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第25話 一日前
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朝、目を覚ましてベアトリクスは自分の膣の中の感覚に驚いた。
ランドルフは繋がったまま眠ってしまった。
「…………」
抜いてしまうのが惜しかった。
ベアトリクスは膣を締めたり緩めたりしてみた。
「んっ……すご……」
眠っているのに硬くなっているランドルフの肉棒がベアトリクスの中で擦れる。
じわじわと愛液が垂れ落ちていく。
「ら、ランドルフ……ん……ああ、私、なんて浅ましいことを……」
ベアトリクスの頬は恥辱に赤くなった。
しかし膣を動かすのが止められない。
それどころか腰まで動かし始めてしまった。
「ん……ああ……すごい……」
自分の中の気持ちの良いところが分かる。
そこにランドルフを擦りつける。
「どうしよう……こんな……駄目なのに……」
「構いませんよ」
突然の声にベアトリクスの体は跳ねた。
その衝撃でランドルフのものがベアトリクスの奥に当たる。
「あっ……!」
「おはようございます、姫様」
そう言いながらランドルフはベアトリクスを抱き寄せた。
腰の周りには余裕を持たせ、ベアトリクスが動きやすいようにする。
「どこです? どこが気持ちいい?」
「こ、ここ……」
「分かりました」
ベアトリクスがランドルフに擦りつけたところを、ランドルフは突き始めた。
ベアトリクスが逃げそうになるのを下腹部を押さえ、留める。
残った片腕で胸を揉みしだく。
「ああ……駄目……駄目これ……駄目ぇ……!」
「すごく……締め付けてきます……ああ、ベアトリクス……たくさんの逢瀬を重ねても、知らないことがたくさんある……」
「わ、私も、自分がこんなになるなんて……ああっ!」
上体をのけぞらせてベアトリクスが感悦の声を漏らす。
と同時にランドルフも精を放つ。
二人は愛の証の匂いに包まれながら、しばし身を寄せていた。
「……そろそろ、朝の準備をしなくちゃ」
「はい……」
二人は名残惜しさを感じながら離れた。
ずるりと抜かれたランドルフの肉棒は汁にまみれていた。
ベアトリクスの秘所からも多くの汁が溢れ出る。
「…………」
ベアトリクスは体を反転させ、ランドルフに向き合った。
「キスをしても?」
「もちろん」
ベアトリクスからランドルフへのキスはささやかなものだった。
軽く触れると彼女は離れ、サラを呼んだ。
サラはベアトリクスの体を軽く拭くと、二人は浴場へ向かった。
ランドルフは一人ベアトリクスの残り香が残るベッドに顔を埋めたが、すぐに起き上がり、服を着て衛士寮にある自室へ戻った。
朝食の席で、ランドルフは久々に見る顔に会った。
「おお、姫様を射止めた騎士様じゃないか」
にやけ面の赤髪の男、前にベアトリクスを淫乱だと言い放った男だった。
「……よく俺の前に顔を出す勇気があったな」
「あはは」
赤髪の男は笑って見せた。
「そりゃあるさ、刃傷沙汰なんて……叔父の顔も姫様の顔も潰すものな」
「…………」
言うとおりである。
しかも理由が理由では申し開きもしづらい。
「……何の用だ?」
「いや、そんな警戒しなくてもいい。姫様は意外に一途な方だったようだ。あんなに多くの男を誘ってきながら……一人の男に落ち着くとは」
「…………」
ランドルフは、ベアトリクスが男を求めていたわけをまだ知らなかった。
どうも聖女候補であると言うことが関連しているのは察することが出来たが、聞くのが憚られた。
いや、怖かった。
結局の所ベアトリクスが自分を選んだのがただ行為をするためであったと思い知らされるのが嫌だった。
「あはは」
赤髪の男はまたしても笑った。
「いやいや、聖女であることをおやめになりたいだけなら一夜限りで良い。わざわざ何夜もそばに置くんだ、愛されているよ、あんたは」
「…………何を、お前は」
まるで心を見透かされているようで気味が悪かった。
「どうぞ、末永くお幸せに、だ……とはいえ陛下のご意向によっちゃあんたらの蜜月も今日でしまいか」
「…………」
ベアトリクスのローレンス国王からの呼び出し。
ベアトリクスの表情からしてあまり良くない理由になりそうなのは間違いなかった。
しかしランドルフに何ができるというのだろう。
