11 / 88
もう見られてしまった私の神の領域
しおりを挟む
まだ日曜日の午前中だというのに身体が怠い。怠いと言うよりも程よい疲れと言った方がいいのか、隆ちゃんとの痛くて甘く蕩けそうな時間を堪能したその代償の疲れだ。むしろ幸せな怠さだ。
漫画でよくみる処女喪失シーンはそんなに痛く無さそうなのに、膜が破けるって……ゆっくりと私の中に入ってくる隆ちゃんの熱くて大きいモノがギチギチと少しずつ破っていくような痛み。けれど最後の一撃はそれはもう痛くて息をするのも難しかった。それでも痛みより嬉しい感情の方が大きくて二十八歳にして好きな人に処女を貰ってもらうなんて、リアルTL漫画みたいで、感動してしまった。
(こんな事言ったら隆ちゃんドン引きしちゃうだろうな……)
そして、やっぱり血は出ていて、新品のシーツに真っ赤な染みを作ってしまっていた。カンカンに晴れた日を今日ほど良かった~と安堵した日はない。隆ちゃんと急いで手洗いである程度汚れを落とし、洗濯機に入れた。
三十分ほどで洗濯機からシーツを取り出しベランダに干す。引っ越しで一番最初に干した洗濯物が自分の血で汚れたシーツって……なんか笑える。
「初めて干した洗濯物がコレって笑えるな」
隆ちゃんも同じ事を思っていた事に思わず笑いが止まらない。
「隆ちゃんと私同じ事思ってたよ、本当笑えるよね」
二人で笑い合っていると私のお腹がグゥ~と鳴った。ヤバイ! と思いお腹を押さえるがその行動が完全にお腹が鳴ったことを明確にしている事に後で気づいた。
「くくっ、そりゃあんだけ動いたし腹減るよな、っても何にも無いから外で食べて、帰りにスーパー寄ろう」
「そりゃもうペコペコですよ! 早く行こう!」
もう開き直ってお昼ご飯を求めてマンションを出た。車の助手席のドアを開けるとムワッと熱い空気が外へ逃げる。窓を全開にし空気を入れ替え、車がゆっくりと発進する。隆ちゃんの車に乗るのは二回目だ。慣れない彼の横顔は運転中だからか真剣な目つきで前を見ている。(いや、当たり前だよね)
ハンドルを持つ腕が意外と筋肉質で筋張っていて、外仕事とかなのかな? と思ってしまう。そしてその腕が凄く色っぽく見えてしまうのは濃厚な行為の後だからなのか、それとも嫁のエゴだろうか。
(てかなんの仕事してるのかも知らないってヤバイよね……夫婦になるのに)
近くのファミレスでお昼を済ませた。隆ちゃんはハンバーグプレートを頼み、好きなのか聞いてみたら、「子供っぽいよな」と少し照れながら頭を掻く仕草が可愛くて、今度ハンバーグを作ろう、そう思った。勿論クックパッド様に頼ってだが。
会計は隆ちゃんが支払いをしてくれた。
これからは夫婦になるんだからお金関係もしっかり決めないとなぁ、なんて考えていたらいつの間にかスーパーに着いていた。
隆ちゃんがカートを引き、私が隣を歩く。ガラスに写る二人の並んで歩く姿が新婚夫婦みたいでテンションが上がる。(いや、新婚夫婦になるんだけどね)
近所のスーパーは地元野菜なども売っていて種類が豊富だった。何も入っていない空っぽの冷蔵庫に一から材料を揃えるのは大変で、調味料や食材を次から次へとカゴに入れていくとカゴふたつ分の量になった。金額も恐ろしい程の金額で隆ちゃんがピッとクレジットカードで支払ってくれたが本当にお金のことをキチンと決めなくては……
そしてやってしまったー、と後悔したのがレジ袋だ。有料化になった事は分かっていたが普段スーパーに買い物に行く事が無かったのでうっかりしていた。二人ともエコバッグなど持っておらず仕方なく一枚五円のレジ袋を四枚も購入した。
「これからはエコバッグ持って来ないとな」
「だね、私達の生活力のなさが身に染みたよ」
パンパンに買ったものを詰めたレジ袋を三袋も隆ちゃんが持ってくれた。
(やっぱり男の人って頼りになるなぁ……)
後部座席に買った物を置き、マンションに戻る。
エレベーターがついているので本当に良かったと二人で安堵した。この荷物を持って三階まで登る事を考えたら地獄でしかない。
