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52.5だよ 小さな濃いのはなし?(ちょっと長いよ?)
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「短い間ですが、お世話になりました。」
そう言ってゆなは帰った。
二人のお客様をゲットして…。
(出来れば、もう一人連れて行って欲しいのだが…)
そして、いくつかの火種を遺して?
「へぇ~、そんなに可愛いかったんだ、ゆなちゃんって?」
「オウ、なんて言っても、オレの「未来の妹ちゃん」だからな!」
何故かそう決めつけているプチ兄貴のいっくん
シフトの都合上、話題の小学生中居さん、温泉宿の癒し担当、湯殿の台風娘のゆなちゃんとは一度も会うことの無かったヒロ君。
「そうなのです、あの可愛らしさを見れなかったとは、ヒロ君の人生はこの先も碌な事がないのです。」
さすがはボクらのしおりお姉ちゃん、
相変わらず幼馴染には、容赦なく突き放す様なお言葉。
「えー!本当⁈
じゃあさ、そこまで可愛いなら、今度皆んなで会いに行かない?」
「成る程!ヒロ君にしては、ぐっとあいであナノです!」
「よしっ!ならオレもゆなの兄として、しおりちゃんに同行するぞ!」
「仕方ない無いなぁ、なら言い出しっぺで、年長者でもある僕も引率者としてついて行ってあげるね。」
などと申しており?
そんなこんなで、はちゃめちゃ3人組の「温泉旅館ミステリー旅行」の始ま…
「未成年が保護者不在で旅行なんて許しますか!」
と、店長に聞かれてバレバレな旅行計画は早くも暗礁に乗り上げた…と、思えた。
「えっと、今度の週末に僕ら、ネコくんのご実家の温泉旅館で一泊してくるよ。
シフトの調整は済ましたからね~!」
だそうだ?
まさか、子宝キャンディーを仕入れる件で動きだしたか?
「ねぇ、ネコくんのご実家の側に「秘宝館」が有るんだよね?
温泉街にはよくあるヤツかな?」
「他の所はよく知りませんけど、別名「珍宝館」って、呼ばれてますね。」
「や、やっぱり!」
「入り口には側の山で発見された大きな水晶石や土偶が飾って有って、中は熊や鹿の剥製に石器や土器、土偶などが展示されてますね?
あと…まぁ珍しいお宝が展示されてるわけですよ。
ただし、その性かその先は大人しか入れないんですケドね。」
「や、やっぱり!
子供の頃にね、家族旅行で温泉地に行ったらさ、秘宝館が有ってね、大人しか入ったらいけない、お化け屋敷より怖いからって、言われてさ、
その夜、大人だけでソコに行くのを見て、いつか大人になったら自分も秘宝館に行くとココロに決めていたんだ…
でもね、その時に行った温泉地は大手企業の手が入り、一新されちゃったらしく秘宝館は無くなったらしくて、他にも閉鎖されてる秘宝館が全国に増えたらしいんだ。」
「経営難なんじゃないですかね?
ウチの実家の方の秘宝館は、ほとんど持ち主の趣味で営業してる様で、経営とか無視してますから。」
俺も成人する前に上京したから、秘宝館の奥の展示スペースは見た事無いが、ある程度予想はつく。
子宝キャンディーとか販売しているくらいだからね?
さて、ここまでよく話に出ている『秘宝館』とはナンジャら?
間違いなく有名なのは熱海辺りだと思うが、温泉地などの観光地に有る博物館の様な物で、色々珍しい物を展示してある、その中でも『エッチなモノ』が多く展示されている為、家族で訪れたお父さんが、みんなの目を盗んでこっそり見に来たり、会社の慰安旅行で来た男性社員が、とあるゲームに散財したりと、まぁまぁ楽しいパビリオンなのだ。
場所によって、名称や規模は様々で子供騙しのモノから、一般にお見せ出来ないリアルな造形のモノまで、最近では割と昨今の世情に寄せたモノがあったりとバラエティーに飛んでいる?
「いや~、楽しみだなー!」
店長不在中は何故か俺が店長代理らしい?
何故?
俺バイトだよ!
「ごめんなさいね、小森くん。」
コッチには滅多に来ない店長の奥さんがわざわざアダルトコーナーまで足を運んでくださって、
「私にはお店の事、わからないから、実務はアナタで、責任はワタシで構わないからお願いね。」
成る程、しおりちゃんはきっとお父さん似だ?
