116 / 131
第114話 〜舞花のときめき〜
しおりを挟む
久し振りにインフルエンザになんかなってしまった……本当なら侑斗かて徹平君と一緒に遊びたかったと思うけど、私のせいで外に出るんもためらわれて寂しい思いをさせてしもうとった。
土曜日の昼、毎週のように彼と公園で遊んどったから、『きょうはおそとにでられへん』って言うてる声が寂しそうに聞こえた。けどそれで電話は終わらんかって、途中から侑斗の口調が明るうなってきた。
会話そのものはほとんど聞こえんかったけど、通話状態のままのケータイを返しに来た時の侑斗は何か楽しそうにしとった。その後部屋に入って何かごそごそとし始めとる。
『舞花さん、インフルエンザやって?』
と聞こえてきたんは徹平君のお母さんである妙子さんの声。私は声が出せんなりに返事すると、侑斗を有岡家で預かって小間使いとして徹平君を貸し出すいう申し出やった。
「えっ……?」
そりゃあ侑斗にインフルエンザ移さんで済むし、彼と過ごせる時間が持てるなんて私にとっては一石二鳥の話やけど……徹平君はええんかな?侑斗と遊びたいのに看病なんかさしてええんかな?
『病床で一人いうんも寂しいでっしゃろ?あんたら二人歳も近いし話し相手くらいにはなる思うで。それに手前味噌やけどあれで結構気ぃ利く子よって、遠慮無うこき使うたって』
「でも有岡君のご都合は……?」
『大丈夫や、休みのたんび暇そうにしとってや』
「そ、そうですか……侑斗の事は本当に助かります。ではお言葉に甘えて」
それで話がまとまってしもうたけど、只でさえ今熱っぽいのに更に上乗せで変な緊張をしてしまい余計熱が出そうやわ。
「おかあちゃん、げつようまでゆっくりしいな。ボクたえこおばちゃんとダマちゃんとなかようしてくるから」
「うん、お二人の言うことちゃんと聞いてええ子にするんやで」
「はぁーい!おかあちゃんもてっぺいちゃんとなかようするんやで」
「えっ!?」
んもう、この子ったらマセた事を。
「おへんじは?おかあちゃん」
……何か完全に立場が逆転してる、ひょっとして気持ちバレてしもうとるんかな?
「……はい」
その返事に侑斗は満面の笑みを浮かべ、有岡母子が訪ねてくるんを今や遅しと待ち構えとった。
土曜日の昼、毎週のように彼と公園で遊んどったから、『きょうはおそとにでられへん』って言うてる声が寂しそうに聞こえた。けどそれで電話は終わらんかって、途中から侑斗の口調が明るうなってきた。
会話そのものはほとんど聞こえんかったけど、通話状態のままのケータイを返しに来た時の侑斗は何か楽しそうにしとった。その後部屋に入って何かごそごそとし始めとる。
『舞花さん、インフルエンザやって?』
と聞こえてきたんは徹平君のお母さんである妙子さんの声。私は声が出せんなりに返事すると、侑斗を有岡家で預かって小間使いとして徹平君を貸し出すいう申し出やった。
「えっ……?」
そりゃあ侑斗にインフルエンザ移さんで済むし、彼と過ごせる時間が持てるなんて私にとっては一石二鳥の話やけど……徹平君はええんかな?侑斗と遊びたいのに看病なんかさしてええんかな?
『病床で一人いうんも寂しいでっしゃろ?あんたら二人歳も近いし話し相手くらいにはなる思うで。それに手前味噌やけどあれで結構気ぃ利く子よって、遠慮無うこき使うたって』
「でも有岡君のご都合は……?」
『大丈夫や、休みのたんび暇そうにしとってや』
「そ、そうですか……侑斗の事は本当に助かります。ではお言葉に甘えて」
それで話がまとまってしもうたけど、只でさえ今熱っぽいのに更に上乗せで変な緊張をしてしまい余計熱が出そうやわ。
「おかあちゃん、げつようまでゆっくりしいな。ボクたえこおばちゃんとダマちゃんとなかようしてくるから」
「うん、お二人の言うことちゃんと聞いてええ子にするんやで」
「はぁーい!おかあちゃんもてっぺいちゃんとなかようするんやで」
「えっ!?」
んもう、この子ったらマセた事を。
「おへんじは?おかあちゃん」
……何か完全に立場が逆転してる、ひょっとして気持ちバレてしもうとるんかな?
「……はい」
その返事に侑斗は満面の笑みを浮かべ、有岡母子が訪ねてくるんを今や遅しと待ち構えとった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる