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第二章 初学院編
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さて、これで一通り終わったけどキルがあまり動かなくなってしまった。おそらく眠ってしまったのだろう。眠ってしまうほど心地よかったのなら、嬉しい限りだ。今は大体九時だから、このまま寝かせておいた方が良いだろうか? だけど、「終わったら俺がお茶を淹れるから、楽しみにしておいてくれ!」とマッサージ中に言っていたので、起こさなかったら不貞腐れてしまうかもしれない。
それに、キルは泊りを非常に楽しみにしていたから、起こしてあげた方が良いかもしれないな。俺はキルの肩をゆすって、呼びかけてみた。
「キル、マッサージ終わったよ。」
「………ん、あ、悪い、眠ってしまった。とても心地よかったよ、ありがとう。だけど悪いな、側仕えにさせるようなことをやらしてしまって。」
「俺が好きでやっていることだから気にしないでよ。むしろ、あんな凝り固まった状態を知ったら今後も不安だから、俺が定期的に見るからね。明日キースも捕獲して体の状態を見ようと思う。」
「………わかった。よし、じゃあお礼も兼ねてお茶にしようか。」
キルはそういうと、早速キッチンに向かっていきお茶の準備を始めた。キルが一生懸命お茶を入れる練習をしていたのかと思うとほほえましいけど、キルにお茶の淹れ方を教えたであろうメイドたちはさぞや緊張したことだろう。それに、よく許可が下りたものだ。貴族は基本的にキッチンに立たないからな。もしかすると、アルベルト殿下あたりが面白いからと許可したのかもしれない。
俺が色々考察していると、キルが楽しげな表情でお茶をもってリビングに戻ってきた。
「アース、早速飲んでみてくれ。味は、一応合格点はもらえているのだが………。」
「わかった、ありがとう。じゃあ、早速いただくね。」
うん、香りがたっていてすごくおいしそうだ。………キルがすごい見てくるな。おいしいかどうか不安なんだろうけど、そんなに見られたら飲みにくいよ。俺はキルに向かって少し微笑んだ後、一口飲んだ。
美味しいな………。一生懸命練習してくれたんだろうな。ん、あれ? この味は、キルの部屋で飲んだ時の茶葉の味がする気がする。確かあれって、とても高価なものだったはずだ。高級ホテルのこのホテルに偶然あったということも考えられるけど、もしかして持ってきてくれたのかな?
「キル、すごくおいしいよ! あとさ、もしかしてこの茶葉って用意してくれた?」
「そうか、よかった………。ああ、一応持ってきておいたんだ。メイドを頼まないことがあらかじめわかっていたから、お茶を淹れる機会があるかと思っていたんだ。」
「なるほどね、明日三人にもふるまってあげてよ。きっと、喜ぶと思うよ。俺も練習したいから、今度教えてもらってもいい?」
「ああ、もちろんだ。」
俺の提案にキルはうれしそうな顔で了承してくれた。自分が褒められたことを相手に教えてほしいと言われるのはうれしいことだよな。それに、俺とキルだと騎士と魔導士で学ぶことが違うから、教え教えられということが少ないので新鮮で楽しみだ。
「あ、そうだ。アースに兄上から伝言だ。「冬休みに「悪魔の呪い」の件でいろいろあるから、準備しておくように」、だそうだ。」
「………準備? その、色々の内容がわからないと準備のしようがないと思うけど何か聞いてる?」
「すまない。俺が聞いても鼻歌を歌うばかりで、何も答えてくれなかった。」
からかわれているのかな? 若干カチンと来たけど、アルベルト殿下は大体そんな感じなので、いったん抑えよう。あとで側近の兄上に確認してみよう。正式に証明されたのなら俺の様に苦しむ子供たちが早期発見されて、ちゃんとしたケアを受けられるだろう。
「キルが謝ることではないよ。あとで兄上に確認してみるから、何かわかったら教えるからさ。」
「すまない、助かる。最近の兄上は俺のことをからかうというか、絡んでくるというか、そんな感じなんだ。」
「キルに甘えたいのか、絡みながらキルの様子を確認してるんじゃないかな? アルベルト殿下もお忙しいだろうし、息抜きに付き合うと思ってほどほどにお相手してあげるといいと思うよ。あと、ウェル殿下もね。」
俺がそういうと、キルはあからさまに不機嫌なオーラを醸し出した。どちらの殿下と絡むのが嫌なのか、はたまたどちらとも面倒なのかはわからないけど、兄弟仲がよさそうで何よりだ。
「………善処する。そろそろ、寝る準備を始めようか。明日は朝練もするからな。」
