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第79話 〜これデートにカウントしていい?〜
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日もとっぷり暮れたんで、俺は松田との待ち合わせついでに金子さん母子を自宅まで送り届ける事にした。言い訳がましい言葉になっとるけど、ホンマならこっちをメインにしたいくらいや。
「今日は楽しかった、忙しい時にお訪ねしてゴメンね」
「いえ全然、むしろこき使う様な事になってこちらこそすみません」
「平気よ、実家の事を思ったら和気あいあいとしとって楽しかったよ。侑斗もコダマさんと仲良うなれたしね」
うん!侑斗は俺らを見上げてええ返事をしてきた。そう言やあんの偏屈男を恰好の遊び相手にしとったもんな、こっちもまた神業や。
「なぁてっぺいちゃん」
「ん~?」
「こんどウチにもあそびにきてや」
えっ?ええのん?女性と子供が暮らしとるお家におっさん呼んでええの?
「コラ侑斗、有岡君困ってらっしゃるやないの」
「ええやんええやん、だって“おともだち”なんやもん」
あぁせや、俺ら“おともだち”認定してもろてるやん。ならお互いの家を行き来するんは自然の流れか。けど男女間のそれってどうなんかな?大学時代にも女友達くらいはおったけど、その子の家を訪ねるにしても集団でやったような気が……。
「イヤなん?てっぺいちゃん」
「いやそういう事やないよ、ただ何と言うか……」
こういう時の上手い言い訳ってどうしたらええの?七年年頃の女性と縁遠かった俺にそんなスキル備わってないわ。
「そっかぁ、“おとなのじじょう”いうもんがあるもんね。せやったらボクとおあそびするいうていにしといたらええねん」
『てい』て侑斗……俺は何もかも見透かされとる様な気がしてちょっと恥ずかしくなってくる。金子さんもマセた事言うてと慌ててらしてる。
「それやったらええやろ?てっぺいちゃん」
「おっおぉ……」
俺四歳の子に完全に言いくるめられとるわ。
「ほなきまりぃ~、よかったねおかあちゃん♪」
「えっ!?」
「だってきょうかておせちつくりながら『おくちにあうやろかぁ?』ってぶつぶついいながら……」
「侑斗っ、ちょっと待って!」
金子さんはさっきよりも慌てた表情を見せ、その場にしゃがんで侑斗の口を塞いだ。
「それ以上の事言うたらあかんよ、分かった?」
口を塞がれた侑斗は、金子さんを横目で見ながらうんうんと頷いとる。それで彼女は手を離し、ほぅと大きく息を吐いてから立ち上がった。
「ごめんなさい、お見苦しいところをお見せして……」
金子さんはちょっと頬を赤らめながら俯き加減で俺に謝ってきた。俺にはその表情が何とも言えず可愛く見えてドキッとする。これひょっとしてフラグ立ってもた?風邪でもないのに体熱うなってくるし口元若干緩んできてる気がするし……あ~ヤバい、今の俺ちょっとヤバい。
「いえいえそんな……」
……あかん何か照れ臭なってった。
「今日は楽しかった、忙しい時にお訪ねしてゴメンね」
「いえ全然、むしろこき使う様な事になってこちらこそすみません」
「平気よ、実家の事を思ったら和気あいあいとしとって楽しかったよ。侑斗もコダマさんと仲良うなれたしね」
うん!侑斗は俺らを見上げてええ返事をしてきた。そう言やあんの偏屈男を恰好の遊び相手にしとったもんな、こっちもまた神業や。
「なぁてっぺいちゃん」
「ん~?」
「こんどウチにもあそびにきてや」
えっ?ええのん?女性と子供が暮らしとるお家におっさん呼んでええの?
「コラ侑斗、有岡君困ってらっしゃるやないの」
「ええやんええやん、だって“おともだち”なんやもん」
あぁせや、俺ら“おともだち”認定してもろてるやん。ならお互いの家を行き来するんは自然の流れか。けど男女間のそれってどうなんかな?大学時代にも女友達くらいはおったけど、その子の家を訪ねるにしても集団でやったような気が……。
「イヤなん?てっぺいちゃん」
「いやそういう事やないよ、ただ何と言うか……」
こういう時の上手い言い訳ってどうしたらええの?七年年頃の女性と縁遠かった俺にそんなスキル備わってないわ。
「そっかぁ、“おとなのじじょう”いうもんがあるもんね。せやったらボクとおあそびするいうていにしといたらええねん」
『てい』て侑斗……俺は何もかも見透かされとる様な気がしてちょっと恥ずかしくなってくる。金子さんもマセた事言うてと慌ててらしてる。
「それやったらええやろ?てっぺいちゃん」
「おっおぉ……」
俺四歳の子に完全に言いくるめられとるわ。
「ほなきまりぃ~、よかったねおかあちゃん♪」
「えっ!?」
「だってきょうかておせちつくりながら『おくちにあうやろかぁ?』ってぶつぶついいながら……」
「侑斗っ、ちょっと待って!」
金子さんはさっきよりも慌てた表情を見せ、その場にしゃがんで侑斗の口を塞いだ。
「それ以上の事言うたらあかんよ、分かった?」
口を塞がれた侑斗は、金子さんを横目で見ながらうんうんと頷いとる。それで彼女は手を離し、ほぅと大きく息を吐いてから立ち上がった。
「ごめんなさい、お見苦しいところをお見せして……」
金子さんはちょっと頬を赤らめながら俯き加減で俺に謝ってきた。俺にはその表情が何とも言えず可愛く見えてドキッとする。これひょっとしてフラグ立ってもた?風邪でもないのに体熱うなってくるし口元若干緩んできてる気がするし……あ~ヤバい、今の俺ちょっとヤバい。
「いえいえそんな……」
……あかん何か照れ臭なってった。
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