28 / 95
魔界<魔族街>
キフロ・アジェシス
しおりを挟む
魔城の財政は、安定している。
宝物庫には大量の秘宝。手元には億単位の金。
魔王に忠実な、魔界の住人たちは今日も、静かに日々を過ごしている。
「外が、騒がしいな」
「うーん……がやがや、してる?」
魔城には窓がない。
中世ヨーロッパに限りなく近いこの世界は、日本の常識から考えるとかなり不便で文明が退化している。
斎藤正晴の記憶を思い出す前は、この世界の常識が当然だと思っていたからな。
日本での暮らしを比べて、恋しくなったりはしねぇけど。
俺たちが日々を過ごす王座と、魔城内へ侵入を防ぐ城門にはかなりの距離がある。
ここまで外から騒がしい声が聞こえるとなると、相当でかい声で叫んでいるんだろう。
「ハムちゃん、戻ってこないね」
「おう。様子、見に行って見るか?」
「行くー!」
王座に腰掛けた俺の膝上で、レースを編んだり本を読んだりして暇をつぶしていた皇女様は、面白いことが起こるかもとワクワクを隠しきれていない。
面白いことは起きるかもしれねぇけど、それと引き換えに命の危機が訪れる危険性があるってことは、常に考慮しといて貰わねぇと……。
「魔王自ら様子を見に行くって、やべぇよな」
「首取られたら、終わりだもんね」
「タダでやられる気はねぇけど……魔力の使い方すら、よくわかんねぇからな……」
「角が生えてからのハレルヤは、すごいよ!たくさん魔法を使っても、ピンピンしてるもん!いいなぁ。私も魔法、使えるようにならないかな?そしたら、ハレルヤを守れるのに……」
「皇女様は、腕の中でじっとしてればいいんだよ」
「ええー?それって、置物に徹してろってこと?モラハラだよ~」
モラハラって、モラルハラスメントの略、だよな。この世界でその単語を使うようなやつ、いたか?日本特有の言葉だよな?
皇女様は自分が口を滑らせたことなど気づいていないようで、鼻歌まで歌ってやがる。
ご機嫌斜めよりはよっぽどいいけど、皇女様の中身って、俺と同じ日本人なのか……?
「ハレルヤ?どうしたの?やっぱり危ないから、様子を見に行くのはやめようと思ってる?」
「あー、いや。様子は見に行く」
「気になることがあるなら、ちゃんと私に伝えてね。隠し事はしちゃ駄目だよ。隠し事したって、私にはわかっちゃうんだから」
皇女様は、俺が斎藤正晴だってことに気づいてるとか……言わねぇよな……?
いや、わかんねぇ。皇女様の中身が日本人であるのは確かっぽいけど、その中身が誰なのかをはっきり認識できるまでは、指摘しない方がいいだろう。
俺たちはまだ12歳。花嫁候補の中から1人を決める日まで、あと6年もある。
全員と出会えねぇからな。
「他の女に、目移りしたら駄目だからね」
「目移りなんざしねぇから、安心しろ」
「うん!」
城門前で大暴れしている奴らの中に、魔族の女がいるとも限らねぇ。
どうせ騒いでんのは男だけだろ。
俺は楽観的に考えながら、城門の様子を窺った。
「いつまで、魔王様を独占するつもりだ」
「魔王様は魔城の主。魔城でお過ごしになることこそが義務であり、私が独占しているわけではございません」
「お前が魔王様を、魔城に監禁しているんだろう。魔界で暮らす魔族の暮らしを、早く魔王様に見てもらうべきだ」
「魔族の暮らしなど、いつでも見られるでしょう。何故急ぐ必要があるのですか。魔王として覚醒したばかりの主を袋叩きにするつもりならば、私が容赦は致しません」
「魔界を統べる魔王様に、なぜ俺たちが歯向かう」
「純血の魔族ではないことを、あなたが気にされているからです。キフロ・アジェシス」
ほら、言わんこっちゃない。
争いの火種が、向こうからやってきたぜ。
俺は皇女様を抱いたままハムチーズと静かに言い争っている男をみた。軍服のような衣装に身を包み、服の上からわかるほど鍛え抜かれた筋肉質な身体が印象的な男だ。男の尻からは、猫のような細長い尻尾が伸びている。俺はそいつの横顔を見て、さっと顔色を青くした。
『待兼。そいつより、俺の方がずっと、彼氏に相応しいだろ……?』
斎藤正晴が殺害した二人目に、顔達がよく似ていたのだ。
この間三人目によく似た顔達のロリコン野郎に出会ったと思ったら、今度はストーカーに似た奴とか。勘弁してくれよ。
「……ハレルヤ……?」
俺が青白い顔をしたまま黙り込み、全身の力を抜いたからだろう。
皇女様は不思議そうな顔で、俺の胸元へ縋りついてきた。
「……あー、ごめんな。俺らが姿を見せたら、解決しそうな話、してるか?」
「魔族の村に、ハレルヤを案内したいみたい」
「ハムチーズは、なんで立ち塞がってんだ?」
「ハレルヤが混血だから……?」
混血を迫害する奴は、人間界でもよく見るよな。
真面目そうな顔して、ちゃっかりそういうことするやつだから、ハムチーズが城内への侵入を阻止してんのか。
「よし。顔、出してみるか」
「はーい!ハムちゃんがどんな顔するか、楽しみだね!」
「絶対、嫌な顔するだろ」
なんで顔出しに来たんだよって迷惑そうに顔を顰めるハムチーズの姿が、目に浮かぶようだ。俺はよろよろとおぼつかない足取りで一歩を踏み出した後、皇女様を抱き抱え直して堂々と歩き出した。