漫画でよくみる処女喪失シーンはそんなに痛く無さそうなのに、膜が破けるって……ゆっくりと私の中に入ってくる隆ちゃんの熱くて大きいモノがギチギチと少しずつ破っていくような痛み。けれど最後の一撃はそれはもう痛くて息をするのも難しかった。それでも痛みより嬉しい感情の方が大きくて二十八歳にして好きな人に処女を貰ってもらうなんて、リアルTL漫画みたいで、感動してしまった。
(こんな事言ったら隆ちゃんドン引きしちゃうだろうな……)
そして、やっぱり血は出ていて、新品のシーツに真っ赤な染みを作ってしまっていた。カンカンに晴れた日を今日ほど良かった~と安堵した日はない。隆ちゃんと急いで手洗いである程度汚れを落とし、洗濯機に入れた。
三十分ほどで洗濯機からシーツを取り出しベランダに干す。引っ越しで一番最初に干した洗濯物が自分の血で汚れたシーツって……なんか笑える。
「初めて干した洗濯物がコレって笑えるな」
隆ちゃんも同じ事を思っていた事に思わず笑いが止まらない。
「隆ちゃんと私同じ事思ってたよ、本当笑えるよね」
二人で笑い合っていると私のお腹がグゥ~と鳴った。ヤバイ! と思いお腹を押さえるがその行動が完全にお腹が鳴ったことを明確にしている事に後で気づいた。
「くくっ、そりゃあんだけ動いたし腹減るよな、っても何にも無いから外で食べて、帰りにスーパー寄ろう」
「そりゃもうペコペコですよ! 早く行こう!」
もう開き直ってお昼ご飯を求めてマンションを出た。車の助手席のドアを開けるとムワッと熱い空気が外へ逃げる。窓を全開にし空気を入れ替え、車がゆっくりと発進する。隆ちゃんの車に乗るのは二回目だ。慣れない彼の横顔は運転中だからか真剣な目つきで前を見ている。(いや、当たり前だよね)
ハンドルを持つ腕が意外と筋肉質で筋張っていて、外仕事とかなのかな? と思ってしまう。そしてその腕が凄く色っぽく見えてしまうのは濃厚な行為の後だからなのか、それとも嫁のエゴだろうか。
(てかなんの仕事してるのかも知らないってヤバイよね……夫婦になるのに)
近くのファミレスでお昼を済ませた。隆ちゃんはハンバーグプレートを頼み、好きなのか聞いてみたら、「子供っぽいよな」と少し照れながら頭を掻く仕草が可愛くて、今度ハンバーグを作ろう、そう思った。勿論クックパッド様に頼ってだが。
会計は隆ちゃんが支払いをしてくれた。
これからは夫婦になるんだからお金関係もしっかり決めないとなぁ、なんて考えていたらいつの間にかスーパーに着いていた。
隆ちゃんがカートを引き、私が隣を歩く。ガラスに写る二人の並んで歩く姿が新婚夫婦みたいでテンションが上がる。(いや、新婚夫婦になるんだけどね)
近所のスーパーは地元野菜なども売っていて種類が豊富だった。何も入っていない空っぽの冷蔵庫に一から材料を揃えるのは大変で、調味料や食材を次から次へとカゴに入れていくとカゴふたつ分の量になった。金額も恐ろしい程の金額で隆ちゃんがピッとクレジットカードで支払ってくれたが本当にお金のことをキチンと決めなくては……
そしてやってしまったー、と後悔したのがレジ袋だ。有料化になった事は分かっていたが普段スーパーに買い物に行く事が無かったのでうっかりしていた。二人ともエコバッグなど持っておらず仕方なく一枚五円のレジ袋を四枚も購入した。
「これからはエコバッグ持って来ないとな」
「だね、私達の生活力のなさが身に染みたよ」
パンパンに買ったものを詰めたレジ袋を三袋も隆ちゃんが持ってくれた。
(やっぱり男の人って頼りになるなぁ……)
後部座席に買った物を置き、マンションに戻る。
エレベーターがついているので本当に良かったと二人で安堵した。この荷物を持って三階まで登る事を考えたら地獄でしかない。
12
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説

マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる