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第1章
第48話 遠距離攻撃はズルい。
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弓を構えた小鬼射手達は、地面に伏せている俺を見て、かすかに笑ったように見えた。
距離にして15mもない…奴らの持っている小型の弓でも、この距離なら十分に射程範囲内だろう…
避けられるの…か…?
何か…
『蔦玉を!』
ナビさんの声で、俺は慌てながらも急いでストレージリングを操作する。
GIGYAAAAA!!!
痩身鬼が声を上げるのとほぼ同時に、残っていた蔦玉を取り出すことが出来た。
ザン!ズカッ!ズド!ドスッ!
「ぐが!」
殆どの矢を受けきることができたが、残っていた蔦玉は、自分の身長くらいしかないものだったので、全ての矢を防ぐ事が出来なかった…
最後の1本が、蔦玉の端を抜けて、俺の右肩を切り裂いていく。
焼けるような痛みに、俺は尻餅をついてしまった。
「クソ!ナビさん!指示を!!」
GIGYAAAAA!!!
『指示提示。2歩後退。テーブルを正面に出し、壁にして下さい。』
ナビさんの指示通りに倒れたまま少し後ろに下がり、ストレージリングからリビングテーブルを出して地面に立てる。
ガン!ドン!ドン!ザン!
先程と違う角度で矢が飛んできて、立てたテーブルに突き刺さった。
ギリギリ…
『次弾きます!下がって下さい!』
ホッとする間も無く、ナビさんから警告を受け、急いで体を後ろに下げる。
ジュッ!バン!ドスッ!ザス!
矢の飛んで来る向きが、さっきよりも更に左右に広がり、テーブルのカバー範囲外から、さっきまでいた所に矢が突き立って…
『テーブルを追加、左右に壁を作って下さい!』
考える時間はない。ストレージリングを急いで操作し、ダイニングテーブルを取り出して右側…
ガン!ドスッ!ビュッ!シュドッ!
「が…!っらー!!」
1本が左腕に命中。激しい痛みに体が硬直してしまう。
まるで、焼けた鉄の棒でも押し当てられたような最悪な感じだ…
それでも、これ以上攻撃を受けるわけには行かない…
気合で体を動かし、先に出していたテーブルを自分の左側に引き倒す。
安全地帯で一息つけるかと思ったが、そうもいかない…
ガン!ドン!と一定の間隔で矢が飛んで来て、その度にテーブルの後ろで身を縮ませることになってしまった。
GIGYAAAAA!!!
KIRRRRRR…
GUGAAAAAA!!!
WOOOOOOO!!!
声の感じからすると、さっきの痩身鬼だろうか…1体の魔物が吠えると、他の魔物が呼応して移動し始めたような振動が伝わって来た。
「ナビさん!どうなってる!?」
『情報提示。乗獣小鬼と疾風蟷螂が左右に展開、村の方に進んで行きます。』
俺からの反撃がないことで、村に向けての進行を再開できると思ったんだろう。
しかし、そちらは放置しても対処済みだから問題ない…はずだ。
問題は…他の魔物に指示を出している痩身鬼達と、遠距離から攻撃できる小鬼射手達だ…
立ち位置的にも、痩身鬼達がリーダー格…今回の元凶がこいつなのは間違いないだろうが、今も続いている遠距離からの攻撃…小鬼射手がいる限り、ここから顔を出すことすら出来ない…
「ナビさん、次は!?」
『情報提示。そのまま動かず、生体魔素転換路の活性化を待って下さい。』
ナビさんは状況が落ち着いたことで、音声速度が元に戻った。
飛んで来る矢の数は変わらないが、今のところ机を貫通するようなことはなく、なんとか追加の被弾は防げている…
しかし、魔法がまだ撃てないのは辛いところだ…
「あークソ!った!!!ナビさん!この矢どうしたらいいんだよ!?」
腕に刺さった矢が、少しのことで腕の中を動き、その度に鋭い痛みと熱さを追加して来る…
痛みで大声を出すと、それすら痛い…
『行動指示。失血の恐れがあるため、そのままにしておいて下さい。』
「く…この痛みを我慢しろってことかよ…それで、いつになったら魔法が使えるんだ…?」
『情報提示。使用推奨魔法、砂礫旋風の使用まで、15分。毒液の檻の使用まで、5分です。』
おそらく、ナビさんは複数を巻き込める魔法を推奨してくれているんだろうが…
どちらも随分時間が…
GOGA!
GAGYA!