宝物庫には大量の秘宝。手元には億単位の金。
魔王に忠実な、魔界の住人たちは今日も、静かに日々を過ごしている。
「外が、騒がしいな」
「うーん……がやがや、してる?」
魔城には窓がない。
中世ヨーロッパに限りなく近いこの世界は、日本の常識から考えるとかなり不便で文明が退化している。
斎藤正晴の記憶を思い出す前は、この世界の常識が当然だと思っていたからな。
日本での暮らしを比べて、恋しくなったりはしねぇけど。
俺たちが日々を過ごす王座と、魔城内へ侵入を防ぐ城門にはかなりの距離がある。
ここまで外から騒がしい声が聞こえるとなると、相当でかい声で叫んでいるんだろう。
「ハムちゃん、戻ってこないね」
「おう。様子、見に行って見るか?」
「行くー!」
王座に腰掛けた俺の膝上で、レースを編んだり本を読んだりして暇をつぶしていた皇女様は、面白いことが起こるかもとワクワクを隠しきれていない。
面白いことは起きるかもしれねぇけど、それと引き換えに命の危機が訪れる危険性があるってことは、常に考慮しといて貰わねぇと……。
「魔王自ら様子を見に行くって、やべぇよな」
「首取られたら、終わりだもんね」
「タダでやられる気はねぇけど……魔力の使い方すら、よくわかんねぇからな……」
「角が生えてからのハレルヤは、すごいよ!たくさん魔法を使っても、ピンピンしてるもん!いいなぁ。私も魔法、使えるようにならないかな?そしたら、ハレルヤを守れるのに……」
「皇女様は、腕の中でじっとしてればいいんだよ」
「ええー?それって、置物に徹してろってこと?モラハラだよ~」
モラハラって、モラルハラスメントの略、だよな。この世界でその単語を使うようなやつ、いたか?日本特有の言葉だよな?
皇女様は自分が口を滑らせたことなど気づいていないようで、鼻歌まで歌ってやがる。
ご機嫌斜めよりはよっぽどいいけど、皇女様の中身って、俺と同じ日本人なのか……?
「ハレルヤ?どうしたの?やっぱり危ないから、様子を見に行くのはやめようと思ってる?」
「あー、いや。様子は見に行く」
「気になることがあるなら、ちゃんと私に伝えてね。隠し事はしちゃ駄目だよ。隠し事したって、私にはわかっちゃうんだから」
皇女様は、俺が斎藤正晴だってことに気づいてるとか……言わねぇよな……?
いや、わかんねぇ。皇女様の中身が日本人であるのは確かっぽいけど、その中身が誰なのかをはっきり認識できるまでは、指摘しない方がいいだろう。
俺たちはまだ12歳。花嫁候補の中から1人を決める日まで、あと6年もある。
全員と出会えねぇからな。
「他の女に、目移りしたら駄目だからね」
「目移りなんざしねぇから、安心しろ」
「うん!」
城門前で大暴れしている奴らの中に、魔族の女がいるとも限らねぇ。
どうせ騒いでんのは男だけだろ。
俺は楽観的に考えながら、城門の様子を窺った。
「いつまで、魔王様を独占するつもりだ」
「魔王様は魔城の主。魔城でお過ごしになることこそが義務であり、私が独占しているわけではございません」
「お前が魔王様を、魔城に監禁しているんだろう。魔界で暮らす魔族の暮らしを、早く魔王様に見てもらうべきだ」
「魔族の暮らしなど、いつでも見られるでしょう。何故急ぐ必要があるのですか。魔王として覚醒したばかりの主を袋叩きにするつもりならば、私が容赦は致しません」
「魔界を統べる魔王様に、なぜ俺たちが歯向かう」
「純血の魔族ではないことを、あなたが気にされているからです。キフロ・アジェシス」
ほら、言わんこっちゃない。
争いの火種が、向こうからやってきたぜ。
俺は皇女様を抱いたままハムチーズと静かに言い争っている男をみた。軍服のような衣装に身を包み、服の上からわかるほど鍛え抜かれた筋肉質な身体が印象的な男だ。男の尻からは、猫のような細長い尻尾が伸びている。俺はそいつの横顔を見て、さっと顔色を青くした。
『待兼。そいつより、俺の方がずっと、彼氏に相応しいだろ……?』
斎藤正晴が殺害した二人目に、顔達がよく似ていたのだ。
この間三人目によく似た顔達のロリコン野郎に出会ったと思ったら、今度はストーカーに似た奴とか。勘弁してくれよ。
「……ハレルヤ……?」
俺が青白い顔をしたまま黙り込み、全身の力を抜いたからだろう。
皇女様は不思議そうな顔で、俺の胸元へ縋りついてきた。
「……あー、ごめんな。俺らが姿を見せたら、解決しそうな話、してるか?」
「魔族の村に、ハレルヤを案内したいみたい」
「ハムチーズは、なんで立ち塞がってんだ?」
「ハレルヤが混血だから……?」
混血を迫害する奴は、人間界でもよく見るよな。
真面目そうな顔して、ちゃっかりそういうことするやつだから、ハムチーズが城内への侵入を阻止してんのか。
「よし。顔、出してみるか」
「はーい!ハムちゃんがどんな顔するか、楽しみだね!」
「絶対、嫌な顔するだろ」
なんで顔出しに来たんだよって迷惑そうに顔を顰めるハムチーズの姿が、目に浮かぶようだ。俺はよろよろとおぼつかない足取りで一歩を踏み出した後、皇女様を抱き抱え直して堂々と歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる