異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第二章 初学院編

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「二人でコソコソ何を話していたんだ?」


開口一番、キルの不機嫌さが伝わってきた。やはり。側近同士でコソコソされるのは主としてあまり好ましいものではないらしい。



「まあまあ。そんなに不機嫌にならないでくださいよ、主。アースがダンスに誘われたそうなんですが、社交ダンス初心者だというから俺が指導することになったんですよ。」


「なんで、ローウェルなんッスか?」


「なんでって、アースに頼まれたからだけど?」



ローウェルはそういうと、俺に視線を向けた。それに合わせて、他の三人も俺へと視線を向け、俺に注目が集まった。

な、なぜと言われても、だれでもよかったというとローウェルに失礼だけど、強いていえばローウェルはこういうことに明るいと思ったからかな………。


「えーと、絶対ローウェルでないとだめとかそういうことではないから、皆にもお願いしてもいいかな? その………ほら、多くの人と練習した方が応用力もつくと思うし………。よければ、お願いしたいな?」



「アースがそういうなら、俺も手伝う。」
「もちろん、いいッスよ!」
「………俺は別に、どっちでもいい。」



良かった………。みんなの雰囲気が柔らかくなったのを感じた。これで丸く収まって………俺がそう思う途中で、ローウェルが余計な一言を言い放った。



「みんなして子供だな(小声)。」



すると、一人ずつローウェルに静かに肘打ちを行ったのが見えた。三人は笑顔だったけど、ローウェルはその場にうずくまった。ローウェルの悪い癖だよな………。










――









久しぶりの初学院での昼食の時間となった。公爵家の料理はとてもおいしかったが、初学院には初学院の味があって、学院が始まることの楽しみの一つなっていた。俺はキースがおすすめしてくれた唐揚げ定食が気に入っており、今日はそれを頼むつもりだ。キルは久しぶりの生徒たちとの交流に勤しんでいた。前期よりも人が増えているような気がするのは、俺の気のせいではないだろう。


いつも通り側近四人で食事をしていると、周囲がざわつき始めたのを感じた。何だろうと思いみてみるとピンク髪の少年を筆頭に五人くらいの少年たちが近づいてくるのが見えた。あれは、ウェル君だな。ピンク髪と言っても、ド派手なピンクというわけではなく桜色に近い色だ。この世界ではまだ、桜の存在は確認していないため非常に懐かしい気持ちになる。俺がウェル君に手を振ると、すぐに近くにいた側近のみんなに制された。………もしかして、どよめきと言い、手を振ることを制されると言い、これを総合すると………第三………。



すると、俺に気づいたウェル君が俺に手を振って駆け寄ってきた。うん、やはり尻尾を振っているようにみえる。



「アースさん! 探しましたよ!」



いつの間にか俺は、「さん」付けに昇格したようだ。貴族社会ではたいてい「様」が用いられることが多いが、親しい年上や距離感が近い人などには「さん」をつけることがある。俺もアルフォンスさんにはさん付けをしている。


「おい、いつの間に第三王子殿下と知り合ったんだよ? 大抵俺たちと一緒にいただろ(小声)?」


周りの注目が集まる中、ローウェルがさっと小声で質問してきた。やはり、第三王子殿下だったか………。てっきり、アルベルト殿下やキルと同じで赤い髪の持ち主かと持っていたけど、違ったようだ。今思うと、瞳の色がアルベルト殿下と似ているように思う。



「この前騎士の訓練を見学に行ったときに、少しあったんだよ。本人は、王子であることを言ってくれなかったけどね(小声)。」



俺がそういうと、ローウェルは「あの時か………。」といって頭を抱えてしまった。うろちょろしてしまって、申し訳ない。俺はローウェルの肩を少し叩いた後に、第三王子殿下に一礼した。



「お久しぶりです、第三王子殿下。あの時は、第三王子殿下だと存じ上げずに失礼な言動をしてしまい、申し訳ございませんでした。」


「あれは僕があえて言わなかったので、アースさんに非はないですよ! それよりも、アースさんみてください! アースさんのアドバイスのおかげで、僕の遊び相手の彼らを側近に誘う勇気が出ました! 本当にありがとうございました!」


第三王子殿下がそういうと、側近四人が同時に頭を下げた。俺はてっきり、ウェル君が誰かの側近になるのかと思っていたけど、実際は側近になる側や側近に誘われた側の気持ちを知りたかったらしい。俺の言葉で殿下の役に立てたのなら光栄だ。



「身に余るお言葉にございます、第三王子殿下。」



俺がそういうと、第三王子殿下はあからさまに不機嫌になり頬を膨らませた。どうやら、呼び方がお気に召さないらしい。


「アースさん! 僕は前に、「ウェル」と呼んでくださいとお願いしましたよね!」


うん、確かに言われたけど………。流石に殿下をウェル君呼びするのはまずいと思うな………。ここは、マーガレット様を参考にして「ウェル殿下」とお呼びしようかな。



「………かしこまりました。では、ウェル殿下と呼ばせていただきますね。」


「それでお願いします! それと………。」



ウェル殿下はそういうと、俺の手を取って自分の頭の上に乗せた。これは………なでろということだろうか? 俺は少しずつ手を動かして、頭を撫でてみた。すると、満足そうに笑顔になった。

これは………末っ子というか甘え上手というか、人の懐に入り込むのがうまいようだ。他の二人の殿下とは全く違うタイプだな。それにしても、弟みたいでかわいいな………。すると、俺が頭をなでているのを見てか、何人かの生徒が撃沈したのが見えた。うん、自分で言うのもなんだけど、なんとなく気持ちはわかるよ。何せ、八歳児と六歳児の少年が戯れているのだから。そういう趣味を持つ人にとっては、ご褒美以外の何物でもないだろう。



「アースさん、よろしければ魔法について質問したいのでお茶会にお誘いにしてもよろしいでしょうか? それと、ジールさんもご一緒に!」



ジールさんということは、ジールとも面識があって懐いているのだろうか? 俺とジールを誘うということは、相当魔法がお好きのようだ。この熱量は好きとかいうレベルではなく、もはやオタクの域に達しているのかもしれないな。
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