140 / 179
第三章 ウェルカムキャンプ編
137
しおりを挟む
本文の最後に宣伝をのせております。
お時間がありましたら、是非ご覧ください。
ーーーーーーー
「ヒッヒヒヒヒッヒ。コイツヲ吹飛バス魔法トハ、サスガノ魔力量ダ。断然、食ウノガタノシミニナッテキタ。タダ、隠密戦ノ方ハギリギリノヨウダナ。」
俺はすぐに、右側に氷壁を展開した。その瞬間、「パリンッ」という音とともに、鋭利な爪で氷壁がわられてしまった。
くそっ……感知だけに集中すれば余裕をもって防げるけど、ほかのことをしながらとなるとギリギリの反応になってしまう。
1つの対策方法として、雪を降らせて、ケシキレオンの居場所を把握するということを考えられる。
ケシキレオンは透明になっているだけで、透過しているわけではない。雪が不自然に空中に静止したり、不自然な動きをしたりすれば、目視でケシキレオンの動きを把握することができる。
だけど、雪を降らせるということは足場を悪くするということだ。魔導士の俺1人なら別に構わないけど、これから来る騎士たちにとっては大量の雪は機動力を奪う足かせになってしまう。
だから、雪は降らさないで、感知のみで対応していくしかないのだ。
「グオオオオオ!」
大きな雄叫びと共に、今度は、グランデヒヒが俺の氷を握りつぶして、すさまじいスピードで俺に投げつけてきた。
無数の氷の礫は、回避不可能な攻撃となって、俺に向かってきた。
グランデヒヒは氷壁に激突したにもかかわらず、ピンピンしているようだ。流石のタフネスといったところだ。
『氷弾ー五月雨』
それに対して俺は、同じく無数の氷の礫を繰り出し、向かってきたすべての氷を撃墜した。
俺が展開した氷の壁内は、感知のために俺の濃い魔力で満たされている。つまり、俺の領域ということで対象に対する追尾攻撃が可能ということだ。
「パリンッ!」
しかし、ギリギリ対応できていたこの状況は、耳を劈くような音と共に崩れ去ってしまった。
後ろに出した氷壁が割られるのと同時に、俺の左肩に鋭い痛みが走った。
すぐに左肩を確認すると、視認はできないが何かが刺さっている感覚があり、血が流れていた。その何かは、徐々に透明化が薄れるように形を現した。
それは、ケシキレオンの鋭利な爪だった。左側に攻撃を受けたということは……ナレハテがケシキレオンの爪を俺に向かって投げたのか。
つまりこれからは、正面からの無数の氷の礫、背後からのケシキレオンの見えない攻撃、そして、左側から同じく見えない攻撃の3方向攻撃来るというわけか……。
これは……流石にキツイ。
攻撃の威力的に、グランデヒヒとケシキレオンの攻撃は必ず防ぎ、ナレハテからの攻撃は多少受ける覚悟で戦うしかないな。
「ヒッヒヒヒヒッヒ。コザカシク、コイツラノ攻撃ハサバイテイタヨウダガ、俺様ノ攻撃ニタイショスルコトハデキナカッタヨウダ。アア、愉快愉快。」
「複数で攻撃を仕掛けておいて、よく言う。まあ、魔物らしくて何よりだ。」
「オマエラ人間モニタヨウナコトヲスルダロウ? 自分ガ複数カラノ攻撃ヲウケタトキダケ被害者面ヲスルノハ、哀レデ滑稽ダゾ。」
「それに関しては同感だね。それを言うならお前も、これから先複数からの攻撃を受けた後に醜く言い訳なんかするなよな。」
「ヒッヒヒヒヒッヒ。ソンナ状況ニナレバイイナ。……ソンナコトヨリモ、血ガデテイルナ。オマエノ血ハウマソウダ。……ソレカラ、スパイスノ良イ匂イダナ。俺様ハ美食家ダカラナ。ヒッヒヒヒヒッヒ。」
は? スパイスのいい匂いだと? 意味が分からな……。
その瞬間、俺の左肩から下の部分が急に脱力した。
これは……くそ、ケシキレオンの爪に毒か何かを仕込んでいたのか。痺れて感覚がなくなってきている。
「魔導士トハイエ、ソノ状態デ戦ウコトハ難シイダロウ。サテ、遊ビハオワリダ。食ッテヤル。」
毒が全身に回って、口が動かなくなったらゲームオーバーだ。敵の攻撃を魔力なしで回避しながら水回復魔法で毒を除去をするか、それとも毒が回りきる前に来い面をすべて倒し切るか……。
どちらのルートも、今の俺の実力では不可能に近い。
考えろ、もっとほかの方法を考えろ。こんなところで俺は、終わるわけにはいかない。
俺にはまだ、やりたいことや見たいことがたくさんあるんだ……。
そんな俺の願いをあざ笑うかのように、3方向から同時に攻撃が放たれた。
……くそっ!!
