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幼馴染からやっと…3
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「ねぇ、優ちゃん。そのまま私の話聞いてくれる?」
コツンと革靴が動いた音がした。
「優ちゃん、そのままで聞いて」
ピタリと音が止む。
「あ、あぁ。話ってなんだ?」
凛子は意を決し、深く息を吸い込んだ。
「ねぇ、優ちゃん。私もう優ちゃんの妹でいるの辞めたい」
「どういうことだ?」
「ふふっ、本当に優ちゃんは鈍感なんだねぇ。私、優ちゃんのことがずっと、ずっと好きでした。子供のころからずっと。社会人になって、大人になったら優ちゃんに近づけると思ってた。それで、優ちゃんのお嫁さんになるのが夢だったけど、叶いそうにないから今ここできっぱり私のことを振ってもらえないかな? 優ちゃんはこの中の誰かと結婚しちゃうんだもんね」
凛子の肩が小さく震え始める。こんな風に関係が崩れるなんて思っていなかった。振られることがわかっていても悔しくて、悲しくて堪らえようにも涙が凛子の頬を濡らす。
「へ……?」
ふわりと凛子の小さな身体は暖かな温もりに包み込まれた。凛子のよく知っている温もりだ。
「凛子、なにか勘違いしてないか? いつ、俺が凛子のことを振るって? そんなことある理由ないだろう」
凛子を抱き締める優の力が強まった。
「俺は凛子を女として見てたよ」
「ゆう、ちゃん――っん」
ぐるりと凛子の身が回転し、あっという間に唇に柔らかい感触を感じる。
――優ちゃんとキス、してる?
しっかりと優の腕に抱き寄せられ、凛子の細い腰を優は逃さぬように引き寄せる。
昨日、キスを拒まれたのになんで? どうして? 色々な想いが凛子の頭の中を駆け巡る。けれど優の熱に溶かされて、思考回路がハチミツのようにどろどろと流れ出す。
「っふ……なんで、キス……昨日は避けたくせにっ」
涙で潤い、赤く充血する瞳で優を見る。力の入らない唇から凛子は必死で言葉を発した。
「昨日、凛子からのキスを拒んだのは……我慢できなくなると思ったから。あそこでキスしてたら多分俺は凛子を押し倒してた」
「……へ?」
押し倒す? 聞き間違いだろうか。優が凛子を押し倒すと言ったように聞こえた。凛子はポカーンと魂の抜けたような顔で優を見る。
「凛子」
優の大きな手が凛子の頬を包み込む。その温かさに凛子もハッと我に返った。頬が燃えるように熱い。
「凛子、俺はずっと凛子が俺の事を兄のような存在として慕ってくれてるのかと思ってた。だから兄として振る舞っていたけれど、でも昨日凛子が俺を男として見てくれているって知って嬉しくて直ぐにでもお前を俺のものにしたいって思ったよ」
優の熱い視線が凛子を捉える。ずっとずっと欲しかった熱の篭った視線に身体が焦げそうだ。
「だから、ちゃんと言わせてくれ。凛子、俺はずっと凛子のことを妹だなんて思ってない。俺の可愛くて大事な幼なじみであり、大切な女性ってことを」
「――っ」
なにか言葉にしたいのに、こうも胸が嬉しさでいっぱいになると何も言葉にすることが出来ない。ただただ、優のことを見つめてコクコクと凛子は頷くことしか出来なかった。頷くたびに涙がポロポロと瞳から落ちる。
「凛子、好きだよ。俺と付き合ってくれますか?」
優の瞳はいつも優しい。けれど今はその優しさの奥には鋭さを感じ、射抜かれる。
「優ちゃん……好き。大好きだよぉ~っ」
凛子はぴょんっと優に抱きついた。涙も鼻水も優の高級なスーツにグリグリと押し付けて、凛子は力いっぱい優を抱き締める。
「ははっ、やっとお兄ちゃん卒業だ」
「私も、やっと妹卒業だ」
見つめ合い、ふっと幸せが口元から溢れ出す。優の手が凛子の腰に周り自然と引き寄せられ、唇を重ねた。
