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仮定の真否 9
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「今日、玖未が俺たちに話をしてくれたことで日野とは切れる。切る。今は世話してくれるだけ、というのも癖の類いだ。‘先生、先生’と頼られる自分が好きで酔ってる変態」
「…当たってるかも…ぁ…途中でごめんなさい…」
「いいぞ。当たってると思うか?」
一瞬また固まったのは、話を遮ることを怒られたことがこれまでにあったのだろう。
言葉が余計に減ってしまう原因だ。
「…悠仁の話…聞く」
「ん?会話すればいい、嬉しいだけだ。どうして当たっていると思った?」
「…うん…先生、先生って寄って来る子を贔屓するタイプなの…それは小さい子から、男の子も女の子も…」
「学校でもいる、いる。先生って結構そのタイプ多いよな」
右京も玖未の言葉を強く肯定して背中を押す。
「今もたまに電話があって‘困ってないか?’って言われて‘先生、いつもありがとう’って言うと‘大事な子たちだからね。次もちゃんと紹介するから’って言われる」
「そうか。それを聞いて確信した…最低な野郎だな。玖未は世話してくれるだけ、と自分を納得させて前を向いて生きてきたんだ。その気持ちを否定するつもりは全くない。そこは分かるか?玖未は精一杯、頑張って、頑張って、頑張り過ぎるほど頑張ってきた」
俺がそう言うと彼女の瞳が揺れる。
「だが、今この瞬間それは終わりだ。そいつと関わる度に嫌な記憶とか、他の子どもへの思いが沸き上がるだろ?だからもう切れ。そいつの紹介した仕事も部屋も自分から捨ててやれ。ゲンさんからそいつに連絡が入れば玖未に連絡してくるだろう。そこで終わりだ。過去を捨てるぞ、玖未」
揺れる瞳は潤むだけで水滴を作り出すことはなかった…出来ないのだろう。
「…分かるけど…」
「ん?」
「捨て…る…という…意味は分かるけど…じゃあ…現在とか未来は…?」
「優秀な質問です、玖未さん」
「野沢の言う通り…優秀だな、玖未」
涙を流せない目尻を親指でなぞってから不思議そうな顔に答えてやる。
「流れに身を任せ人任せにすれば楽だが、玖未は自分の位置と方向をちゃんと把握しようとしてる。そこが優秀で尊敬できる大人だ。しっかり自分で歩いてきた証だな…だから凛と美しい」
玖未はまだ不思議そうな顔で、俺の言うことを理解出来たのは野沢と右京だけのようだったがかまわない。
何度でも伝えるから。
「…当たってるかも…ぁ…途中でごめんなさい…」
「いいぞ。当たってると思うか?」
一瞬また固まったのは、話を遮ることを怒られたことがこれまでにあったのだろう。
言葉が余計に減ってしまう原因だ。
「…悠仁の話…聞く」
「ん?会話すればいい、嬉しいだけだ。どうして当たっていると思った?」
「…うん…先生、先生って寄って来る子を贔屓するタイプなの…それは小さい子から、男の子も女の子も…」
「学校でもいる、いる。先生って結構そのタイプ多いよな」
右京も玖未の言葉を強く肯定して背中を押す。
「今もたまに電話があって‘困ってないか?’って言われて‘先生、いつもありがとう’って言うと‘大事な子たちだからね。次もちゃんと紹介するから’って言われる」
「そうか。それを聞いて確信した…最低な野郎だな。玖未は世話してくれるだけ、と自分を納得させて前を向いて生きてきたんだ。その気持ちを否定するつもりは全くない。そこは分かるか?玖未は精一杯、頑張って、頑張って、頑張り過ぎるほど頑張ってきた」
俺がそう言うと彼女の瞳が揺れる。
「だが、今この瞬間それは終わりだ。そいつと関わる度に嫌な記憶とか、他の子どもへの思いが沸き上がるだろ?だからもう切れ。そいつの紹介した仕事も部屋も自分から捨ててやれ。ゲンさんからそいつに連絡が入れば玖未に連絡してくるだろう。そこで終わりだ。過去を捨てるぞ、玖未」
揺れる瞳は潤むだけで水滴を作り出すことはなかった…出来ないのだろう。
「…分かるけど…」
「ん?」
「捨て…る…という…意味は分かるけど…じゃあ…現在とか未来は…?」
「優秀な質問です、玖未さん」
「野沢の言う通り…優秀だな、玖未」
涙を流せない目尻を親指でなぞってから不思議そうな顔に答えてやる。
「流れに身を任せ人任せにすれば楽だが、玖未は自分の位置と方向をちゃんと把握しようとしてる。そこが優秀で尊敬できる大人だ。しっかり自分で歩いてきた証だな…だから凛と美しい」
玖未はまだ不思議そうな顔で、俺の言うことを理解出来たのは野沢と右京だけのようだったがかまわない。
何度でも伝えるから。
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