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その三十八 たこ焼きはボートの上で?

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 らぶりぃウェイトレスあいむちゃんのスペシャルなオムライスを堪能した我々は彼女の着ている制服について聞いてみた。


 『あのね、愛夢のこのお洋服は、お向かいのお姉さん達のお手製なんだよ!』

 魔法少女ならぬ、魔女っ子変身モノで大人になっちゃう様な女の子にを感じない様に注意して、制服を作ってくれたお姉さんについて聴いてみたら、



 『はい?私がどうかした?』


 なんと、隣のデーブルでオムをかっ喰らってる古着屋の店長さんがいた。


 マリさんが自分もで衣装作りをしていて、あいむちゃんや上の猫カフェにいた少女の衣装に、とても感動した事を告げると大変喜んでくれて、
 良かったらお互い食事が終わった後にでも、お店に服も見に来ないかと誘われた…が?


 「この後、そこの公園の屋台も覗きたいので、その後後でも…」

 と俺が答えてしまい、さらに、


 『もうー!
 エリお姉ちゃんは空気を読まないと!
 今、このお姉ちゃんたちはなんだから、この後は定番の公園のお池でボートに乗ったり、追いかけっこしたりするのよ!

 そんな事もわからないから、お姉ちゃんが出来ないのよ!』

 さらに、

 『そうだぞ店長、そろそろで婚活しないとが店長の老後の世話をしなくちゃいけないぞ!』


 と、お連れの方がトドメを刺した。

 高校生くらいの中性的な男の子っぽい女の子かな?

 おそらくお店のバイトの子なんだろうか、彼女と同じオム焼きそばを食べていた。

 『なら、その後で来てね。』

 店長さん、辛うじてそれだけ言うと黙々とオム焼きそばを食べ始めた。


 俺たちは食事を終え、とても綺麗な女性が会計してくれた。

 間違いなく、あいむちゃんのお母さんだな、コスプレはしてないけど?


 『エリちゃんの事は気に病まないでね、このところ毎回あんな感じなので。』

 「あの、ありがとうございます。
 ご馳走サマでした、オムライス大変美味しかったので、また来ますね!」


 出口までもう一人のウェイトレスさんと一緒にお母さんが見送ってくれた。

 あいむちゃんとお揃いの衣装を着て、ケモ耳をつけたお胸の大きい、コレまた綺麗なお姉さんだった。

 (あいむちゃんは常連らしい厳ついオジサマたちとお話ししていたので、お見送り出来なかった。)


 店を出てすぐ、早速公園に行くと園内では何やら食べ物の屋台の他にも、似顔絵描きやアクセサリー売り、パフォーマーや露天商が結構な数が居て、何かイベントでもやっている様な感じなのかな?


 「あ、あのリクさん、まだお腹に余裕有りますか?」

 「ハイ、まだまだ余裕ですね?
 何か食べたいモノでも?」

 「アチラに「たこ焼き、各種トッピング有り!」って、あるんですけど⁈」


 どうやらマリさん、たこ焼きに目が無いらしい?

 見たところ、その屋台の前は行列が出来ているので人気屋台なのだろう。


 早速最後尾に着くと、

 「いらっしゃい、これメニューです!
 ごめんなさい、「ポテコーンマヨ」はもう売り切れしそうなので、おすすめなのは「シラスおろし」とか「辛子めんたいマヨ」ですね!」

 ポニテの女の子が息を切らしてメニューボートを手に俺たちの元に来てくれた。

 高校生と言うより中学生かな?

 「一番辛いのは何ですか?」

 たこ焼きのトッピングに何を求めているのか、マリさんが当たり前の様に質問している。


 「ハバネロデビルって冗談みたいな裏メニューが有りますけど?」

 たこ焼きの味がわからなくなりそうな名前だけど、さすが「デスソースまる子」さん、

 「じゃあ私はそれを!」

 即決するマリさん!


 「じゃあ、俺はシラスおろしポン酢のトッピングで大玉サイズで。」

 「かしこまり!」

 ポニテを揺らして、かけて行く後ろ姿が可愛い!

 あと、マリさんって辛いが超好き?

 「デスソースまる子」って、先輩から嫌がらせで付けられたリングネームかと心配していたのだけど、もしかしてで考えて付けたの?



 「ねぇリクさん、ボートって乗った事あります?」

 「有りますよ、よく親父とダム湖で釣りとかして漕いでましたから。」

 「ナム◯?」

 「ダム湖です、子供の頃は山の中で暮らしてましたから。」


 「私、まだ乗った事ないんですよ。
 中の池でボートに乗れるみたいだから、たこ焼き食べてから乗ってみませんか?」

 「なら、折角だし、みずの上で食べませんか、たこ焼き?

 乙なモンかもしれません。

 子供の頃は、オヤジとボートに乗って、湖の上でお袋が作ってくれたおにぎりとか食べてましたよ。」


 「それ素敵ですね!
 それじゃあ、飲み物も買って、ボートに乗りながらたべましょうか!」




 出来た熱々のたこ焼きを受け取ると、人工池のボート乗り場に行ってみる。

 普通のボートと足漕ぎスワンボートが選べる様だ。


 この場合、普通のボートだろ!


 管理人のオッちゃんが、

 「お二人はデートかい?

 犬とか連れてないだろうね?」

 「いませんけど、乗せたらまずいですか?」


 「いや、悪くは無いが、偶に犬が一緒に乗ってさ、落ちたのか、飛び込んだのか、池で泳いだりしてるからさ、そういう時は大体高校生くらいのカップルなんだよね。」

 犬連れのデートなの? 

 健全すぎたな。

 「深い池じゃないけど、何処からか「すっぽん」が住み着いてな、犬が噛みつかれない様に気を付けてって事でさ。」


 「泳ぐワンちゃん、可愛いかも?」

 とさ。

 いや、「さて」のがいいかな?

 (あれは予告か。)
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