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光と影 2
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「天野様から私には尋ねにくいこともあろうかと思いまして、女性の外商担当をご紹介させて頂きたく…」
「丹野さん、せっかくのお心遣いですが今は結構です。何度か若や親父と一緒に玖未さんがお買い物される中で、その方が適正かは判断させて頂きたい。今日はご紹介も必要ありませんが丹野さんと一緒に行動されるのはかまいません。若、それでよろしいでしょうか?」
「ん」
信頼出来る人以外とは徹底して距離を取ってるんだね。私はまた、心の中でわかった風に頷いた。
ペコリ…ペコリ…エスカレーターに乗るとあちこちに組員さんが見えて忙しい。
「玖未ちゃん、視力いいねぇ」
右京が周りを見渡しながら笑うが、誰も止めるわけではないので、ペコリ…ペコリ…だって、よく目が合うの。
目的のお店では入り口に丹野さんたちと前にいた組員さんが立ち、店内へは悠仁と私、野沢さん、右京、大西さん、津川さんが入った。
「お待ちしておりました、須藤様」
そう言った野沢さんくらいの年齢の男性はすぐに私を見た。
「ご来店ありがとうございます。私、川中と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
差し出された名刺を受け取ると…悠仁を見る。
「それでいい。いつも買い物は川中さんだ」
悠仁が私の頭を撫でて言うので‘天野玖未です’ととりあえず名乗った。
「玖未、こっち」
悠仁が進むのはレディースの方みたいだけど…こういうお店でどうやって買い物するんだろう…
「これからの季節の物を揃える。かしこまった物よりも普段に着られる物で揃えたい」
「承知致しました。私の方からご紹介も致しますが、どうぞごゆっくりお好きに手に取ってご覧下さいませ」
悠仁は川中さんに言ったのだけれど、川中さんは私に丁寧にお辞儀して下がった。
「丹野さん、せっかくのお心遣いですが今は結構です。何度か若や親父と一緒に玖未さんがお買い物される中で、その方が適正かは判断させて頂きたい。今日はご紹介も必要ありませんが丹野さんと一緒に行動されるのはかまいません。若、それでよろしいでしょうか?」
「ん」
信頼出来る人以外とは徹底して距離を取ってるんだね。私はまた、心の中でわかった風に頷いた。
ペコリ…ペコリ…エスカレーターに乗るとあちこちに組員さんが見えて忙しい。
「玖未ちゃん、視力いいねぇ」
右京が周りを見渡しながら笑うが、誰も止めるわけではないので、ペコリ…ペコリ…だって、よく目が合うの。
目的のお店では入り口に丹野さんたちと前にいた組員さんが立ち、店内へは悠仁と私、野沢さん、右京、大西さん、津川さんが入った。
「お待ちしておりました、須藤様」
そう言った野沢さんくらいの年齢の男性はすぐに私を見た。
「ご来店ありがとうございます。私、川中と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
差し出された名刺を受け取ると…悠仁を見る。
「それでいい。いつも買い物は川中さんだ」
悠仁が私の頭を撫でて言うので‘天野玖未です’ととりあえず名乗った。
「玖未、こっち」
悠仁が進むのはレディースの方みたいだけど…こういうお店でどうやって買い物するんだろう…
「これからの季節の物を揃える。かしこまった物よりも普段に着られる物で揃えたい」
「承知致しました。私の方からご紹介も致しますが、どうぞごゆっくりお好きに手に取ってご覧下さいませ」
悠仁は川中さんに言ったのだけれど、川中さんは私に丁寧にお辞儀して下がった。
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