聖女候補の姫君は初恋の騎士に純潔を奪われたい

新月蕾

文字の大きさ
25 / 45

第25話 一日前

しおりを挟む
 朝、目を覚ましてベアトリクスは自分の膣の中の感覚に驚いた。
 ランドルフは繋がったまま眠ってしまった。

「…………」

 抜いてしまうのが惜しかった。
 ベアトリクスは膣を締めたり緩めたりしてみた。

「んっ……すご……」

 眠っているのに硬くなっているランドルフの肉棒がベアトリクスの中で擦れる。
 じわじわと愛液が垂れ落ちていく。

「ら、ランドルフ……ん……ああ、私、なんて浅ましいことを……」

 ベアトリクスの頬は恥辱に赤くなった。
 しかし膣を動かすのが止められない。
 それどころか腰まで動かし始めてしまった。

「ん……ああ……すごい……」

 自分の中の気持ちの良いところが分かる。
 そこにランドルフを擦りつける。

「どうしよう……こんな……駄目なのに……」
「構いませんよ」

 突然の声にベアトリクスの体は跳ねた。
 その衝撃でランドルフのものがベアトリクスの奥に当たる。

「あっ……!」
「おはようございます、姫様」

 そう言いながらランドルフはベアトリクスを抱き寄せた。
 腰の周りには余裕を持たせ、ベアトリクスが動きやすいようにする。

「どこです? どこが気持ちいい?」
「こ、ここ……」
「分かりました」

 ベアトリクスがランドルフに擦りつけたところを、ランドルフは突き始めた。
 ベアトリクスが逃げそうになるのを下腹部を押さえ、留める。
 残った片腕で胸を揉みしだく。

「ああ……駄目……駄目これ……駄目ぇ……!」
「すごく……締め付けてきます……ああ、ベアトリクス……たくさんの逢瀬を重ねても、知らないことがたくさんある……」
「わ、私も、自分がこんなになるなんて……ああっ!」

 上体をのけぞらせてベアトリクスが感悦の声を漏らす。
 と同時にランドルフも精を放つ。

 二人は愛の証の匂いに包まれながら、しばし身を寄せていた。

「……そろそろ、朝の準備をしなくちゃ」
「はい……」

 二人は名残惜しさを感じながら離れた。
 ずるりと抜かれたランドルフの肉棒は汁にまみれていた。
 ベアトリクスの秘所からも多くの汁が溢れ出る。

「…………」

 ベアトリクスは体を反転させ、ランドルフに向き合った。

「キスをしても?」
「もちろん」

 ベアトリクスからランドルフへのキスはささやかなものだった。
 軽く触れると彼女は離れ、サラを呼んだ。

 サラはベアトリクスの体を軽く拭くと、二人は浴場へ向かった。
 ランドルフは一人ベアトリクスの残り香が残るベッドに顔を埋めたが、すぐに起き上がり、服を着て衛士寮にある自室へ戻った。



 朝食の席で、ランドルフは久々に見る顔に会った。

「おお、姫様を射止めた騎士様じゃないか」

 にやけ面の赤髪の男、前にベアトリクスを淫乱だと言い放った男だった。

「……よく俺の前に顔を出す勇気があったな」
「あはは」

 赤髪の男は笑って見せた。

「そりゃあるさ、刃傷沙汰なんて……叔父の顔も姫様の顔も潰すものな」
「…………」

 言うとおりである。
 しかも理由が理由では申し開きもしづらい。

「……何の用だ?」
「いや、そんな警戒しなくてもいい。姫様は意外に一途な方だったようだ。あんなに多くの男を誘ってきながら……一人の男に落ち着くとは」
「…………」

 ランドルフは、ベアトリクスが男を求めていたわけをまだ知らなかった。
 どうも聖女候補であると言うことが関連しているのは察することが出来たが、聞くのが憚られた。
 いや、怖かった。
 結局の所ベアトリクスが自分を選んだのがただ行為をするためであったと思い知らされるのが嫌だった。

「あはは」

 赤髪の男はまたしても笑った。

「いやいや、聖女であることをおやめになりたいだけなら一夜限りで良い。わざわざ何夜もそばに置くんだ、愛されているよ、あんたは」
「…………何を、お前は」

 まるで心を見透かされているようで気味が悪かった。

「どうぞ、末永くお幸せに、だ……とはいえ陛下のご意向によっちゃあんたらの蜜月も今日でしまいか」
「…………」

 ベアトリクスのローレンス国王からの呼び出し。
 ベアトリクスの表情からしてあまり良くない理由になりそうなのは間違いなかった。
 しかしランドルフに何ができるというのだろう。
 せいぜい叔父に根回しを頼むくらいだが、国王の側近である叔父がそのようなことを聞くだろうか。

 食事を喉に押し込んで、ランドルフは呑み込んだ。
 モヤモヤを一緒に呑み込んだ。

 外に出て赤い花を探した。
 なかなかどうして見つからない。
 そうしていると散歩中のアルフレッドと出くわした。

「殿下」

 ひざまずくと、アルフレッドは嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。
 後ろに護衛のジョナスが続く。

「ランドルフ殿! 何をなされているのですか?」
「ひ、姫様にお送りする花を探しておりました」
「それは素敵ですね。ご一緒してもよろしいですか?」
「はい、もちろん」
「どのような花がよいのでしょうか?」
「赤い花を……」
「それでしたらこちらです」

 離宮に長らく住んでいたアルフレッドは花の所在にも詳しかった。
 すぐに赤い花を見つけ出してくれた。

「ここの花なら摘んでも大丈夫です。庭師に言われました」
「ありがとうございます」
「……あの、お時間ありますか?」
「ええ」
「……お姉様の聖女について、ご相談があるのです」

 ランドルフはギクリとした。
 自分が純潔を奪ってしまった聖女候補。
 いったいアルフレッドは何の相談があるというのだろう。

「……もしかしたら、国王陛下の呼び出しは、お姉様を聖女にすることについてかもしれません」
「……はい」
「だったら、僕、もっと早く強くならないと」
「アルフレッド殿下……」
「僕にはジョナスがついています。だから、武力だけじゃなくて……王子として、王族として強くならないと、お姉様の庇護がなくても、お姉様が安心して聖女になれるように、強くなりたいんです」
「……殿下はもう、ずいぶんとお強いですよ」

 幼いアルフレッドの決意に満ちた顔を見て、ランドルフはそれを保証する。
 アルフレッドも、そしてベアトリクスも強い。
 本当に強い。

「……僕はお姉様にはついていけない。だからね、ランドルフ殿、ランドルフ殿がお姉様について行ってくれませんか?」
「自分が……」
「はい。お姉様を守って欲しいんです。僕に出来ないことを……あなたならできるから……」

 ランドルフは心苦しかった。
 アルフレッドの小さな心を痛めている事柄に少なからず噛んでしまっている自分の罪深さが、ランドルフの心を締め付けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』

鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。 だからこそ転生後に誓った―― 「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。 気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。 「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」 ――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。 なぜか気づけば、 ・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変 ・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功 ・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす ・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末 「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」 自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、 “やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。 一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、 実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。 「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」 働かないつもりだった貴族夫人が、 自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。 これは、 何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

処理中です...