「こんな所にわざわざお越しくださるとは!
分かりました、店長代理お任せください!」
まぁ、フラグって訳じゃ無いけど、店長の留守中にちょっと面倒な事が起こってしまうんだけども?
ソレはおいおいな?
店長という後ろ盾を得た三人は、早速移動手段の吟味をする?
「〇〇駅から高速バスで大きなホテル前まで行ってくれますから、そこから目的の旅館まで徒歩で十四~五分デスね、途中サービスエリアや道の駅で休憩するので、各地のお土産も買えます!」
「えっ、高速バスって夜間の移動でしょ?売店開いてるかな?」
「昼間も有るんだよ、バスは。」
バイト業務そっちのけで盛り上がってる二人に、一緒になって話し込むお客の一人?
「えっ?
東京駅から新幹線じゃないの?
途中で駅弁買ったり、車内販売で限定品買ったりさ?」
「…店長、今は新幹線の中では車内販売は有りませんし、駅のホームで駅弁も買えませんよ?」
「えっ?」
「新幹線ホームの下、東京駅の構内にお弁当屋さんが有ります。有名店が出店して色々な種類が有りますから、そこで購入して下さい。」
「え、駅弁売りのおじさんは?」
「詳しくは知りませんが、ローカルな電車が走っている駅なら、もしくは?
お父さんだけ、電車で行きますか?」
「なんでそうなるかなー?」
娘との旅行が何気に楽しみな店長、ヒロ君の事も息子みたいに思っていたから、一緒に行きたい気持ちが膨らんで破裂しそうなところに、意外な真実を聞かされて動揺したらしい?
「姉さんを誘ってみたけど、試合とテレビの仕事が有るから泊まりは無理だって言うし、同伴する保護者がいないのはまずいんだろ?」
最近、娘への好意を隠さずにお店に来る新しい常連さんは、同じく常連で女子レスラーの弟さん、何気に察してくれて助け舟をだしてくれたのかも?
「おじさん、道の駅も美味しいモノとかたくさん有ると思いますから、今回はバスで行きませんか?」
「そ、そうだね、うん、ローカル線の旅は又にするよ!
ありがとう、一輝くん!」
店長のココロの中の「婿候補ホルダー」に新たな一人が加えられた瞬間だった。
そんなこんなで出発の日が近づいて来たのだが、
「皆んな、ごめんなさいね、お父さんってば、張り切り過ぎて…昨晩、ギックリ腰しちゃってね。」
「はぁ~?」
なんてツイテないヒトだ?
「でね、お父さんの分のチケットとか勿体無いし、引率の人が必要でしょ?」
奥さん、まさか俺に行けと?
「ソレでネコくん、誰か頼めそうなヒトに心当たりないかしら?」
あっ、そう言う事ね。
「陽毬さんは仕事があるし、シズカちゃんもシフト抜けられ無いし、自分も無理ですし…?」
俺はあえてある人物を避けて人選していた。
「ねぇ、あのヒトは駄目かしら?
ほら、よく来てくれるお客様でジャージにサンダルで、美人なのにサングラスで隠してる様な、しおり達とも仲良しの女の子は?」
「わた、ワタクシに何か、ご、御用ですか?
お、お母さま?」
「美人」とか「女の子」とか、最近めっきり言われなくなったワードにガラにも無く慌ててるある人物。
「理央さん、とっ………ても良い所に!」
「あら、いつもの美人さんね、少しお話し宜しいかしら?」
てな、訳であっさり同伴者が決まるのだった。
理央さんは急いで自宅に戻り、旅支度をして集合場所の浜松町駅に舞い現れた。
「皆んな、待ったかしら?」
「いえ、別に。
まだ出発まで2時間有りますから。」
「えっ?そうなの?」
「理央さんの事だから遅刻する可能性を考えて、前後2時間は見ておいた方が良いって、ネコさんが言われたので。」
「なんかで聞いた事あるな?」
「なので、出発まで2時間有りますから、駅の売店で東京土産を買いましょう!
