彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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暗暗裏に進むのはどちらか 11

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「若、玖未さん、おはようございます」
「おはようございます、若…なんだ、クミ?」
「俺の玖未はちょっとばかりご機嫌斜めだ」

ダイニングで大西と津川が珈琲を飲んでいるところへ行くが、玖未の機嫌が悪い。シャワーと言ってもう一度止められなかったのは…昨日の分だ、許せ。

「玖未さん、急に皆で屋敷泊まりになったので食堂では足りないかと、さっきベーカリーへ行って来たんです。お好きな物をどうぞ。珈琲もたっぷりあります」
「…ありがと、大西さん…津川さん、クリームパン食べた?」
「食った」

ポスン…玖未が、腰が砕けたかのように椅子へ腰掛けた時

「玖未、おはよう。今日の予定は?忙しいか?」

親父がダイニングへ入って来た。

「おはよう…ない」
「特に予定がないんだな。じゃあ、一緒に買い物とランチに出掛けよう」
「…買い物?どこ?」
「百貨店。地下の食料品売り場も行ってみるか?いつもと違う食材を見られるかもしれないぞ?」
「…悠仁…いい?」
「いいぞ。いつも言ってるだろ?玖未が行きたい時に行きたいところへ行っていい。玖未は自由だ」
「…行く…ランチは…リクエストいい?」
「いい」
「担々麺…食べたい」
「分かった。担々麺、俺も久しぶりだ。中華の店を予約しておく」

親父の耳にも昨日のことは入っているはずだ。大西と津川だけでなく、玖未を一人にしないように気遣っているのだろう。

万が一、女から玖未に連絡があったときの異変にすぐ気づけるように。
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