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本当のトコロはどうなの?

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 ポーション作りやにハマった理由…
 

 最初は、目に良いと聞いていた「目薬の花」と言う薬草が全く眼病に効果が無い事に気付いた。

 単純に良い匂いがするので、身体に良いと思われていただけだった。

 古くから言い伝えられている「民間療法」の中には、意外に多いそうだ。

 祖父は幼い頃、戦火に巻き込まれ目を痛めてしまい、以来明るい場所や強い光を苦手としていたそうだ。

 なので、普段から暗い場所で生活していたそうだ。

 現在はの薬のお陰で少しずつだけどの生活が出来る様になったそうだ?

 自分から見て、アレが普通では困るのだけど。

 全てでは無いけど、民間療法の中には強く思う事で症状が好転する事が有るのだが、時には僅かに毒性の有る植物を薬草に混ぜっている事に気付かず使い続け、悲しい結果に終わる事もあるそうだ。


 まだ「薬学」が十分に知られていない弊害は、助かる命を悪戯に危険に晒している事だ。

 その最たるモノが「錬金術」だと言う説もある。

 何故なら錬金術師を名乗る者の多くは、詐欺まがいの方法で人を騙して金品を騙し取ったりしているからだ。

 近年では公的に認められないと錬金術師を名乗れないのだけど、まだその周知が薄いのが実状で、高名で立派な錬金術師が活躍しているウラで、偽りの錬金術師が詐欺行為を行っている。

 また過去の高名な魔術師や錬金術師が残したポーションの製造方法レシピも、最初の頃はまるっきりの模倣だけど、経験カズを熟すと分かる事が有る。

 どんな高名な錬金術師のレシピでも、ポーション作成の成功率は一定では無いそうだ?
 
 五本に一本、十本に一本と言う様に必ず失敗が出るそうだ。

 そこで自分は作成に使う素材の「質量」に疑問を持った。

 師匠もいい着眼点だと、褒めてくれた!

 師匠のポーション作成成功率は、99.99%!

 ほぼ失敗は無いのだ⁈


 過去のレシピは

 「〇〇が一摘み、●●が小さじ二杯、✖️✖️少々」

 の、様に割とで正確な分量や状態は明記してないのだ。

 「一摘み」や「少々」など、人によってその量は違っている。

 どうしても、レシピを作ったそのだけが、正しいモノを作れないし、ソレでも完全では無い。

 それに比べて師匠のポーションのレシピは、

「よく乾燥した〇〇を粉末状にした物を5.0g、同じく粉末状にした●●を1.50g、ソレらを水500.0mlに溶かしてから、✖️✖️約1.0gを液体の色が赤くなるまで、撹拌しながら徐々に加えていく、途中発熱すると失敗なので静かにゆっくりと加える…」


 この様に事細かに記されているのは、コレは師匠がメイメイ用にわかりやすくに書き記してくれたレシピだからだ。

 レシピに記された「g」や「ml」は師匠の世界の「質量の」の事だ。


 師匠はこの世界の高位の存在から異世界より召喚された「異邦人」だ。

 コチラの世界に来た際に、高位の存在から「全属性魔法」を使える様にしてもらったそうで、その昔は祖父を含めた「勇者パーティー」で多大な活躍をしていたそうだ。

 その中で、師匠の功績はこの世界に「薬学」を広めた事だと私は思う。

 普通ポーション作成には、魔力が必要と言うのがこの世界の常識だが、師匠のレシピならば魔力が無くても、方法さえ正しく手順を間違わなければポーションは作れるのだ!
 
 コレは後で、多くの魔術師から反感を買い、いい加減なモグリの錬金術師を世に放つ事になってしまったと師匠は悔やんでいた。

 ただ素材を混ぜて出来上がりだと思っている名ばかりの錬金術師は正確に質量を計る道具すら持っていないのだ。

 たしか「魔女の大窯」なんてモノでグツグツ煮込んで出来上がりなんて錬金術師がいるくらいだし、

 師匠はこの状況を変える為に、以前から王都に有るで教鞭を取る事になっていた。


 私も学園で学ばないかと、師匠に勧められたが、祖父がガンとして断った!

