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幼馴染からやっと…2
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ワークチェアに座っていた優とばっちり目が合った。いつもの優しい優の瞳じゃない。両腕を組みながら、鋭い眼光で凛子を捉えている。周りの言う冷徹社長モードだ。
「凛子」
強い重低音に導かれて凛子は恐る恐る優に近づく。
「しゃ、社長お呼びですか?」
きゅっとお腹の前で凛子は手を握りしめる。
「どうして今まで黙ってた? 昨日のこと望月から聞いたぞ」
「昨日のこと……?」
麗奈に聞いたということはトイレでの事件のことだろうか。今までなにがあっても優にだけはバレないように過ごしてきたのに。
「きっと凛子が可愛いからその女性社員はやっかみを言ってきたんだろうな。もしまたそういうことがあったら俺に言うんだよ。社内での風紀の乱れは社長の俺の責任でもあるんだから」
優は凛子の元へ近づき、ポンッと頭を撫でた。
「うん。でも本当昨日のはたまたまで大丈夫だから……っ」
ふと凛子の視界に入った山積みの書類。長方形のものや、正方形のものまで無造作に積み上げられている。ドラマとかでよく見たことのある、お見合い写真だ。
「優ちゃん、すごいお見合い写真の数だね」
凛子は思わず口にしていた。
「あ、あぁ。先方から勝手に送られくるんだ。でも、凛子には関係ないことだから」
「そうだよね。関係、ないよね」
ピシャリと一線を引かれた。凛子には関係ない。妹だから?
大きい会社の社長と、平社員。家が隣同士で幼なじみじゃなかったら、きっとお互いの関係性など一ミリのなかっただろう。
どうせ関係ないのならもうきっぱりと振られてしまいたい。
「ねぇ、優ちゃん。優ちゃんのタイプは黒髪の美人さんで清楚な人が好みなんでしょう? この写真の中にいい人はいた?」
凛子はお見合い写真が山積みになっているデスクの前に立つ。ペラっと一枚めくると綺麗な着物に身を包んだ品のある女性が写っていた。
「この人なんて、綺麗だね」
「さぁ、どうかな。見てないからわからない」
「見てみなよ。優ちゃんのタイプの人がいるかもしれないよ」
――いやだ。いないで欲しい。
声が震えそうになるを凛子は必死で奥歯を食いしばって耐えた。今、優の方に振り返ったら溜まった涙がこぼれ落ちてしまいそうだ。
「凛子」
強い重低音に導かれて凛子は恐る恐る優に近づく。
「しゃ、社長お呼びですか?」
きゅっとお腹の前で凛子は手を握りしめる。
「どうして今まで黙ってた? 昨日のこと望月から聞いたぞ」
「昨日のこと……?」
麗奈に聞いたということはトイレでの事件のことだろうか。今までなにがあっても優にだけはバレないように過ごしてきたのに。
「きっと凛子が可愛いからその女性社員はやっかみを言ってきたんだろうな。もしまたそういうことがあったら俺に言うんだよ。社内での風紀の乱れは社長の俺の責任でもあるんだから」
優は凛子の元へ近づき、ポンッと頭を撫でた。
「うん。でも本当昨日のはたまたまで大丈夫だから……っ」
ふと凛子の視界に入った山積みの書類。長方形のものや、正方形のものまで無造作に積み上げられている。ドラマとかでよく見たことのある、お見合い写真だ。
「優ちゃん、すごいお見合い写真の数だね」
凛子は思わず口にしていた。
「あ、あぁ。先方から勝手に送られくるんだ。でも、凛子には関係ないことだから」
「そうだよね。関係、ないよね」
ピシャリと一線を引かれた。凛子には関係ない。妹だから?
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どうせ関係ないのならもうきっぱりと振られてしまいたい。
「ねぇ、優ちゃん。優ちゃんのタイプは黒髪の美人さんで清楚な人が好みなんでしょう? この写真の中にいい人はいた?」
凛子はお見合い写真が山積みになっているデスクの前に立つ。ペラっと一枚めくると綺麗な着物に身を包んだ品のある女性が写っていた。
「この人なんて、綺麗だね」
「さぁ、どうかな。見てないからわからない」
「見てみなよ。優ちゃんのタイプの人がいるかもしれないよ」
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