たちは最低5年は収監されると聞かされていて、何の楽しみも無く大半の兵は希望を失いかけていた。
祖国には彼らの妻や子もいる。
囚われの身になって以来、当然家族とは音信不通で、お互い生きているか死んでいるか分からないのだ。
風の噂によると、デルファイ国王は捉えられ処刑された聞いた。
しかもソランスター王国軍が駐留し、今は敵国の支配下に置かれていると言う話だ。
稼ぎ手がいなくなり、家族はどのように生計を立てているのだろうと、彼らは心配していた。
その日、囚人たちが昼食をとっていると、円形監獄全体に大きな声が鳴り響いた。
それは、円形監獄の中央管制室にいるオレがマイクを使いスピーカーから流した声である
「デルファイの兵士諸君。
オレは、君たちの管理を任されているカイト・シュテリオンベルグ公爵だ。
君たちは軍事侵攻を企てた罪により、ソランスター王国軍に捕らえられ囚人として服役中である。
罪が一番軽い者でも5年間は円形監獄で服役して貰う予定だが、君たちに1つチャンスを与えよう」
「それは、オレが提示した条件を飲み、オレが指定した場所で、指定した職に就き働くことだ。
就労期間は服役期間と同じ5年間だ。
その間は相応の賃金を支払うし、住む場所も提供しよう。
希望する者は、祖国から家族を呼び寄せて一緒に暮らすことも可能だ。
5年間は祖国への帰国禁止、旅行禁止等、一定の行動制限はあるが、基本的に勤務時間以外は自由に行動して良い。
就労期間満了後は、帰国しても良いし、そのままそこで働き続けても良い。
どうだ、悪い条件では無かろう」
「初回の募集定員は5千名だ。
刑罰が重い者は対象から除外されるが9割以上の者は応募可能である。
応募者多数の場合は、書類選考を実施し選抜する。
この条件に納得し応募しようと思う者は、この放送終了後、看守まで申し出ること、以上」
その日の夕方、集計結果がまとまり、1万2千名超の囚人が応募した事が分かった。
応募者にはステカを渡してステータスを登録してもらい、ステカで集めた情報により適性を判断した。
敵国の兵士であり、囚人なので逃亡したり犯罪に手を染める可能性もあるが、十分教育し、無事契約期間を満了すれば自由になれると言い聞かせて、飴と鞭を使い分け5年間を乗り切るつもりである。
こうして、オレはウルトラCの荒業で課題の人材採用に目処を付けた。
しかし、採用した兵士たちの宿舎の準備や、祖国から家族を呼び寄せる手続など、芋づる式に別の仕事が増えて、その後も難儀する羽目になるのであった。
「毎度様で~す、ハヤミ様にお届けものです」
配達人は、いつものパルム・シントラである。
「いつもご苦労さま」
「こちらにサインをお願いします」
パルム・シントラが差し出した伝票の差出人欄を見ると女神フィリアの名前があった。
「コワレモノ」に丸印があり、品名欄には『彫像』とある。
恐らく、女神フィリアが送ると言っていた女神像であろう。
「え~っと、サインしてもいいけど、設置場所まで運んでもらってもいいですか?」
「もちろんです、施工チームを連れて来てますので、設置までしっかりと面倒見させて頂きますよ」
「それはありがたい」
「ところで、どこに設置するのですか?」
「これから、ご案内します」
オレは、飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、パルム・シントラと施工チーム10名を乗せた飛行船を女神の大神殿へと先導した。
そこは、アクアスターリゾートの対岸にある深い森を切り開き開拓した場所だ。
湖畔にはMOGで生成した女神の大神殿が既に建築済みなのだ。
総大理石造りで白亜に輝く大神殿は、朝日を浴びて神々しく輝き、如何にも聖地と言った感じだ。
厳重に梱包されたダンボールを開け、丁寧に梱包を解いていくと、真っ白な大理石のような素材の女神像が姿を現した。
施工チームは、女神像を1体1体、手際よく台座に設置していった。
全ての女神像が台座に設置され、その全容が明らかになると、オレは思わず笑ってしまった。
