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終章 選ばれた未来
知性を与えられた猫たちは何を見る? 第40話
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インプレックス社を調べるとは言っても、今回のように簡単に乗り込むわけにはいかない。どうしたらいいものか・・・・。
沈黙が続いた。
行きの車内での言い争いが尾を引いて、まだ少し気まずい雰囲気である。
私はそれをかき消そうとラジオをつけると、ニュースを知らせる男性のアナウンサーの声が流れた。
「戦争の終結とともに、世界中で犯罪率の低下も見られます。犯罪心理学の専門家の間では、戦争が引き起こしていた不安が解消されたことにより・・・」
「最近、こんなのばっかだな」
三木が何か面白くなさそうな口調で言う。
「いいことじゃない?戦争が無くなって、これからは戦争に費やした予算も教育や科学技術に回ってくるようになるわよ?」
「なんだかすべて、スムーズすぎやしないか?」
三木が妙に反応したのは、普段から思っていたことだったからだろう。
「あなたが疑うのも無理ないけど、でもようやく平和が訪れたことは喜ぶべきよ。きっとベルリンの壁が崩壊した時、あの国の人々もこんな気持ちだったのかもしれないわね。人類は学習して平和を勝ち取った、これは感動的なことだと思うけど?」
たしなめるように言った私に三木は反論する。
「けど、街中の人の顔を見ろよ。まるで、平和ボケした柵の中の羊だ。みんなスマホのAIに頼って、あれを衆愚と言わずに何て言うんだ?」
「でもAIデバイスのおかげで私達の生活は確実に効率的になっているし、その便利さや有効性は、私や、特に三木のようにロボット開発している人間は最もよく知るところなんじゃないの?」
「だからこそよ。よく知っているからこそ言えるんだ。」
少しの間、私は黙る。三木と同じ意見は他にも聞いたことがある。けれども、行きついた平和の先はこんなものなのではないだろうか?日々、安全な中で粛々と生活していく、それに勝るものは無いのではないか?
その時、キキーッ!!
私は慌ててブレーキを踏んだ。老人がフラフラと道路に飛び出しそうになったのだ。
私は車のドアを開け、外に出た。
「大丈夫ですか?!」
「いえ、こちらこそ、ごめんなさい。おじいさん!気を付けないと!・・・ごめんなさいね、ちょっとボケちゃって、少し目を離すとどこへ行くやら・・・」
連れの女性がそう言って頭を下げた。
何事もなかったのを確認し、ホッと車内へ戻る。
「何だって?」
「痴呆症のおじいさんみたい。ご家族がちょっと目を離したすきに飛び出したようね」
私がシートベルトを締めて再び車を走らせようとしたとき、三木が
「チッ、こういうのを老害っていうんだ。こういうのが事故を起こして迷惑をかけるんだ。」
と舌打ちするのを聞いた。
「三木!?」
驚いて彼の名を呼ぶ私に三木は
「ああ、・・悪い」
彼はそう言って、窓の外に目を向けた。
沈黙が続いた。
行きの車内での言い争いが尾を引いて、まだ少し気まずい雰囲気である。
私はそれをかき消そうとラジオをつけると、ニュースを知らせる男性のアナウンサーの声が流れた。
「戦争の終結とともに、世界中で犯罪率の低下も見られます。犯罪心理学の専門家の間では、戦争が引き起こしていた不安が解消されたことにより・・・」
「最近、こんなのばっかだな」
三木が何か面白くなさそうな口調で言う。
「いいことじゃない?戦争が無くなって、これからは戦争に費やした予算も教育や科学技術に回ってくるようになるわよ?」
「なんだかすべて、スムーズすぎやしないか?」
三木が妙に反応したのは、普段から思っていたことだったからだろう。
「あなたが疑うのも無理ないけど、でもようやく平和が訪れたことは喜ぶべきよ。きっとベルリンの壁が崩壊した時、あの国の人々もこんな気持ちだったのかもしれないわね。人類は学習して平和を勝ち取った、これは感動的なことだと思うけど?」
たしなめるように言った私に三木は反論する。
「けど、街中の人の顔を見ろよ。まるで、平和ボケした柵の中の羊だ。みんなスマホのAIに頼って、あれを衆愚と言わずに何て言うんだ?」
「でもAIデバイスのおかげで私達の生活は確実に効率的になっているし、その便利さや有効性は、私や、特に三木のようにロボット開発している人間は最もよく知るところなんじゃないの?」
「だからこそよ。よく知っているからこそ言えるんだ。」
少しの間、私は黙る。三木と同じ意見は他にも聞いたことがある。けれども、行きついた平和の先はこんなものなのではないだろうか?日々、安全な中で粛々と生活していく、それに勝るものは無いのではないか?
その時、キキーッ!!
私は慌ててブレーキを踏んだ。老人がフラフラと道路に飛び出しそうになったのだ。
私は車のドアを開け、外に出た。
「大丈夫ですか?!」
「いえ、こちらこそ、ごめんなさい。おじいさん!気を付けないと!・・・ごめんなさいね、ちょっとボケちゃって、少し目を離すとどこへ行くやら・・・」
連れの女性がそう言って頭を下げた。
何事もなかったのを確認し、ホッと車内へ戻る。
「何だって?」
「痴呆症のおじいさんみたい。ご家族がちょっと目を離したすきに飛び出したようね」
私がシートベルトを締めて再び車を走らせようとしたとき、三木が
「チッ、こういうのを老害っていうんだ。こういうのが事故を起こして迷惑をかけるんだ。」
と舌打ちするのを聞いた。
「三木!?」
驚いて彼の名を呼ぶ私に三木は
「ああ、・・悪い」
彼はそう言って、窓の外に目を向けた。
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