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第二章 初学院編
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急いで元の場所に戻ると、騎士たちがちょうど休憩に入るころだった。キルたちはまだ騎士団長に食らいついているらしく、俺が抜け出したことには気づいていないようだった。俺は今のうちにキルとキースへの差し入れを準備した。まあ差し入れと言っても、タオルとレモン水、あとははちみつレモンだ。こっちでは食べている人を見たことはないから、受け入れられるかはわからないけど一応持ってきた。
少しすると、キルとキースが汗だくで戻ってきた。真夏な上に激しい運動を行ったのだ、汗だくになるのも当然だ。
「二人ともお疲れ様。はい、タオルと飲み物ですよ。」
キルは俺が差し出したものを受け取ると、すぐに俺から離れていた。
え、俺何かしたかな………。
「差し入れありがとう。だけど………俺、今たくさん汗かいてるから、あまり近づかないでくれると助かる………。」
うーん、なるほど。俺は全然気にしないけど、こういうのは嗅がれる側もすごく気にすることだから、ここはキルの意思を尊重しよう。
「うん、わかった。だけど、そっちは太陽当たるからこっちで休んで。俺が少し離れて、涼しくするから。」
キルはすぐには移動せずに、俺を太陽の下に行かせるのをためらっている様に見えたが、俺が引かないとわかったのか渋々ながら移動した。
キースは俺の差し入れを受け取ると、すぐに汗をぬぐってレモン水を飲んでいた。そして、俺の心臓に悪いことをしでかした。
「クソッ、汗が気持ちわりーな。」
そう言いながら、一気に上の服を脱ぎ去った。夏の訓練だから、いつもよりも薄い服を着ていたから脱がなくてもやばかったが、こういうシチュエーションは本当にやばい。キースは騎士志望とだけあって、うっすらと腹筋が割れ、均整がとれた体つきをしていた。
ちょっ、まじで心臓に悪いって………。あまりにもかっこよすぎるって………。
キースは俺の視線に気が付いたのか、半目で問いかけてきた。
「………なんだ? 俺の顔に何かついているのか?」
「え、えーと………。キース、かっこいいね! ほら、俺はガリガリだから羨ましいよ。」
俺は何とか言葉を紡ぎ出して、自身のお腹をキースに見せた。俺だって、細マッチョな体になりたいけど、筋肉がつきにくい体なので相当頑張らなければいけない。
「………それに対して、俺はどう返せばいいんだよ?」
そ、そうだよね! いきなり男に、体つきがかっこいいとか言われても困るよね………。俺が苦笑いをしていると、キルが俺の手を掴んで服を下げさせた。キースへの返答に困って、服を上げたままだったのを忘れていたな………。
「人前で肌を見せるな。………風邪をひくだろ。」
うん? こんな真夏に少し腹チラをしたからといって、風邪を引かないとは思うけど………。俺の病弱キャラは、まだぬぐい切れていないようだ。
「うん、わかった。あと、これも作ってきたからよければ食べてみて。疲労回復に効くようだから。」
「あちーから、食欲ねーな。」
キルはそわそわした様子で受け取ってくれが、キースは食べるどころではないようだ。二人とも汗がまだ引かないようで、ずっと汗をぬぐっている。たしかに今日は、今夏一番くらいの暑さをしている。
よし、ここは「白銀の狼」が一肌脱ぐとしよう。
俺は集中して、魔力展開を行った。そして、今使える初級魔法を使うことにした。
『氷弾』
俺は身長二つ分くらいの氷の柱を周囲に複数展開した。暑いということで、氷をたくさん展開して周囲の温度を下げることにした。さらに二人から飲み物を受け取って、冷やすと同時に氷をたくさん入れた。
普通の水魔法を飲料用にするにはかなりの練度と魔力を要するが、俺は清属性で回復と浄化の性質をもつ水を操る。だから、デフォルトの状態で飲料用にもできる水なのだ。それによって、飲み物に入れる氷も容易に作ることができる。
「………アース、器用になったな。すごく涼しいよ、ありがとう。なあ、キース?」
「………そうですね。」
キースは不愛想にそういったけど、若干嬉しそうだった。この暑さは本当に堪えるから、涼しくなって嬉しいのだろう。だけど、涼しいのなら速やかに服を着てほしいな………。
すると、遠くの方から騎士団長が大声で俺の名前を呼んだ。何事かと思って団長の方を向くと、剣を構えていた。
「おーい! 俺たちの方にも、その氷を恵んでくれ! 巨大な氷を放ってくれれば、俺が適当な大きさに切る!」
まあ確かに、俺達だけ氷で涼んでいるのは申し訳ないし、氷を出すくらいはかまわないけど、巨大な氷を切るって………騎士団長なら可能なのかな? 氷はこの暑さで溶けるだろうから、カーナイト様にどこかに飛ばしてもらう必要もないし、騎士団長が切れなかった場合は頑張って避けてもらおう。
「わかりました! 心を込めて、打ち込みますね!」
