彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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荒獅子と黒椿 20

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「でも今日は‘守りたい’とか‘どこで生きていても家族’とか姉ちゃんちっくだ」
「それは…普通のことを言っただけ。里くんが組員さんでなく大統領になっても家族だよ」
「「「「ぶわっ…はっははっ…」」」」

4人が一斉に吹き出し、びくっとした玖未の肩を抱いてやる。

「ひぃーっ…腹いてぇ…玖未ちゃん…日本に大統領はいない…って…」
「…そっか…じゃあ…アメリカ大統領になる?」
「ぶっ…玖未ちゃん…さっきの撤回っ…玖未ちゃんに姉ちゃんは無理だ…」

野沢も眼鏡を取って目尻を拭っている。コンビニに車が突っ込んだなんて日にこれほど明るく過ごせるのも玖未のおかげだ。

「…む…」

俺にしか分からない程度に喉を鳴らした玖未に

「玖未は‘どんなに偉い人になっても’縁遠くならずに家族だと、そう例えただけだよな?大丈夫だ…俺だけは玖未の言わんとしたことを理解してる」

そう玖未にコツンと頭を落とすと

「おいっ、悠仁っ。それは卑怯な言い種だよな?自分だけ良いとこどり」

右京がガバッと起き上がり、俺に食い付いた。

「夫婦の絆、と言ってくれ」
「…チッ…マジで卑怯な言い種の連続だ…」

と、右京が頭を振ると

「ねぇ、そんなことより…ひとつ聞きたいことがあるんだけど…」

玖未が無表情のまま呟くように言った。

「はいはい…いいよ、玖未ちゃん。何でも聞いて」

そんなことより…に不貞腐れたフリの右京が玖未を見る。

「あの…舞花なんだけど…」
「うん。大丈夫だよ、玖未ちゃん。ちゃんと答えるよ」
「津川さんが見えて…私がいると思った…って言ってた…それは分かるの。そういう風にホテルでも歩いていたからね」
「そうだね。玖未ちゃん付きが見えて玖未ちゃんが店内にいると思った…ってことだよね」
「ん…ってことは…コンビニが見える場所…このマンションが見える場所で待ってたってことになるよね?…通りすがりではあり得ないもの」
「うん」
「私…マンションを教えてないんだけど…」
「ああ、玖未さん…それは簡単に調べられることです」
「そうなの、野沢さん?」
「はい。若は会社社長の肩書きのために住民票がこのマンションで玖未さんも同じですね?それは調べようと思えば簡単に調べられるんですよ」
「だからだ、クミ。コンビニにも一人で行くなと徹底させているのは、そういうこと」
「…そっか…うん…分かった…いろいろ納得」
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