今は約十時だ。今から寝る準備を始めれば、明日の朝練の時間が十分に取れるな。俺たちは食器を片付けて、歯を磨いてベッドへと向かった。ベッドは二つあり、隣り合ってはいるが一つがとても大きいので意外にもキルとは少し距離ができる。近距離だったらいろいろな意味でまずかったので、ある意味幸運だ。
俺とキルは互いにベッドへと入り、寝入るまで少し話そうということになった。
………うーん。気のせいかもしれないけど、先程よりも少し寒い気がする。寒気ではないと思うけど、一応キルにも聞いてみよう。
「キル。俺の気のせいかもしれないけど、少し寒くない?」
「そういわれると………寒い気がするな。でもおかしいな、部屋の温度は魔道具で一定に保たれているはずだ。もしかすると、魔石が切れたのかもしれない。予備の魔石が魔道具の近くにあるはずだから、見てみよう。」
俺とキルは暖房の魔道具を確認してみた。キルの言った通り、予備の魔石があったので取り替えてみることにした。もともとセットしておいた魔石は輝きがまだ残っていたので、魔力は切れていないようだったけど………。
少し様子を見てみたけど、室温は上がるどころかむしろ下がっているように思える。これは魔石が原因ではなく、魔道具本体が原因かもしれない。
「キル、もしかしてこの魔道具壊れてるのかな?」
「魔石に異常がないことを考えると、魔道具に原因があるとみて間違いなさそうだな。」
わーお、不運だな………。高級ホテルだから、こういう設備の部分もしっかりと点検しているはずだから、ホテル側も予期していない故障なのかもしれない。今からだと、修理は難しいかもしれないから部屋の移動になるかな。だけど、真冬というわけでもないし、少し肌寒いくらいだから布団に入れば問題ないような気もする。判断に困る室温だ。
「ホテル側に知らせて部屋を変えてもらう? 今から修理は難しいよね?」
「修理は難しいだろうな。部屋を変えてもらうのは通常の客なら大丈夫だろうが………。俺がこの部屋にいることが前提で、警備の配置がとられているだろうから、今から部屋を変えると多くの人たちに迷惑をかけてしまう。アースが大丈夫そうなら、一晩はこのままの部屋にいたいと思う。」
キルの意見はもっともだ。この部屋の警備を前提に騎士団や魔導士団は動いているだろうから、簡単には部屋を変えられないだろう。凍え死ぬような寒さではないし、一晩だけなら大丈夫だ。
「俺は大丈夫だよ。布団に入れば、問題なく寝られると思う。」
「わかった、どうしても寒くなったら言ってくれ。」
それから俺とキルはベッドへと戻った。うーん、寝られるかなと思ったけどベッドの中が結構冷たい。自分の体温で温めるか、ベッド中で動きまくって摩擦熱を発生させるしかない。
よし。ベッドで運動しよう、いい意味で。
俺がベッドで運動しようとすると、キルから衝撃的な提案がなされた。
それに、キルは泊りを非常に楽しみにしていたから、起こしてあげた方が良いかもしれないな。俺はキルの肩をゆすって、呼びかけてみた。
「キル、マッサージ終わったよ。」
「………ん、あ、悪い、眠ってしまった。とても心地よかったよ、ありがとう。だけど悪いな、側仕えにさせるようなことをやらしてしまって。」
「俺が好きでやっていることだから気にしないでよ。むしろ、あんな凝り固まった状態を知ったら今後も不安だから、俺が定期的に見るからね。明日キースも捕獲して体の状態を見ようと思う。」
「………わかった。よし、じゃあお礼も兼ねてお茶にしようか。」
キルはそういうと、早速キッチンに向かっていきお茶の準備を始めた。キルが一生懸命お茶を入れる練習をしていたのかと思うとほほえましいけど、キルにお茶の淹れ方を教えたであろうメイドたちはさぞや緊張したことだろう。それに、よく許可が下りたものだ。貴族は基本的にキッチンに立たないからな。もしかすると、アルベルト殿下あたりが面白いからと許可したのかもしれない。
俺が色々考察していると、キルが楽しげな表情でお茶をもってリビングに戻ってきた。
「アース、早速飲んでみてくれ。味は、一応合格点はもらえているのだが………。」
「わかった、ありがとう。じゃあ、早速いただくね。」
うん、香りがたっていてすごくおいしそうだ。………キルがすごい見てくるな。おいしいかどうか不安なんだろうけど、そんなに見られたら飲みにくいよ。俺はキルに向かって少し微笑んだ後、一口飲んだ。
美味しいな………。一生懸命練習してくれたんだろうな。ん、あれ? この味は、キルの部屋で飲んだ時の茶葉の味がする気がする。確かあれって、とても高価なものだったはずだ。高級ホテルのこのホテルに偶然あったということも考えられるけど、もしかして持ってきてくれたのかな?