せいぜい叔父に根回しを頼むくらいだが、国王の側近である叔父がそのようなことを聞くだろうか。
食事を喉に押し込んで、ランドルフは呑み込んだ。
モヤモヤを一緒に呑み込んだ。
外に出て赤い花を探した。
なかなかどうして見つからない。
そうしていると散歩中のアルフレッドと出くわした。
「殿下」
ひざまずくと、アルフレッドは嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。
後ろに護衛のジョナスが続く。
「ランドルフ殿! 何をなされているのですか?」
「ひ、姫様にお送りする花を探しておりました」
「それは素敵ですね。ご一緒してもよろしいですか?」
「はい、もちろん」
「どのような花がよいのでしょうか?」
「赤い花を……」
「それでしたらこちらです」
離宮に長らく住んでいたアルフレッドは花の所在にも詳しかった。
すぐに赤い花を見つけ出してくれた。
「ここの花なら摘んでも大丈夫です。庭師に言われました」
「ありがとうございます」
「……あの、お時間ありますか?」
「ええ」
「……お姉様の聖女について、ご相談があるのです」
ランドルフはギクリとした。
自分が純潔を奪ってしまった聖女候補。
いったいアルフレッドは何の相談があるというのだろう。
「……もしかしたら、国王陛下の呼び出しは、お姉様を聖女にすることについてかもしれません」
「……はい」
「だったら、僕、もっと早く強くならないと」
「アルフレッド殿下……」
「僕にはジョナスがついています。だから、武力だけじゃなくて……王子として、王族として強くならないと、お姉様の庇護がなくても、お姉様が安心して聖女になれるように、強くなりたいんです」
「……殿下はもう、ずいぶんとお強いですよ」
幼いアルフレッドの決意に満ちた顔を見て、ランドルフはそれを保証する。
アルフレッドも、そしてベアトリクスも強い。
本当に強い。
「……僕はお姉様にはついていけない。だからね、ランドルフ殿、ランドルフ殿がお姉様について行ってくれませんか?」
「自分が……」
「はい。お姉様を守って欲しいんです。僕に出来ないことを……あなたならできるから……」
ランドルフは心苦しかった。
アルフレッドの小さな心を痛めている事柄に少なからず噛んでしまっている自分の罪深さが、ランドルフの心を締め付けた。
ランドルフは繋がったまま眠ってしまった。
「…………」
抜いてしまうのが惜しかった。
ベアトリクスは膣を締めたり緩めたりしてみた。
「んっ……すご……」
眠っているのに硬くなっているランドルフの肉棒がベアトリクスの中で擦れる。
じわじわと愛液が垂れ落ちていく。
「ら、ランドルフ……ん……ああ、私、なんて浅ましいことを……」
ベアトリクスの頬は恥辱に赤くなった。
しかし膣を動かすのが止められない。
それどころか腰まで動かし始めてしまった。
「ん……ああ……すごい……」
自分の中の気持ちの良いところが分かる。
そこにランドルフを擦りつける。
「どうしよう……こんな……駄目なのに……」
「構いませんよ」
突然の声にベアトリクスの体は跳ねた。
その衝撃でランドルフのものがベアトリクスの奥に当たる。
「あっ……!」
「おはようございます、姫様」
そう言いながらランドルフはベアトリクスを抱き寄せた。
腰の周りには余裕を持たせ、ベアトリクスが動きやすいようにする。
「どこです? どこが気持ちいい?」
「こ、ここ……」
「分かりました」
ベアトリクスがランドルフに擦りつけたところを、ランドルフは突き始めた。
ベアトリクスが逃げそうになるのを下腹部を押さえ、留める。
残った片腕で胸を揉みしだく。
「ああ……駄目……駄目これ……駄目ぇ……!」
「すごく……締め付けてきます……ああ、ベアトリクス……たくさんの逢瀬を重ねても、知らないことがたくさんある……」
「わ、私も、自分がこんなになるなんて……ああっ!」
上体をのけぞらせてベアトリクスが感悦の声を漏らす。
と同時にランドルフも精を放つ。
二人は愛の証の匂いに包まれながら、しばし身を寄せていた。
「……そろそろ、朝の準備をしなくちゃ」
「はい……」
二人は名残惜しさを感じながら離れた。
ずるりと抜かれたランドルフの肉棒は汁にまみれていた。
ベアトリクスの秘所からも多くの汁が溢れ出る。
「…………」
ベアトリクスは体を反転させ、ランドルフに向き合った。
「キスをしても?」
「もちろん」