妹に出来る姉をアピールしますよ!」
「ソレ、2時間で足りる?」
今回も損な困難でスタートする訳ですが、店長の負傷以外にもお店ではトラブルが起こってました。
そう言ってゆなは帰った。
二人のお客様をゲットして…。
(出来れば、もう一人連れて行って欲しいのだが…)
そして、いくつかの火種を遺して?
「へぇ~、そんなに可愛いかったんだ、ゆなちゃんって?」
「オウ、なんて言っても、オレの「未来の妹ちゃん」だからな!」
何故かそう決めつけているプチ兄貴のいっくん
シフトの都合上、話題の小学生中居さん、温泉宿の癒し担当、湯殿の台風娘のゆなちゃんとは一度も会うことの無かったヒロ君。
「そうなのです、あの可愛らしさを見れなかったとは、ヒロ君の人生はこの先も碌な事がないのです。」
さすがはボクらのしおりお姉ちゃん、
相変わらず幼馴染には、容赦なく突き放す様なお言葉。
「えー!本当⁈
じゃあさ、そこまで可愛いなら、今度皆んなで会いに行かない?」
「成る程!ヒロ君にしては、ぐっとあいであナノです!」
「よしっ!ならオレもゆなの兄として、しおりちゃんに同行するぞ!」
「仕方ない無いなぁ、なら言い出しっぺで、年長者でもある僕も引率者としてついて行ってあげるね。」
などと申しており?
そんなこんなで、はちゃめちゃ3人組の「温泉旅館ミステリー旅行」の始ま…
「未成年が保護者不在で旅行なんて許しますか!」
と、店長に聞かれてバレバレな旅行計画は早くも暗礁に乗り上げた…と、思えた。
「えっと、今度の週末に僕ら、ネコくんのご実家の温泉旅館で一泊してくるよ。
シフトの調整は済ましたからね~!」
だそうだ?
まさか、子宝キャンディーを仕入れる件で動きだしたか?
「ねぇ、ネコくんのご実家の側に「秘宝館」が有るんだよね?
温泉街にはよくあるヤツかな?」
「他の所はよく知りませんけど、別名「珍宝館」って、呼ばれてますね。」
「や、やっぱり!」
「入り口には側の山で発見された大きな水晶石や土偶が飾って有って、中は熊や鹿の剥製に石器や土器、土偶などが展示されてますね?
あと…まぁ珍しいお宝が展示されてるわけですよ。
ただし、その性かその先は大人しか入れないんですケドね。」
「や、やっぱり!
子供の頃にね、家族旅行で温泉地に行ったらさ、秘宝館が有ってね、大人しか入ったらいけない、お化け屋敷より怖いからって、言われてさ、
その夜、大人だけでソコに行くのを見て、いつか大人になったら自分も秘宝館に行くとココロに決めていたんだ…
でもね、その時に行った温泉地は大手企業の手が入り、一新されちゃったらしく秘宝館は無くなったらしくて、他にも閉鎖されてる秘宝館が全国に増えたらしいんだ。」
「経営難なんじゃないですかね?
ウチの実家の方の秘宝館は、ほとんど持ち主の趣味で営業してる様で、経営とか無視してますから。」
俺も成人する前に上京したから、秘宝館の奥の展示スペースは見た事無いが、ある程度予想はつく。
子宝キャンディーとか販売しているくらいだからね?
さて、ここまでよく話に出ている『秘宝館』とはナンジャら?
間違いなく有名なのは熱海辺りだと思うが、温泉地などの観光地に有る博物館の様な物で、色々珍しい物を展示してある、その中でも『エッチなモノ』が多く展示されている為、家族で訪れたお父さんが、みんなの目を盗んでこっそり見に来たり、会社の慰安旅行で来た男性社員が、とあるゲームに散財したりと、まぁまぁ楽しいパビリオンなのだ。
場所によって、名称や規模は様々で子供騙しのモノから、一般にお見せ出来ないリアルな造形のモノまで、最近では割と昨今の世情に寄せたモノがあったりとバラエティーに飛んでいる?
「いや~、楽しみだなー!」
店長不在中は何故か俺が店長代理らしい?
何故?
俺バイトだよ!
「ごめんなさいね、小森くん。」
コッチには滅多に来ない店長の奥さんがわざわざアダルトコーナーまで足を運んでくださって、
「私にはお店の事、わからないから、実務はアナタで、責任はワタシで構わないからお願いね。」
成る程、しおりちゃんはきっとお父さん似だ?