女神像を見て笑うなど不謹慎に思われるかも知れないが、女神たちの取っているポーズを見ると笑いを押さえきれなかったのだ。
それは何故かと言うと、女神像39体はASR39の曲『ポニーテール記念日』のダンスパフォーマンスの決めポーズを取っていたからだ。
メインセンターには女神フィリア、サブセンターには女神フィリスと女神フィオナ、その後ろと両サイドには36体の女神たちが、それぞれ決めポーズを取っていた。
恐らく何かの映像データを元に製作したのであろうが、何の予備知識も無しにこの女神像を見た人はいったいどう思うだろう。
オレは、梱包資材の後片付けをしていたパルム・シントラに女神像の感想を聞いてみた。
「はい、どの女神像も生き生きしていて凛々しくて、素晴らしいと思います」と真顔で言った。
女神像が何のポーズを取っているかオレが明かすと、パルム・シントラは腹を抱えて笑い出した。
「そうだったんですね、それは知りませんでした……
でも、このことは我々だけの秘密にしておいた方がいいですね」
確かにその通りだ。
女神を尊び、神聖な気持ちで巡礼に来る信者にとっては余計な情報だ。
オレは、女神たちの決めポーズの件は、関係者だけの秘密にすることに決めた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方、マリンの説得が功を奏したのか『踊る銀ねこ亭』のチェーン展開の話は、女将と亭主の了承が得られ、実現へ向けて進むこととなった。
早速、建設担当の4人(アスナ、女神フィリス、女神フィリナ、妖精族のスー)を招集し、具体的な話を詰めていった。
検討すべきことは盛りだくさんである。
国境検問所の設置、街道の整備、聖地周辺設備の整備、王都からの飛行船定期便の検討など決めるべきことは多岐にわたる。
優先順位だけ指定して、建設スケジュールなど具体的な計画は、女神フィリスと女神フィリナに一任した。
既に女神フィリアが約束したMOG10台が到着し、いつでも稼働できるという話だ。
今までの10倍の速さで建設できるのだから、想像を絶する能力である。
ひとつ肝心なことを決めるのを忘れていた。
国境を入り女神の大神殿へ至るルートは既に決まっているが、肝心の都市をどこに作るかが未決だったのだ。
恐らく、将来的には人口25万人のセントレーニアを超える都市になるだろう。
それを見越して土地を確保しておかねばならない。
言うなれば中核都市の設計と言う大きな話なのだ。
広い土地があり、なるべく平坦で、聖地巡礼の際に必ず通る場所と言う条件で検討した結果、ソランスター国境から60kmほどの川沿いの場所に都市を作ることとなった。
ソランスター王国から街道を歩き女神の大神殿へと左折する辺りが中心となるように、オレは都市設計を始めた。
都市設計は、前世に於いてプロジェクトリーダーを任されたことがあり、経験済みなのである。
都市を作るからには名前が必要だ。
オレの婚約者7名を含む、スタッフ10数名から都市名の案を出してもらった。
「わたし、女神フィリア様の名前を入れるべきだと思うの」
そう言ったのは、ジェスティーナであった。
「絶対そうよね」
「賛成~、私もそう思う」
他の婚約者も同意した。
最終的に候補として残った3つの都市名から、投票の結果『セントフィリア』と決まった。
それは『女神フィリアが降臨した地』と言う意味である。
何れにしても、フィリア教信者が聖地巡礼の旅に大挙して訪れる前に、最低限の整備は終えねばなるまい。
建設関係以外に頭を悩ます大きな問題があった。
それは人の問題である。
何もない所に都市を作り、ホテルや飲食店などの箱を作っても、そこで働く人を募集し、教育訓練しなければ、サービスを提供することが出来ないからだ。
多くの人が集う場所で仕事が潤沢にあれば、長い目で見れば人は集まるだろうが、そんな悠長な事は言っていられない。
ヨーイドンの瞬間までに働く人を確保しなければならないのだ。