 ソレが師匠との別れだった。

 今度、会う時まで腕を上げておきたい…


 と、思っていたのに⁈




 私の素性は皆んなには、仲間に成ったその日のウチに話している、

 マーヤちゃんは、

 「おじいちゃんにもメイメイちゃんみたいに、オシリにがあるの?」

 と、別の意味で関心を持たれたけど?

 頭の上に尻尾は有りませんよ?

 アズ姐さんとエイジ君は、祖父が元勇者パーティーのメンバーだと聞いて、普通に驚いていたけどだった。

 特別、態度を変えたりはしなかったのが、嬉しかった。





 「よぅ、メイクゥンさんよ、

 アンタの爺さん、

 何で「月下のハクメイ」って、呼ばれてんだ?」

 エイジ君が呆れる様に、いや様に訊ねた、ちょっと意地が悪いよ?


 「エイジ君、そんな物言いではメイクゥンさんがしまいますわ?」
 

 アズ姐さん、顔は和かなのに何故か姐さんの方から、冷気を感じるんだけども?

 もしかして、氷結魔法とかつかえるのかしら?



 「そ、そうね?

 教えてあげてもいいわ!

 よく聞きなさい!」


 そうですね、聞いてみたいです。



 「闇夜に光る妖剣が月明かりに輝き、

 さながら三日月を振るうが如く、

 群がる敵に身を踊らせて、次々と切り捨てていく…

 いつしか月夜に現れる、「月下のハクメイ」と呼ばれる様に…   」


 自分のの余韻に酔っている所に?

 「メイクゥちゃん、あのねあのね!」

 「メ、メイクゥちゃんって?

 まぁこの際、アナタはあげますわ。

 そ、それで、何かしら?」


 「あのね、メイメイちゃんのおじいちゃんも「」サンなんだよ!

 でね、とってもお酒がスキなんだって!」

 
 「ふん、酒に溺れる剣士なんて、様の足下にも及びませ…   

 えっ、って?」


 遅いよ、気付くの?


 「メイメイさん、真相はどうなんですの?」

 「はぁ、祖父おじいちゃんが悪かったんです。

 子供の頃に目を痛めて、明るい所がつらいんです。

 勇者さんと一緒に敵と戦っていた時は、仮面を付けて視界を塞いでいたんです。

 おじいちゃん、聴覚がとても鋭いんです。

 だから、暗闇の中でも食事が出来ます。」

 
 「は、ハクメイ様は獣人では無いわ!」

 「おじいちゃんはヒト族ですが、お嫁に来た私の母が猫獣人族です。

 父と兄はおじいちゃんに鍛えられて、今は王都でお父さんは騎士団の団長さん、
 お兄ちゃんは王女サマの親衛隊の隊長さんをしているはずデス。」


 「ハクメイ様はハーフエルフでは無いのデスか⁈」

 ソレ聞いた時点で自分がって、認めてない?

 「……ソレ、多分別の人だと思いますよ?

 勇者パーティにはもうニ人、剣士が居て、
 銀狼族の「雷鳴の銀狼 ラグル」と
 魔人族の「妖剣のトウリ」がいるのです。

 トウリさんはエルフと見間違えるくらいの美形だそうですが、アブナイお姉さんだそうです、御本人に有った事は無いのですか、やラグルが教えてくれました。」



 「……だ、そうですよ、さん?」


 「……あ、あの、どう言う事でしょうか?」

 徐々に青ざめる自称「錬金術師エルフ」さん、まだ状況が飲み込めていない?


 そこへ、

 「皆さん、ワタクシにも何か手伝わせて下さいな!



 おや、アナタ⁈

 こんな所でナニをしているのですか、ポンコツ錬金術師の癖に皆さんに失礼なコト、してないですよね!」

 ルーテシアさんが自前のエプロン着用で現れた…のだが?

 「ル、ルーテシア副ギルド長!」

 メイクゥンがルーさんを見てそう叫んだ⁈


 おや、ルーさんってギルドマスターなのデスね?


 しかし、この場にルーテシアさんがいらした事で、高飛車で挙動の怪しい傲慢エルフが、途端に途方に暮れた気の弱い道化師になり下がるのだった。
 
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