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荒獅子と黒椿 19
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「まず、里の選択肢は表だけか、表と裏の両方かのどちらかで、裏だけというのはない。それはいいですか?」
「その通り…いい」
「私はどちらを里が望んでも反対はしませんが、ひとつ条件があります」
「何?」
右京に続いた野沢親子の会話を4人で見守る。
「墨は入れないこと。理由は、表の仕事で私たちが出来ないこともあるからです」
「分かった、約束する。その上で両方…俺を大切に育ててくれた尊敬する父親のようになる」
「…若…よろしいですか?」
一瞬、喉を詰まらせたような野沢が俺を見たので
「ん、歓迎するが…親父がどう言うかだな、里」
と里を見る。
「それはそう。すごく子ども扱いでまだお年玉くれてるんだよね」
「親父が表だけと言えば、諦めてフロント企業で思い切り利益を出してくれ」
「はぁ…あと、桝井さんも手強い気がする」
「…どうして次郎?」
「分からないけど、めちゃくちゃ遊んでもらった記憶がある」
「里くん…組員さんは諦める?」
「ぇえ…っ…あの二人を攻略出来ないとそうなるか…そこを考えてなかった。ちょっと攻略法を考える……ってか……今日さ、初めて玖未ちゃんが姉ちゃんぽいわ」
「む…?ん?」
ん?が、む?になって言い直した玖未を見て、右京が腹と口を押さえて転がる。
「里くん…私の年齢を知ってる?」
「知ってる」
「ほんと?2歳年上だよ?1年じゃなく2年」
ここで津川も腹を抱えた。だが、玖未は無表情のまま至極真面目に話している。
「それでも、妹っぽかったんだよね、ずっと」
「…悠仁…気づいてた?里くんがそんなこと思ってたって…」
「いや、全く」
最初からずっと気づいてたが言わない。
「その通り…いい」
「私はどちらを里が望んでも反対はしませんが、ひとつ条件があります」
「何?」
右京に続いた野沢親子の会話を4人で見守る。
「墨は入れないこと。理由は、表の仕事で私たちが出来ないこともあるからです」
「分かった、約束する。その上で両方…俺を大切に育ててくれた尊敬する父親のようになる」
「…若…よろしいですか?」
一瞬、喉を詰まらせたような野沢が俺を見たので
「ん、歓迎するが…親父がどう言うかだな、里」
と里を見る。
「それはそう。すごく子ども扱いでまだお年玉くれてるんだよね」
「親父が表だけと言えば、諦めてフロント企業で思い切り利益を出してくれ」
「はぁ…あと、桝井さんも手強い気がする」
「…どうして次郎?」
「分からないけど、めちゃくちゃ遊んでもらった記憶がある」
「里くん…組員さんは諦める?」
「ぇえ…っ…あの二人を攻略出来ないとそうなるか…そこを考えてなかった。ちょっと攻略法を考える……ってか……今日さ、初めて玖未ちゃんが姉ちゃんぽいわ」
「む…?ん?」
ん?が、む?になって言い直した玖未を見て、右京が腹と口を押さえて転がる。
「里くん…私の年齢を知ってる?」
「知ってる」
「ほんと?2歳年上だよ?1年じゃなく2年」
ここで津川も腹を抱えた。だが、玖未は無表情のまま至極真面目に話している。
「それでも、妹っぽかったんだよね、ずっと」
「…悠仁…気づいてた?里くんがそんなこと思ってたって…」
「いや、全く」
最初からずっと気づいてたが言わない。
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