現在、ソランスター王国は大型リゾートのオープンや新規事業の開業などで人手不足気味なのである。
王都で好条件を提示すれば、それなりの人数を採用することは出来るだろうが、必要数には到底届かないだろう。
今の予想では、短期的に最低でも5千人の人材確保が必要であり、1年単位のスパンで考えれば更に1万人は必要となると予想していた。
人材確保は、かなりハードルの高い課題だ。
さて、どうしようかと、アレコレ考えていると1つの策が浮かんだ。
かなり無謀な策であるが、オレはその策を国王に相談し、説得して何とか許可を取り付けたのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレは飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』に乗り、ある場所へ向かった。
それはどこかと言うと、オレが勝手に『コロッセオ』と名付けた円形監獄である。
この監獄は、オレが統治を任された東西南北120kmの領域内にある海岸に近い場所にあるのだ。
円形監獄には、4万人ものデルファイ公国の兵士が囚人として収監されている。
敷地内にある農作物や家畜の世話をして、自分たちの食べる物を自分たちで作り、自給自足の生活をしていた。
兵たちは最低5年は収監されると聞かされていて、何の楽しみも無く大半の兵は希望を失いかけていた。
祖国には彼らの妻や子もいる。
囚われの身になって以来、当然家族とは音信不通で、お互い生きているか死んでいるか分からないのだ。
風の噂によると、デルファイ国王は捉えられ処刑された聞いた。
しかもソランスター王国軍が駐留し、今は敵国の支配下に置かれていると言う話だ。
稼ぎ手がいなくなり、家族はどのように生計を立てているのだろうと、彼らは心配していた。
その日、囚人たちが昼食をとっていると、円形監獄全体に大きな声が鳴り響いた。
それは、円形監獄の中央管制室にいるオレがマイクを使いスピーカーから流した声である
「デルファイの兵士諸君。
オレは、君たちの管理を任されているカイト・シュテリオンベルグ公爵だ。
君たちは軍事侵攻を企てた罪により、ソランスター王国軍に捕らえられ囚人として服役中である。
罪が一番軽い者でも5年間は円形監獄で服役して貰う予定だが、君たちに1つチャンスを与えよう」
「それは、オレが提示した条件を飲み、オレが指定した場所で、指定した職に就き働くことだ。
就労期間は服役期間と同じ5年間だ。
その間は相応の賃金を支払うし、住む場所も提供しよう。
希望する者は、祖国から家族を呼び寄せて一緒に暮らすことも可能だ。
5年間は祖国への帰国禁止、旅行禁止等、一定の行動制限はあるが、基本的に勤務時間以外は自由に行動して良い。
就労期間満了後は、帰国しても良いし、そのままそこで働き続けても良い。
どうだ、悪い条件では無かろう」
「初回の募集定員は5千名だ。
刑罰が重い者は対象から除外されるが9割以上の者は応募可能である。
応募者多数の場合は、書類選考を実施し選抜する。
この条件に納得し応募しようと思う者は、この放送終了後、看守まで申し出ること、以上」
その日の夕方、集計結果がまとまり、1万2千名超の囚人が応募した事が分かった。
応募者にはステカを渡してステータスを登録してもらい、ステカで集めた情報により適性を判断した。
敵国の兵士であり、囚人なので逃亡したり犯罪に手を染める可能性もあるが、十分教育し、無事契約期間を満了すれば自由になれると言い聞かせて、飴と鞭を使い分け5年間を乗り切るつもりである。
こうして、オレはウルトラCの荒業で課題の人材採用に目処を付けた。
しかし、採用した兵士たちの宿舎の準備や、祖国から家族を呼び寄せる手続など、芋づる式に別の仕事が増えて、その後も難儀する羽目になるのであった。
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