「こんな所にわざわざお越しくださるとは!
分かりました、店長代理お任せください!」
まぁ、フラグって訳じゃ無いけど、店長の留守中にちょっと面倒な事が起こってしまうんだけども?
ソレはおいおいな?
店長という後ろ盾を得た三人は、早速移動手段の吟味をする?
「〇〇駅から高速バスで大きなホテル前まで行ってくれますから、そこから目的の旅館まで徒歩で十四~五分デスね、途中サービスエリアや道の駅で休憩するので、各地のお土産も買えます!」
「えっ、高速バスって夜間の移動でしょ?売店開いてるかな?」
「昼間も有るんだよ、バスは。」
バイト業務そっちのけで盛り上がってる二人に、一緒になって話し込むお客の一人?
「えっ?
東京駅から新幹線じゃないの?
途中で駅弁買ったり、車内販売で限定品買ったりさ?」
「…店長、今は新幹線の中では車内販売は有りませんし、駅のホームで駅弁も買えませんよ?」
「えっ?」
「新幹線ホームの下、東京駅の構内にお弁当屋さんが有ります。有名店が出店して色々な種類が有りますから、そこで購入して下さい。」
「え、駅弁売りのおじさんは?」
「詳しくは知りませんが、ローカルな電車が走っている駅なら、もしくは?
お父さんだけ、電車で行きますか?」
「なんでそうなるかなー?」
娘との旅行が何気に楽しみな店長、ヒロ君の事も息子みたいに思っていたから、一緒に行きたい気持ちが膨らんで破裂しそうなところに、意外な真実を聞かされて動揺したらしい?
「姉さんを誘ってみたけど、試合とテレビの仕事が有るから泊まりは無理だって言うし、同伴する保護者がいないのはまずいんだろ?」
最近、娘への好意を隠さずにお店に来る新しい常連さんは、同じく常連で女子レスラーの弟さん、何気に察してくれて助け舟をだしてくれたのかも?
「おじさん、道の駅も美味しいモノとかたくさん有ると思いますから、今回はバスで行きませんか?」
「そ、そうだね、うん、ローカル線の旅は又にするよ!
ありがとう、一輝くん!」
店長のココロの中の「婿候補ホルダー」に新たな一人が加えられた瞬間だった。
そんなこんなで出発の日が近づいて来たのだが、
「皆んな、ごめんなさいね、お父さんってば、張り切り過ぎて…昨晩、ギックリ腰しちゃってね。」
「はぁ~?」
なんてツイテないヒトだ?
「でね、お父さんの分のチケットとか勿体無いし、引率の人が必要でしょ?」
奥さん、まさか俺に行けと?
「ソレでネコくん、誰か頼めそうなヒトに心当たりないかしら?」
あっ、そう言う事ね。
「陽毬さんは仕事があるし、シズカちゃんもシフト抜けられ無いし、自分も無理ですし…?」
俺はあえてある人物を避けて人選していた。
「ねぇ、あのヒトは駄目かしら?
ほら、よく来てくれるお客様でジャージにサンダルで、美人なのにサングラスで隠してる様な、しおり達とも仲良しの女の子は?」
「わた、ワタクシに何か、ご、御用ですか?
お、お母さま?」
「美人」とか「女の子」とか、最近めっきり言われなくなったワードにガラにも無く慌ててるある人物。
「理央さん、とっ………ても良い所に!」
「あら、いつもの美人さんね、少しお話し宜しいかしら?」
てな、訳であっさり同伴者が決まるのだった。
理央さんは急いで自宅に戻り、旅支度をして集合場所の浜松町駅に舞い現れた。
「皆んな、待ったかしら?」
「いえ、別に。
まだ出発まで2時間有りますから。」
「えっ?そうなの?」
「理央さんの事だから遅刻する可能性を考えて、前後2時間は見ておいた方が良いって、ネコさんが言われたので。」
「なんかで聞いた事あるな?」
「なので、出発まで2時間有りますから、駅の売店で東京土産を買いましょう!
妹に出来る姉をアピールしますよ!」
「ソレ、2時間で足りる?」
今回も損な困難でスタートする訳ですが、店長の負傷以外にもお店ではトラブルが起こってました。
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