さまよう綸◆◆若頭からの求愛…迷惑だわ◆◆ 【完結】

まぁ

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7月SS 8

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「綸、おめでとう。乾杯の音頭は誰だ?」
「ありがとう、お父さん。伊東さん小笹さんが知ってると思うけど…」

 皆がそれぞれ缶などを手に二人を見ると、小笹さんがいつもより一段と派手なシャツ姿でイキイキと

「乾杯の音頭をお願いします」

 と大きな声を上げる。すると朝見たリッキーが庭に入ってきてビールを手に私の隣に並んだ。

「今日は妹のために皆ありがとう。感謝する。綸ちゃん、誕生日おめでとう!綸ちゃんにとって良い1年になりますように…乾杯っ!」
「「「「「乾杯っ」」」」」
「「「「「おめでとうございますっ」」」」」

「ありがとうございます!みんな大好きです!」
「おい、綸。今のは取り消せ」
「「ぶはっ…」」「「「ぶっ…」」」

 正宗の取り消せ発言にあちこちで吹き出す音が聞こえ汚い…思わず

「お肉やエビに吹き出してない?大丈夫?」

 と網付近の組員さんたちの方へ聞くと

「「「「ぶはっ…」」」」

 さらに吹き出す音が聞こえた。

 火の近くで組員に囲まれる綸を見ながら伊東と小笹を呼ぶ。

「二人には礼を言う。綸が喜んでいる」
「よかったです。あんな風に楽しんでもらえてこちらも嬉しいです」
「綸さんが俺たちの主っすから。何かあったら俺、若より綸さんを守るのはもちろん、綸さんの指示に従うっすよ」

 組員から軍手とトングを受け取り、肉や魚介など裏返し始めた綸を見たまま二人に言った。

「それでいい。伊東と小笹を綸付きにしてよかったと思っている。綸からも不満や不安を聞いた事がないからな、これからも頼む」
「「はい」」
「で、この食材どうした?大変だったろ?」

 いくらかの金を二人で出し合い、それぞれの店にこれくらいの食材と言ってまとめて支払っていたところ明らかに支払い以上の食材が届いたと言う。

「そうか、今度また俺も店に顔を出す」
「そうしてもらうと店の者が喜びます」
「綸さんも喜びます」

 綸が皿一杯に肉などを乗せ俺たちの元へ来ると

「食べてる?これ私が焼いたの、3人で食べてね。いつもありがとう」

 そしてすぐに火の近くに戻る。すると京太さんの親父がいつもの台所のように綸にタオルを渡すが、綸はいつもように首に掛けず広げて何か言ってる。

「見てて飽きない若の気持ちがわかります」

 伊東がエビの殻を剥きながら綸を見て笑う。その顔は若い時‘プロの刺客’と呼ばれた面影はない。綸も永遠に知らないままだろう。

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