ベアトリクスからランドルフへのキスはささやかなものだった。
軽く触れると彼女は離れ、サラを呼んだ。
サラはベアトリクスの体を軽く拭くと、二人は浴場へ向かった。
ランドルフは一人ベアトリクスの残り香が残るベッドに顔を埋めたが、すぐに起き上がり、服を着て衛士寮にある自室へ戻った。
朝食の席で、ランドルフは久々に見る顔に会った。
「おお、姫様を射止めた騎士様じゃないか」
にやけ面の赤髪の男、前にベアトリクスを淫乱だと言い放った男だった。
「……よく俺の前に顔を出す勇気があったな」
「あはは」
赤髪の男は笑って見せた。
「そりゃあるさ、刃傷沙汰なんて……叔父の顔も姫様の顔も潰すものな」
「…………」
言うとおりである。
しかも理由が理由では申し開きもしづらい。
「……何の用だ?」
「いや、そんな警戒しなくてもいい。姫様は意外に一途な方だったようだ。あんなに多くの男を誘ってきながら……一人の男に落ち着くとは」
「…………」
ランドルフは、ベアトリクスが男を求めていたわけをまだ知らなかった。
どうも聖女候補であると言うことが関連しているのは察することが出来たが、聞くのが憚られた。
いや、怖かった。
結局の所ベアトリクスが自分を選んだのがただ行為をするためであったと思い知らされるのが嫌だった。
「あはは」
赤髪の男はまたしても笑った。
「いやいや、聖女であることをおやめになりたいだけなら一夜限りで良い。わざわざ何夜もそばに置くんだ、愛されているよ、あんたは」
「…………何を、お前は」
まるで心を見透かされているようで気味が悪かった。
「どうぞ、末永くお幸せに、だ……とはいえ陛下のご意向によっちゃあんたらの蜜月も今日でしまいか」
「…………」
ベアトリクスのローレンス国王からの呼び出し。
ベアトリクスの表情からしてあまり良くない理由になりそうなのは間違いなかった。
しかしランドルフに何ができるというのだろう。
せいぜい叔父に根回しを頼むくらいだが、国王の側近である叔父がそのようなことを聞くだろうか。
食事を喉に押し込んで、ランドルフは呑み込んだ。
モヤモヤを一緒に呑み込んだ。
外に出て赤い花を探した。
なかなかどうして見つからない。
そうしていると散歩中のアルフレッドと出くわした。
「殿下」
ひざまずくと、アルフレッドは嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。
後ろに護衛のジョナスが続く。
「ランドルフ殿! 何をなされているのですか?」
「ひ、姫様にお送りする花を探しておりました」
「それは素敵ですね。ご一緒してもよろしいですか?」
「はい、もちろん」
「どのような花がよいのでしょうか?」
「赤い花を……」
「それでしたらこちらです」
離宮に長らく住んでいたアルフレッドは花の所在にも詳しかった。
すぐに赤い花を見つけ出してくれた。
「ここの花なら摘んでも大丈夫です。庭師に言われました」
「ありがとうございます」
「……あの、お時間ありますか?」
「ええ」
「……お姉様の聖女について、ご相談があるのです」
ランドルフはギクリとした。
自分が純潔を奪ってしまった聖女候補。
いったいアルフレッドは何の相談があるというのだろう。
「……もしかしたら、国王陛下の呼び出しは、お姉様を聖女にすることについてかもしれません」
「……はい」
「だったら、僕、もっと早く強くならないと」
「アルフレッド殿下……」
「僕にはジョナスがついています。だから、武力だけじゃなくて……王子として、王族として強くならないと、お姉様の庇護がなくても、お姉様が安心して聖女になれるように、強くなりたいんです」
「……殿下はもう、ずいぶんとお強いですよ」
幼いアルフレッドの決意に満ちた顔を見て、ランドルフはそれを保証する。
アルフレッドも、そしてベアトリクスも強い。
本当に強い。
「……僕はお姉様にはついていけない。だからね、ランドルフ殿、ランドルフ殿がお姉様について行ってくれませんか?」
「自分が……」
「はい。お姉様を守って欲しいんです。僕に出来ないことを……あなたならできるから……」
ランドルフは心苦しかった。
アルフレッドの小さな心を痛めている事柄に少なからず噛んでしまっている自分の罪深さが、ランドルフの心を締め付けた。
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