俺が全力で氷壁を展開しようとしたその時、膨大な魔力の発生とともに、熱く燃える炎が上空からナレハテたちに放たれた。
タイミングがまさしく、主人公のそれだね。
だけどよかった。……やっと、来てくれたみたいだ。
『アーキウェル流剣技 炎昇一閃』
ーーーー
こんにちは、kurimomoです。
いつも当作品をご愛読くださり、ありがとうございます。
以下、宣伝となりますので、ご注意願います。
さて、当作品を1週間に1度の投稿としている中で恐縮ではありますが、別作品の連載を開始しております。
内容は、本作品とはジャンルが異なり女性主人公のハイファンタジーものとなっております。
私自身、割とノって書けておりますので、お時間のある方は作者ホームページからご覧いただけますと幸いです。
本作品の連載も継続してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
お時間がありましたら、是非ご覧ください。
ーーーーーーー
「ヒッヒヒヒヒッヒ。コイツヲ吹飛バス魔法トハ、サスガノ魔力量ダ。断然、食ウノガタノシミニナッテキタ。タダ、隠密戦ノ方ハギリギリノヨウダナ。」
俺はすぐに、右側に氷壁を展開した。その瞬間、「パリンッ」という音とともに、鋭利な爪で氷壁がわられてしまった。
くそっ……感知だけに集中すれば余裕をもって防げるけど、ほかのことをしながらとなるとギリギリの反応になってしまう。
1つの対策方法として、雪を降らせて、ケシキレオンの居場所を把握するということを考えられる。
ケシキレオンは透明になっているだけで、透過しているわけではない。雪が不自然に空中に静止したり、不自然な動きをしたりすれば、目視でケシキレオンの動きを把握することができる。
だけど、雪を降らせるということは足場を悪くするということだ。魔導士の俺1人なら別に構わないけど、これから来る騎士たちにとっては大量の雪は機動力を奪う足かせになってしまう。
だから、雪は降らさないで、感知のみで対応していくしかないのだ。
「グオオオオオ!」
大きな雄叫びと共に、今度は、グランデヒヒが俺の氷を握りつぶして、すさまじいスピードで俺に投げつけてきた。
無数の氷の礫は、回避不可能な攻撃となって、俺に向かってきた。
グランデヒヒは氷壁に激突したにもかかわらず、ピンピンしているようだ。流石のタフネスといったところだ。
『氷弾ー五月雨』
それに対して俺は、同じく無数の氷の礫を繰り出し、向かってきたすべての氷を撃墜した。
俺が展開した氷の壁内は、感知のために俺の濃い魔力で満たされている。つまり、俺の領域ということで対象に対する追尾攻撃が可能ということだ。
「パリンッ!」
しかし、ギリギリ対応できていたこの状況は、耳を劈くような音と共に崩れ去ってしまった。
後ろに出した氷壁が割られるのと同時に、俺の左肩に鋭い痛みが走った。
すぐに左肩を確認すると、視認はできないが何かが刺さっている感覚があり、血が流れていた。その何かは、徐々に透明化が薄れるように形を現した。
それは、ケシキレオンの鋭利な爪だった。左側に攻撃を受けたということは……ナレハテがケシキレオンの爪を俺に向かって投げたのか。
つまりこれからは、正面からの無数の氷の礫、背後からのケシキレオンの見えない攻撃、そして、左側から同じく見えない攻撃の3方向攻撃来るというわけか……。
これは……流石にキツイ。
攻撃の威力的に、グランデヒヒとケシキレオンの攻撃は必ず防ぎ、ナレハテからの攻撃は多少受ける覚悟で戦うしかないな。
「ヒッヒヒヒヒッヒ。コザカシク、コイツラノ攻撃ハサバイテイタヨウダガ、俺様ノ攻撃ニタイショスルコトハデキナカッタヨウダ。アア、愉快愉快。」
「複数で攻撃を仕掛けておいて、よく言う。まあ、魔物らしくて何よりだ。」
「オマエラ人間モニタヨウナコトヲスルダロウ? 自分ガ複数カラノ攻撃ヲウケタトキダケ被害者面ヲスルノハ、哀レデ滑稽ダゾ。」
「それに関しては同感だね。それを言うならお前も、これから先複数からの攻撃を受けた後に醜く言い訳なんかするなよな。」
「ヒッヒヒヒヒッヒ。ソンナ状況ニナレバイイナ。……ソンナコトヨリモ、血ガデテイルナ。オマエノ血ハウマソウダ。……ソレカラ、スパイスノ良イ匂イダナ。俺様ハ美食家ダカラナ。ヒッヒヒヒヒッヒ。」
は? スパイスのいい匂いだと? 意味が分からな……。
その瞬間、俺の左肩から下の部分が急に脱力した。
これは……くそ、ケシキレオンの爪に毒か何かを仕込んでいたのか。痺れて感覚がなくなってきている。
「魔導士トハイエ、ソノ状態デ戦ウコトハ難シイダロウ。サテ、遊ビハオワリダ。食ッテヤル。」
毒が全身に回って、口が動かなくなったらゲームオーバーだ。敵の攻撃を魔力なしで回避しながら水回復魔法で毒を除去をするか、それとも毒が回りきる前に来い面をすべて倒し切るか……。
どちらのルートも、今の俺の実力では不可能に近い。
考えろ、もっとほかの方法を考えろ。こんなところで俺は、終わるわけにはいかない。
俺にはまだ、やりたいことや見たいことがたくさんあるんだ……。
そんな俺の願いをあざ笑うかのように、3方向から同時に攻撃が放たれた。
……くそっ!!
俺が全力で氷壁を展開しようとしたその時、膨大な魔力の発生とともに、熱く燃える炎が上空からナレハテたちに放たれた。
タイミングがまさしく、主人公のそれだね。
だけどよかった。……やっと、来てくれたみたいだ。
『アーキウェル流剣技 炎昇一閃』
ーーーー
こんにちは、kurimomoです。
いつも当作品をご愛読くださり、ありがとうございます。
以下、宣伝となりますので、ご注意願います。
さて、当作品を1週間に1度の投稿としている中で恐縮ではありますが、別作品の連載を開始しております。
内容は、本作品とはジャンルが異なり女性主人公のハイファンタジーものとなっております。
私自身、割とノって書けておりますので、お時間のある方は作者ホームページからご覧いただけますと幸いです。
本作品の連載も継続してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
895
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる