彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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仮定の真否 8

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「ゲンさんのところに…私の前にいた人、知ってる?」
「知らねぇ」
「その人も…次に来る人も…日野先生が私と同じように面倒みた人だよ」
「そうなのか?」
「うん…だから…元々私は3月末までがまるで、次にまた紹介してくれることになってるの…」
「日野が?」
「そう。ゲンさんは、施設上がりの子を面倒みるつもりで…調理師として未熟な子、慣れない子を順番に雇ってくれてるんだと思う…」
「日野は施設を出てからの子も面倒みてるってことか…どうなってる…」
「……日野先生…へき…があるから…」
「それが対価ってことか?」

…コ…クン……

「ああ…俺、そいつの癖って分かったわ」
「私も分かりました。対象がその年齢の施設の子ですからね」
「ヤクザよりタチが悪いね、そいつ」
「そうですね、許せません。施設の子だけでなく、ゲンさんたち、飲食店の方たちも騙してるということになりますね」

右京と野沢が、緊迫した空気を一旦緩めると玖未が俺の腕の中で顔を上げた。

「ん?」
「…すごいね…そんなことがわかるの?」
「そうだな、いろんな奴を見てるからな。当てていいのか?」
「悠仁、待てよ。俺が一番に分かったって言ったんだから俺が当てる」
「…はや押しクイズ…?」
「それそれ、ピンポーン…そいつの癖はズバリ‘処女専’」
「せーかい…おめでと…」
「ありがとう、玖未ちゃん」
「はぁ…そういうことなんだけど…一度その日が終わると、あとは面倒みてくれるだけ…」
「なるほど。玖未さんの説明が上手で、ほとんど聞き返すこともなく事情がよく分かりました」

野沢がすぐに日野から玖未に話の中心を変える。

「玖未、よく聞けよ。体調が万全でないのに、たくさん話して疲れていると思うがよく聞け。長い一生のうちの1分くらいだから全身を…全細胞を耳にしてよく聞け」

玖未の頬を両手で包んで目を合わせると、玖未が‘はい’音にはならない…口だけを動かした。
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