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第63話 〜KYにも程がある〜
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「おばちゃん、ちょっとええか?」
昨日に引き続き最悪なタイミングで男女二人組が現れとった。恐らく二階の俺の部屋に勝手に入りやがったあの人が、これまた勝手に窓の鍵を開けてサキちゃんを中に入れたいう事やな。
「ええ訳ないやろあほんだらが」
おかんは立ち上がりもせんとKY二人組を腕組みして睨み付けとる。コダマは盛大なため息を一つ、片平さんは現状が把握出来ず戸惑うてらっしゃる。
「片平、もう帰ってくれ」
この人何言うてますの?今日は立派なお客人やで。
「いえ俺まだ片平さんに用があるんです」
「てっぺ、何でお前がこの男に用があるんや?」
いやそれ昨日仲良うしとった相手に対する言葉か?
「帰るんはその子や、何断りも無う家に上げてますのや」
「けど謝るチャンスも与えんなんて可哀想やろ?」
可哀想なんは毎日毎日自分家の空気荒らされとるおかんや。
「俺のプライバシーは無視ですか?」
「お前の私物には触っとらんよ」
そういう事言うてるんやない。
「テリトリーを侵すな言うてるんです」
もう嫌やこんな不毛な会話……俺泣きたなってった。
「女優かぶれの小芝居で許しを請えるほど甘いものではないのだが」
コダマは目を瞑って眉間にしわを寄せとる。これ結構なマジギレモードや、こんな顔俺には確実に向けた事が無い。
「せやからちゃんと謝りとうて」
サキちゃんは真面目に言うとるんか女優仕様なんか分からんがしおっとした態度で俺の前に立つ。
「いえ結構です、帰ってください」
「許してくれんのてっぺ?」
いや許した訳やない、空気読め言うとんのや。
「やっぱてっぺは話が分かる」
あんたらの話なんぞさっぱり分からん。けどそれをいちいち正していくんも何か阿呆らしなってった。
「馬鹿かお前ら、開いた口が塞がらぬわ」
コダマはさっきまで瞑っとった目をカッと見開きKY二人組を睨み付けた。
「して何を謝るガサツよ」
「コダマ、サキはガサツやない」
サキちゃんを庇うあの人を一瞥するコダマ。
「ほお、毎日の様に他所の家にずかずかと上がり込んでトラブルを起こす奴などガサツで充分。陣殿には聞いておらぬ」
「何やお前!陣ちゃんに謝れ!」
「所詮はその程度、大方陣殿に説き伏せられておるだけであろう」
せや、サキちゃんは基本ワガママなお姫様気質なんやけど肝心なとこで他人に決断を委ねる事がある。それで思い通りにならんかったら烈火の如く怒り狂って相手を完膚無きまでに罵り潰してまう。
「サキは俺の話をちゃんと聞いて納得してくれとる」
「それはどうだかな、自身で考えた上での反省には見えぬのだが」
「サキは一直線なところがあるんや」
一直線やない、ただのごじゃや。
「お主に言われてはいそうですね、その程度ではないのか?」
「お前人を馬鹿にするんも大概にせぇ!」
さっきからがなっとるばっかりのサキちゃんに俺は嫌気が差してきた。
「では最初の質問に戻ろう。ガサツはてっぺに何を謝る?」
昨日に引き続き最悪なタイミングで男女二人組が現れとった。恐らく二階の俺の部屋に勝手に入りやがったあの人が、これまた勝手に窓の鍵を開けてサキちゃんを中に入れたいう事やな。
「ええ訳ないやろあほんだらが」
おかんは立ち上がりもせんとKY二人組を腕組みして睨み付けとる。コダマは盛大なため息を一つ、片平さんは現状が把握出来ず戸惑うてらっしゃる。
「片平、もう帰ってくれ」
この人何言うてますの?今日は立派なお客人やで。
「いえ俺まだ片平さんに用があるんです」
「てっぺ、何でお前がこの男に用があるんや?」
いやそれ昨日仲良うしとった相手に対する言葉か?
「帰るんはその子や、何断りも無う家に上げてますのや」
「けど謝るチャンスも与えんなんて可哀想やろ?」
可哀想なんは毎日毎日自分家の空気荒らされとるおかんや。
「俺のプライバシーは無視ですか?」
「お前の私物には触っとらんよ」
そういう事言うてるんやない。
「テリトリーを侵すな言うてるんです」
もう嫌やこんな不毛な会話……俺泣きたなってった。
「女優かぶれの小芝居で許しを請えるほど甘いものではないのだが」
コダマは目を瞑って眉間にしわを寄せとる。これ結構なマジギレモードや、こんな顔俺には確実に向けた事が無い。
「せやからちゃんと謝りとうて」
サキちゃんは真面目に言うとるんか女優仕様なんか分からんがしおっとした態度で俺の前に立つ。
「いえ結構です、帰ってください」
「許してくれんのてっぺ?」
いや許した訳やない、空気読め言うとんのや。
「やっぱてっぺは話が分かる」
あんたらの話なんぞさっぱり分からん。けどそれをいちいち正していくんも何か阿呆らしなってった。
「馬鹿かお前ら、開いた口が塞がらぬわ」
コダマはさっきまで瞑っとった目をカッと見開きKY二人組を睨み付けた。
「して何を謝るガサツよ」
「コダマ、サキはガサツやない」
サキちゃんを庇うあの人を一瞥するコダマ。
「ほお、毎日の様に他所の家にずかずかと上がり込んでトラブルを起こす奴などガサツで充分。陣殿には聞いておらぬ」
「何やお前!陣ちゃんに謝れ!」
「所詮はその程度、大方陣殿に説き伏せられておるだけであろう」
せや、サキちゃんは基本ワガママなお姫様気質なんやけど肝心なとこで他人に決断を委ねる事がある。それで思い通りにならんかったら烈火の如く怒り狂って相手を完膚無きまでに罵り潰してまう。
「サキは俺の話をちゃんと聞いて納得してくれとる」
「それはどうだかな、自身で考えた上での反省には見えぬのだが」
「サキは一直線なところがあるんや」
一直線やない、ただのごじゃや。
「お主に言われてはいそうですね、その程度ではないのか?」
「お前人を馬鹿にするんも大概にせぇ!」
さっきからがなっとるばっかりのサキちゃんに俺は嫌気が差してきた。
「では最初の質問に戻ろう。ガサツはてっぺに何を謝る?」
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