ナビさんと話していると、村の方から魔物の叫び声が聞こえてきた。
それと同時に、今まで飛んできていた矢も止まる…
ーーーー
作者です。
まだもう少し、戦い?は続きます。
感想その他、お時間あれば是非。
距離にして15mもない…奴らの持っている小型の弓でも、この距離なら十分に射程範囲内だろう…
避けられるの…か…?
何か…
『蔦玉を!』
ナビさんの声で、俺は慌てながらも急いでストレージリングを操作する。
GIGYAAAAA!!!
痩身鬼が声を上げるのとほぼ同時に、残っていた蔦玉を取り出すことが出来た。
ザン!ズカッ!ズド!ドスッ!
「ぐが!」
殆どの矢を受けきることができたが、残っていた蔦玉は、自分の身長くらいしかないものだったので、全ての矢を防ぐ事が出来なかった…
最後の1本が、蔦玉の端を抜けて、俺の右肩を切り裂いていく。
焼けるような痛みに、俺は尻餅をついてしまった。
「クソ!ナビさん!指示を!!」
GIGYAAAAA!!!
『指示提示。2歩後退。テーブルを正面に出し、壁にして下さい。』
ナビさんの指示通りに倒れたまま少し後ろに下がり、ストレージリングからリビングテーブルを出して地面に立てる。
ガン!ドン!ドン!ザン!
先程と違う角度で矢が飛んできて、立てたテーブルに突き刺さった。
ギリギリ…
『次弾きます!下がって下さい!』
ホッとする間も無く、ナビさんから警告を受け、急いで体を後ろに下げる。
ジュッ!バン!ドスッ!ザス!
矢の飛んで来る向きが、さっきよりも更に左右に広がり、テーブルのカバー範囲外から、さっきまでいた所に矢が突き立って…
『テーブルを追加、左右に壁を作って下さい!』
考える時間はない。ストレージリングを急いで操作し、ダイニングテーブルを取り出して右側…
ガン!ドスッ!ビュッ!シュドッ!
「が…!っらー!!」
1本が左腕に命中。激しい痛みに体が硬直してしまう。
まるで、焼けた鉄の棒でも押し当てられたような最悪な感じだ…
それでも、これ以上攻撃を受けるわけには行かない…
気合で体を動かし、先に出していたテーブルを自分の左側に引き倒す。
安全地帯で一息つけるかと思ったが、そうもいかない…
ガン!ドン!と一定の間隔で矢が飛んで来て、その度にテーブルの後ろで身を縮ませることになってしまった。
GIGYAAAAA!!!
KIRRRRRR…
GUGAAAAAA!!!
WOOOOOOO!!!
声の感じからすると、さっきの痩身鬼だろうか…1体の魔物が吠えると、他の魔物が呼応して移動し始めたような振動が伝わって来た。
「ナビさん!どうなってる!?」
『情報提示。乗獣小鬼と疾風蟷螂が左右に展開、村の方に進んで行きます。』
俺からの反撃がないことで、村に向けての進行を再開できると思ったんだろう。
しかし、そちらは放置しても対処済みだから問題ない…はずだ。
問題は…他の魔物に指示を出している痩身鬼達と、遠距離から攻撃できる小鬼射手達だ…
立ち位置的にも、痩身鬼達がリーダー格…今回の元凶がこいつなのは間違いないだろうが、今も続いている遠距離からの攻撃…小鬼射手がいる限り、ここから顔を出すことすら出来ない…
「ナビさん、次は!?」
『情報提示。そのまま動かず、生体魔素転換路の活性化を待って下さい。』
ナビさんは状況が落ち着いたことで、音声速度が元に戻った。
飛んで来る矢の数は変わらないが、今のところ机を貫通するようなことはなく、なんとか追加の被弾は防げている…
しかし、魔法がまだ撃てないのは辛いところだ…
「あークソ!った!!!ナビさん!この矢どうしたらいいんだよ!?」
腕に刺さった矢が、少しのことで腕の中を動き、その度に鋭い痛みと熱さを追加して来る…
痛みで大声を出すと、それすら痛い…
『行動指示。失血の恐れがあるため、そのままにしておいて下さい。』
「く…この痛みを我慢しろってことかよ…それで、いつになったら魔法が使えるんだ…?」
『情報提示。使用推奨魔法、砂礫旋風の使用まで、15分。毒液の檻の使用まで、5分です。』
おそらく、ナビさんは複数を巻き込める魔法を推奨してくれているんだろうが…
どちらも随分時間が…
GOGA!
GAGYA!
ナビさんと話していると、村の方から魔物の叫び声が聞こえてきた。
それと同時に、今まで飛んできていた矢も止まる…
ーーーー
作者です。
まだもう少し、戦い?は続きます。
感想その他、お時間あれば是非。
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