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────バタンッ!!!!
眼の前に投げ捨てられた食材を拾って食べていると、後ろでドアが勢いよく閉められた音が聞こえて思わず振り返る。
するとドアの前には、気持ち悪いほど上機嫌で立っているアレンの姿が……。
更に後手に鍵を閉めた様で、カチッ!という鍵が閉まる音も聞こえた。
「あ、家の中に入っちゃったか。スマン、スマン、直ぐに出ていく────。」
「最初は温泉に入ろうか。チリル、温泉好きなんだもんね?入りたいって言ってたでしょ?」
「あ~……あれな~……。」
もぐもぐと落ちている希少素材を食べながら、おぼろげに思い出す記憶。
温泉は森の奥にたまにできる希少なラッキースポットで、戦える人たちはそれを見つけたら絶対に入るらしい。
もちろん俺の様な非戦闘員は、そこに辿り着く事はできないので入れない。
だから他の人たちがお話するのを聞いて『いいな~。』と羨ましがっていたのだ。
そういえばアレンが以前────『連れて行ってあげようか?』と蔑む目で言ってきたが、もちろん「結構です!」と断ったことがあった。
その時の事を思い出しムッ!としたが、もう俺は怒らない。
これでチャラにしてやろうと決めたから。
「じゃあ、ごちそうさまでした~!お目当てのお嫁さんに、アピールちゃんとできたと思うから頑張れよ。
────あ、そういえば、前にお前がブッ刺した俺ん家の玄関の角、抜いておいてくれよな!邪魔だから!」
るんるん!とスキップしながら帰ろうとしたが、突然アレンに抱っこされてしまい、その歩みを強引に止められてしまった。
「?????」
まるで生後間もない赤ちゃんを抱っこする様な優しい手つきに、顔を歪める。
「────おい、辞めろよ……。とうとう赤ちゃん扱いとか……マジ勘弁だぞ?おいおい……。」
「俺は汚くても構わないけど?早く『卵下ろし』したいし……。」
「えっ?汚いままは駄目だろう……。」
なんとアレンは、自分を選んでくれたお嫁達と汚い格好のまま卵下ろしの儀式をしたいらしい。
それは流石に嫌がるだろ~……。
一応は幼馴染のデリカシーのなさを指摘してやると、アレンは納得した様子を見せた。
「そう。だったら早くお風呂に入ろうね。」
「??はぁ……う、ううん??」
なんだか会話が噛み合わなくて戸惑っていると、アレンは俺を抱っこしたまま部屋の奥へ。
そしてその扉を開くと、そこにはモクモクと湯気が漂う立派な温泉があった。
「す……すげぇ~……。」
人が20~30人くらいは十分入れそう……。
加工した木の板で囲まれた空間に、デデンッ!と存在している温泉からは、湯気が立ち上り空へと登っていくのが見える。
確かにアレンの家から、絶えず湯気が漂っているなとは思っていたが、まさか温泉だったとは……。
屋根がなくオープンな空を見上げ、納得していると、突然アレンが俺の服に手を掛け……?
────ビリリ~ン!!!
凄い勢いで破った。
「……えっ……は……??
…………。
なぁぁぁぁぁぁぁぁ────っ!!!???」
あまりにも驚き過ぎて文句も言えず、口をパクパクさせていると、そのままアレンは俺の汚れだらけな体を優しく優しく洗い始める。
洗い流される度に、体の汚れのせいで真っ黒に染まった湯が地面を濡らす中……俺はパニックを起こして思考が停止してしまった。
「あ~……可愛い……。」
「すべすべ……。手入れしてないのに、なんでこんなにすべすべなんだろうね?卵みたい。」
「大人しいチリルもいいな……。なんか、俺のモノって感じが強くなる気がする……可愛い……。」
ブツブツ、ボソボソ……!
アレンが口にする言葉のすべてが意味不明で、俺は恐怖で固まった。
い、一体どこの『チリル』さんのお話???
ぼんやりとそんな事を考えていると、そのまま温泉に浸かりペタペタと体を触られては、「卵は何個欲しい?100個くらい?」だの「とりあえず子ども様の家を建てようかな。当分二人でイチャイチャしたい……。」などなど意味不明な言葉が続く。
「…………。」
俺が無言で返事を返しているというのに、アレンはべらべらと気持ち悪いくらいよく喋った。
そのすべてを無言で聞いていると、いつの間にかタオルで拭かれていた俺は、温泉から家の中へ。
そして、そのまま巨大ベッドがある部屋へと運ばれ、その上にソッ……と乗せられた。
素っ裸で大の字に転がる俺の上にアレンが乗ってきて、それで…………。
…………………。
…………あ────────っ!!!!
叫ぶ!泣く!逃げる!叩く、蹴る、暴れる、罵る!!!!