「キル、すごくおいしいよ! あとさ、もしかしてこの茶葉って用意してくれた?」
「そうか、よかった………。ああ、一応持ってきておいたんだ。メイドを頼まないことがあらかじめわかっていたから、お茶を淹れる機会があるかと思っていたんだ。」
「なるほどね、明日三人にもふるまってあげてよ。きっと、喜ぶと思うよ。俺も練習したいから、今度教えてもらってもいい?」
「ああ、もちろんだ。」
俺の提案にキルはうれしそうな顔で了承してくれた。自分が褒められたことを相手に教えてほしいと言われるのはうれしいことだよな。それに、俺とキルだと騎士と魔導士で学ぶことが違うから、教え教えられということが少ないので新鮮で楽しみだ。
「あ、そうだ。アースに兄上から伝言だ。「冬休みに「悪魔の呪い」の件でいろいろあるから、準備しておくように」、だそうだ。」
「………準備? その、色々の内容がわからないと準備のしようがないと思うけど何か聞いてる?」
「すまない。俺が聞いても鼻歌を歌うばかりで、何も答えてくれなかった。」
からかわれているのかな? 若干カチンと来たけど、アルベルト殿下は大体そんな感じなので、いったん抑えよう。あとで側近の兄上に確認してみよう。正式に証明されたのなら俺の様に苦しむ子供たちが早期発見されて、ちゃんとしたケアを受けられるだろう。
「キルが謝ることではないよ。あとで兄上に確認してみるから、何かわかったら教えるからさ。」
「すまない、助かる。最近の兄上は俺のことをからかうというか、絡んでくるというか、そんな感じなんだ。」
「キルに甘えたいのか、絡みながらキルの様子を確認してるんじゃないかな? アルベルト殿下もお忙しいだろうし、息抜きに付き合うと思ってほどほどにお相手してあげるといいと思うよ。あと、ウェル殿下もね。」
俺がそういうと、キルはあからさまに不機嫌なオーラを醸し出した。どちらの殿下と絡むのが嫌なのか、はたまたどちらとも面倒なのかはわからないけど、兄弟仲がよさそうで何よりだ。
「………善処する。そろそろ、寝る準備を始めようか。明日は朝練もするからな。」
今は約十時だ。今から寝る準備を始めれば、明日の朝練の時間が十分に取れるな。俺たちは食器を片付けて、歯を磨いてベッドへと向かった。ベッドは二つあり、隣り合ってはいるが一つがとても大きいので意外にもキルとは少し距離ができる。近距離だったらいろいろな意味でまずかったので、ある意味幸運だ。
俺とキルは互いにベッドへと入り、寝入るまで少し話そうということになった。
………うーん。気のせいかもしれないけど、先程よりも少し寒い気がする。寒気ではないと思うけど、一応キルにも聞いてみよう。
「キル。俺の気のせいかもしれないけど、少し寒くない?」
「そういわれると………寒い気がするな。でもおかしいな、部屋の温度は魔道具で一定に保たれているはずだ。もしかすると、魔石が切れたのかもしれない。予備の魔石が魔道具の近くにあるはずだから、見てみよう。」
俺とキルは暖房の魔道具を確認してみた。キルの言った通り、予備の魔石があったので取り替えてみることにした。もともとセットしておいた魔石は輝きがまだ残っていたので、魔力は切れていないようだったけど………。
少し様子を見てみたけど、室温は上がるどころかむしろ下がっているように思える。これは魔石が原因ではなく、魔道具本体が原因かもしれない。
「キル、もしかしてこの魔道具壊れてるのかな?」
「魔石に異常がないことを考えると、魔道具に原因があるとみて間違いなさそうだな。」
わーお、不運だな………。高級ホテルだから、こういう設備の部分もしっかりと点検しているはずだから、ホテル側も予期していない故障なのかもしれない。今からだと、修理は難しいかもしれないから部屋の移動になるかな。だけど、真冬というわけでもないし、少し肌寒いくらいだから布団に入れば問題ないような気もする。判断に困る室温だ。
「ホテル側に知らせて部屋を変えてもらう? 今から修理は難しいよね?」
「修理は難しいだろうな。部屋を変えてもらうのは通常の客なら大丈夫だろうが………。俺がこの部屋にいることが前提で、警備の配置がとられているだろうから、今から部屋を変えると多くの人たちに迷惑をかけてしまう。アースが大丈夫そうなら、一晩はこのままの部屋にいたいと思う。」
キルの意見はもっともだ。この部屋の警備を前提に騎士団や魔導士団は動いているだろうから、簡単には部屋を変えられないだろう。凍え死ぬような寒さではないし、一晩だけなら大丈夫だ。
「俺は大丈夫だよ。布団に入れば、問題なく寝られると思う。」
「わかった、どうしても寒くなったら言ってくれ。」
それから俺とキルはベッドへと戻った。うーん、寝られるかなと思ったけどベッドの中が結構冷たい。自分の体温で温めるか、ベッド中で動きまくって摩擦熱を発生させるしかない。
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俺がベッドで運動しようとすると、キルから衝撃的な提案がなされた。
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