知性を与えられた猫たちは何を見る?

ChamalSei

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終章 選ばれた未来

知性を与えられた猫たちは何を見る? 第39話

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第3旭丘火力発電所に着いた私達は、営業らしい様相でにこやかにお辞儀して受付に進む。

「お忙しいところ、申し訳ございません。私、コーヒーサーバーを取り扱ってる会社の者ですが、ちょっとお話させてもらえませんかねー。」

三木が似合わぬ笑顔で受付の女性に話しかける。

「従業員の皆さんが、休憩室で使えるこれなんですけど・・ご担当者様にお取次ぎいただきたいんですが・・・」

三木が鞄からパンフレットを見せながら言うと奥から別の男性が言う。

「なら、まずは総務部に話するといいよ。そこのロビーでちょっと待っててー、今呼んであげるから。」
私達がロビーで待っていると50代くらいの小太りの男性が現れた。
私達が彼と挨拶を交わし、しばらく話をした後、三木が言う。

「そういえば、この会社に、中野って人、いませんかね?」

「中野?ああ、セキュリティ部門の課長ね。何?知り合いなの?」

「ええ、大学の時の同期です。へえ、彼、課長なんだ。いいなぁ、こんな大企業の課長なんてー」

「そうですか、中野君の知り合い。彼、今、いるんじゃないかな、呼んでこようか?」

「ええ、お願いします」

横で聞いてた私はびっくりしてドギマギした。一方、隣で三木は顔色ひとつ変えず、飄々と落ち着いた様子である。

しばらくして現れた中野は30代半ばくらい。三木と同期という設定の割にはやや老けている。私はますますハラハラして状況を見守った。

「いやあ、中野くん、久しぶりー」

「あ、えーと・・・」

「俺、俺だよ。三木だよ。覚えてないかなあ?まあ、俺は授業もサボってばかりだったし、無理もないかー。」

そう言って、三木は今どこに住んでるだの、結婚したのかだの、そんなたわいもない話を続けた。中野は何とか三木のことを思い出そうとしながら、話を合わせている。
「ところでさぁ、今、俺の会社、ロボットも売ってるのよ。でも俺、全然わかんなくて、中野君、セキュリティ部門なら、そういうの詳しいんじゃない?ちょうど良かったわ。ちょっとだけ教えてよ」

「ロボット?コーヒーサーバーの会社が?」

中野は少し怪訝な顔で三木を見返した。

「あ、ああ。コーヒーサーバーの会社って言っても、同じグループ会社がいくつかあるんよ。その中のロボットの会社からもうちの営業にパンフレットとか届いてさ・・」

「ふぅん・・・。そんなこともあるのか。ロボットね、最近はどこでも使われるようになってきたけど、うちでも最近導入したよ。インプレックス社ってとこから」

「それは、やっぱり、セキュリティロボットなの?」

「うん。こういう施設はいろいろ想定しないといけないから・・・」

「それって、例えば、どういうのを想定するわけ?やっぱりテロとか?」

「うん、そうだね。」

「何台くらい導入したんだい?」

三木はそんな調子で台数やどこに配置しているか、ロボットの形、仕組みなどを聞き出した。

「で、メンテナンスなんかも定期的にあるわけ?」

「うん、でも通常は1台ずつやることになっている。まとめてやると、その間、警備が手薄になっちゃうからね。あ、でも今月は大型のアップデートがあるってことで、数人で夜間にまとめてやるんだけどね。」

三木はその話を聞き逃さなかった。

「そういうのは、普段、あることなのかい?」

「いや、今回だけ特別さ。」

「やっぱり、そういうのは、土曜とか日曜とかにやるんだよね?」

「いや、17日だったから・・・、水曜か。別に土日は関係ないよ。発電所だからね」
帰りの車の中、私達は聞き出したことを整理していた。

「おそらく17日、この日に何かをしようとしている」

「そうね。でも別の可能性もある。インプレックス社についても調べる必要があるわね」
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