嬉しくて、嬉しくて、何度も何度もお互いを求め合うように唇を貪った。ここが社長室だということもすっかり忘れて。
コツンと革靴が動いた音がした。
「優ちゃん、そのままで聞いて」
ピタリと音が止む。
「あ、あぁ。話ってなんだ?」
凛子は意を決し、深く息を吸い込んだ。
「ねぇ、優ちゃん。私もう優ちゃんの妹でいるの辞めたい」
「どういうことだ?」
「ふふっ、本当に優ちゃんは鈍感なんだねぇ。私、優ちゃんのことがずっと、ずっと好きでした。子供のころからずっと。社会人になって、大人になったら優ちゃんに近づけると思ってた。それで、優ちゃんのお嫁さんになるのが夢だったけど、叶いそうにないから今ここできっぱり私のことを振ってもらえないかな? 優ちゃんはこの中の誰かと結婚しちゃうんだもんね」
凛子の肩が小さく震え始める。こんな風に関係が崩れるなんて思っていなかった。振られることがわかっていても悔しくて、悲しくて堪らえようにも涙が凛子の頬を濡らす。
「へ……?」
ふわりと凛子の小さな身体は暖かな温もりに包み込まれた。凛子のよく知っている温もりだ。
「凛子、なにか勘違いしてないか? いつ、俺が凛子のことを振るって? そんなことある理由ないだろう」
凛子を抱き締める優の力が強まった。
「俺は凛子を女として見てたよ」
「ゆう、ちゃん――っん」
ぐるりと凛子の身が回転し、あっという間に唇に柔らかい感触を感じる。
――優ちゃんとキス、してる?
しっかりと優の腕に抱き寄せられ、凛子の細い腰を優は逃さぬように引き寄せる。
昨日、キスを拒まれたのになんで? どうして? 色々な想いが凛子の頭の中を駆け巡る。けれど優の熱に溶かされて、思考回路がハチミツのようにどろどろと流れ出す。
「っふ……なんで、キス……昨日は避けたくせにっ」
涙で潤い、赤く充血する瞳で優を見る。力の入らない唇から凛子は必死で言葉を発した。
「昨日、凛子からのキスを拒んだのは……我慢できなくなると思ったから。あそこでキスしてたら多分俺は凛子を押し倒してた」
「……へ?」
押し倒す? 聞き間違いだろうか。優が凛子を押し倒すと言ったように聞こえた。凛子はポカーンと魂の抜けたような顔で優を見る。
「凛子」
優の大きな手が凛子の頬を包み込む。その温かさに凛子もハッと我に返った。頬が燃えるように熱い。
「凛子、俺はずっと凛子が俺の事を兄のような存在として慕ってくれてるのかと思ってた。だから兄として振る舞っていたけれど、でも昨日凛子が俺を男として見てくれているって知って嬉しくて直ぐにでもお前を俺のものにしたいって思ったよ」
優の熱い視線が凛子を捉える。ずっとずっと欲しかった熱の篭った視線に身体が焦げそうだ。
「だから、ちゃんと言わせてくれ。凛子、俺はずっと凛子のことを妹だなんて思ってない。俺の可愛くて大事な幼なじみであり、大切な女性ってことを」
「――っ」
なにか言葉にしたいのに、こうも胸が嬉しさでいっぱいになると何も言葉にすることが出来ない。ただただ、優のことを見つめてコクコクと凛子は頷くことしか出来なかった。頷くたびに涙がポロポロと瞳から落ちる。
「凛子、好きだよ。俺と付き合ってくれますか?」
優の瞳はいつも優しい。けれど今はその優しさの奥には鋭さを感じ、射抜かれる。
「優ちゃん……好き。大好きだよぉ~っ」
凛子はぴょんっと優に抱きついた。涙も鼻水も優の高級なスーツにグリグリと押し付けて、凛子は力いっぱい優を抱き締める。
「ははっ、やっとお兄ちゃん卒業だ」
「私も、やっと妹卒業だ」
見つめ合い、ふっと幸せが口元から溢れ出す。優の手が凛子の腰に周り自然と引き寄せられ、唇を重ねた。
嬉しくて、嬉しくて、何度も何度もお互いを求め合うように唇を貪った。ここが社長室だということもすっかり忘れて。
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わわ😭❤️ありがとうございます😭❤️
本当励みになりますー!!😭