力の限り抵抗して家の外へと逃げようとしたが、その全てをアレンは軽々とねじ伏せ、無理矢理俺の中へと押し入ってきた。
それが何度も何度も続いて、『よく壊れないな??』と不思議なぐらいベッドは揺れに揺れ……。
とりあえず、外が暗くなって、それから白くなるまでギシギシと大きな音を立てて揺れていたと思う。
そして次の日のお昼ごろ────。
「…………。」
ムックリと上半身を起こす……事もできないくらいギチギチに抱きしめられている俺は、虚ろ気な目で眼前にあるアレンの硬い胸を見つめた。
そしてそれがボヤ~……と霞んでいったので、自分がボロボロと泣いているのに気がつく。
眼の前に投げ捨てられた食材を拾って食べていると、後ろでドアが勢いよく閉められた音が聞こえて思わず振り返る。
するとドアの前には、気持ち悪いほど上機嫌で立っているアレンの姿が……。
更に後手に鍵を閉めた様で、カチッ!という鍵が閉まる音も聞こえた。
「あ、家の中に入っちゃったか。スマン、スマン、直ぐに出ていく────。」
「最初は温泉に入ろうか。チリル、温泉好きなんだもんね?入りたいって言ってたでしょ?」
「あ~……あれな~……。」
もぐもぐと落ちている希少素材を食べながら、おぼろげに思い出す記憶。
温泉は森の奥にたまにできる希少なラッキースポットで、戦える人たちはそれを見つけたら絶対に入るらしい。
もちろん俺の様な非戦闘員は、そこに辿り着く事はできないので入れない。
だから他の人たちがお話するのを聞いて『いいな~。』と羨ましがっていたのだ。
そういえばアレンが以前────『連れて行ってあげようか?』と蔑む目で言ってきたが、もちろん「結構です!」と断ったことがあった。
その時の事を思い出しムッ!としたが、もう俺は怒らない。
これでチャラにしてやろうと決めたから。
「じゃあ、ごちそうさまでした~!お目当てのお嫁さんに、アピールちゃんとできたと思うから頑張れよ。
────あ、そういえば、前にお前がブッ刺した俺ん家の玄関の角、抜いておいてくれよな!邪魔だから!」
るんるん!とスキップしながら帰ろうとしたが、突然アレンに抱っこされてしまい、その歩みを強引に止められてしまった。
「?????」
まるで生後間もない赤ちゃんを抱っこする様な優しい手つきに、顔を歪める。
「────おい、辞めろよ……。とうとう赤ちゃん扱いとか……マジ勘弁だぞ?おいおい……。」
「俺は汚くても構わないけど?早く『卵下ろし』したいし……。」
「えっ?汚いままは駄目だろう……。」
なんとアレンは、自分を選んでくれたお嫁達と汚い格好のまま卵下ろしの儀式をしたいらしい。
それは流石に嫌がるだろ~……。
一応は幼馴染のデリカシーのなさを指摘してやると、アレンは納得した様子を見せた。
「そう。だったら早くお風呂に入ろうね。」
「??はぁ……う、ううん??」
なんだか会話が噛み合わなくて戸惑っていると、アレンは俺を抱っこしたまま部屋の奥へ。
そしてその扉を開くと、そこにはモクモクと湯気が漂う立派な温泉があった。
「す……すげぇ~……。」
人が20~30人くらいは十分入れそう……。
加工した木の板で囲まれた空間に、デデンッ!と存在している温泉からは、湯気が立ち上り空へと登っていくのが見える。
確かにアレンの家から、絶えず湯気が漂っているなとは思っていたが、まさか温泉だったとは……。
屋根がなくオープンな空を見上げ、納得していると、突然アレンが俺の服に手を掛け……?
────ビリリ~ン!!!
凄い勢いで破った。
「……えっ……は……??
…………。
なぁぁぁぁぁぁぁぁ────っ!!!???」
あまりにも驚き過ぎて文句も言えず、口をパクパクさせていると、そのままアレンは俺の汚れだらけな体を優しく優しく洗い始める。
洗い流される度に、体の汚れのせいで真っ黒に染まった湯が地面を濡らす中……俺はパニックを起こして思考が停止してしまった。
「あ~……可愛い……。」
「すべすべ……。手入れしてないのに、なんでこんなにすべすべなんだろうね?卵みたい。」
「大人しいチリルもいいな……。なんか、俺のモノって感じが強くなる気がする……可愛い……。」
ブツブツ、ボソボソ……!
アレンが口にする言葉のすべてが意味不明で、俺は恐怖で固まった。
い、一体どこの『チリル』さんのお話???
ぼんやりとそんな事を考えていると、そのまま温泉に浸かりペタペタと体を触られては、「卵は何個欲しい?100個くらい?」だの「とりあえず子ども様の家を建てようかな。当分二人でイチャイチャしたい……。」などなど意味不明な言葉が続く。
「…………。」
俺が無言で返事を返しているというのに、アレンはべらべらと気持ち悪いくらいよく喋った。
そのすべてを無言で聞いていると、いつの間にかタオルで拭かれていた俺は、温泉から家の中へ。
そして、そのまま巨大ベッドがある部屋へと運ばれ、その上にソッ……と乗せられた。
素っ裸で大の字に転がる俺の上にアレンが乗ってきて、それで…………。
…………………。
…………あ────────っ!!!!
叫ぶ!泣く!逃げる!叩く、蹴る、暴れる、罵る!!!!
力の限り抵抗して家の外へと逃げようとしたが、その全てをアレンは軽々とねじ伏せ、無理矢理俺の中へと押し入ってきた。
それが何度も何度も続いて、『よく壊れないな??』と不思議なぐらいベッドは揺れに揺れ……。
とりあえず、外が暗くなって、それから白くなるまでギシギシと大きな音を立てて揺れていたと思う。
そして次の日のお昼ごろ────。
「…………。」
ムックリと上半身を起こす……事もできないくらいギチギチに抱きしめられている俺は、虚ろ気な目で眼前にあるアレンの硬い胸を見つめた。
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