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2月SS 3

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「綸?」

 彼女の部屋のドアを開けるが、ヒーターも入っておらずソファーにもベッドにもいない…またクローゼットか?

 寒いだろ…2月だぞ。そっとウォークインクローゼットの扉を開けると、いた…膝を抱え丸まって踞り僅かに揺れている。

 限界だったんだろうが何故ベッドで寝ない?

 綸を抱き上げようとすると、カタッ…彼女の膝から箱が落ちる。

 何かわからないが大切そうに抱えていた物なので、一緒にベッドに運ぶ。今夜はこの狭いベッドで抱きしめて寝よう…昨夜の分まで。

 しかし彼女の体が冷え過ぎていて眠れない。こんなに冷たいのに寝ているなんて、寝ているのではなく意識不明なんじゃないか?

 心配になりベッドを抜け出ると風呂に湯をはり、まず自分の着ているものを脱ぎ綸も脱がせる。そしてまだ赤い華をたくさん咲かせたままの彼女の体にむしゃぶりつきたくなる衝動を抑えバスルームへ行き、横抱きのままそっと湯に浸かった。

「…ぅん?」

 綸が目も口も閉じたまま喉を鳴らすような音を出す。それに俺自身がぐっと反り返るのがわかり苦笑しながら、湯に浸かりきっていない綸の肩に湯を掛ける。

「…ぇ…ぉ…ふろ…」
「寝てていいぞ、クローゼットで冷えきってたから温めただけだ」
「…正宗…話してくれた…」

 閉じたままの彼女の目から涙が流れ落ちる。

「綸…悪かった…寝てないだろ?話は明日でいい…休め」

 涙の止まらない閉じた瞳に唇を落とすと……綸は両腕を俺の首に回した。

「ごめんなさい…ちゃんと話するから…私を…拒絶しないで…お願ぃ」

 最後は消え入りそうな声で懇願する綸に

「大丈夫だ、拒絶なんてしない。ちょっと…カッコ悪くヘソ曲げてただけだ」

 そう答え、チュッ…チュッ…とリップ音をたて、俺にしがみつく綸の頭や耳にキスを落とした。
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