俺がそういうと、二人は若干引いていたようだったけど、俺は構わず氷を打ち込むことにした。
魔法実技の最初の授業で出した氷は流石に巨大すぎるから、その半分くらいの大きさのものを騎士団長にプレゼントしよう。
『氷弾』
俺が氷を出すと、若い騎士たちからどよめき声が聞こえてきた。それに対して騎士団長は、待ってましたと言わんばかりににやりと笑い、氷に向かって走り出した。そして、視認することができないほどの速さで剣を振りぬいたと思ったら、巨大な氷は騎士たちの身長くらいの大きさに切り分けられていた。その後は何事もなかったかのように、一つの氷に寄りかかって涼みだした。騎士たちはしばらく歓声を上げた後、各々氷に抱き着いたり、よりかかったりしながら涼み始めた。
騎士団長はサラリと切っていたけど、あんな巨大なものを一撃で等分するなんて尋常ではないことくらい俺にもわかる。
「キル、あれをできる騎士はどれくらいいるの?」
「そうだな………騎士の数パーセントだろうな。おそらく兄上たちもできると思う。俺は………まだできない。」
まあそうだよな。あのレベルの技をそう何人もできていたら、この国の騎士力は半端ないことになる。それにしても、アルベルト殿下たちもできるとは驚愕だ。まだ初学院生なのに………流石黄金の世代だ。
「キルは大丈夫、きっとできるようになるよ。それに、キースもね。俺も負けないくらい、巨大な氷を生み出せるように頑張るから、その時はぜひ切ってね!」
俺がそういうと、二人は顔を見合わせてため息をついた。どうやら、氷の大きさが足りなかったようだ。
少しすると、キルとキースが汗だくで戻ってきた。真夏な上に激しい運動を行ったのだ、汗だくになるのも当然だ。
「二人ともお疲れ様。はい、タオルと飲み物ですよ。」
キルは俺が差し出したものを受け取ると、すぐに俺から離れていた。
え、俺何かしたかな………。
「差し入れありがとう。だけど………俺、今たくさん汗かいてるから、あまり近づかないでくれると助かる………。」
うーん、なるほど。俺は全然気にしないけど、こういうのは嗅がれる側もすごく気にすることだから、ここはキルの意思を尊重しよう。
「うん、わかった。だけど、そっちは太陽当たるからこっちで休んで。俺が少し離れて、涼しくするから。」
キルはすぐには移動せずに、俺を太陽の下に行かせるのをためらっている様に見えたが、俺が引かないとわかったのか渋々ながら移動した。
キースは俺の差し入れを受け取ると、すぐに汗をぬぐってレモン水を飲んでいた。そして、俺の心臓に悪いことをしでかした。
「クソッ、汗が気持ちわりーな。」
そう言いながら、一気に上の服を脱ぎ去った。夏の訓練だから、いつもよりも薄い服を着ていたから脱がなくてもやばかったが、こういうシチュエーションは本当にやばい。キースは騎士志望とだけあって、うっすらと腹筋が割れ、均整がとれた体つきをしていた。
ちょっ、まじで心臓に悪いって………。あまりにもかっこよすぎるって………。
キースは俺の視線に気が付いたのか、半目で問いかけてきた。
「………なんだ? 俺の顔に何かついているのか?」
「え、えーと………。キース、かっこいいね! ほら、俺はガリガリだから羨ましいよ。」
俺は何とか言葉を紡ぎ出して、自身のお腹をキースに見せた。俺だって、細マッチョな体になりたいけど、筋肉がつきにくい体なので相当頑張らなければいけない。
「………それに対して、俺はどう返せばいいんだよ?」
そ、そうだよね! いきなり男に、体つきがかっこいいとか言われても困るよね………。俺が苦笑いをしていると、キルが俺の手を掴んで服を下げさせた。キースへの返答に困って、服を上げたままだったのを忘れていたな………。
「人前で肌を見せるな。………風邪をひくだろ。」
うん? こんな真夏に少し腹チラをしたからといって、風邪を引かないとは思うけど………。俺の病弱キャラは、まだぬぐい切れていないようだ。
「うん、わかった。あと、これも作ってきたからよければ食べてみて。疲労回復に効くようだから。」
「あちーから、食欲ねーな。」
キルはそわそわした様子で受け取ってくれが、キースは食べるどころではないようだ。二人とも汗がまだ引かないようで、ずっと汗をぬぐっている。たしかに今日は、今夏一番くらいの暑さをしている。
よし、ここは「白銀の狼」が一肌脱ぐとしよう。
俺は集中して、魔力展開を行った。そして、今使える初級魔法を使うことにした。
『氷弾』
俺は身長二つ分くらいの氷の柱を周囲に複数展開した。暑いということで、氷をたくさん展開して周囲の温度を下げることにした。さらに二人から飲み物を受け取って、冷やすと同時に氷をたくさん入れた。
普通の水魔法を飲料用にするにはかなりの練度と魔力を要するが、俺は清属性で回復と浄化の性質をもつ水を操る。だから、デフォルトの状態で飲料用にもできる水なのだ。それによって、飲み物に入れる氷も容易に作ることができる。
「………アース、器用になったな。すごく涼しいよ、ありがとう。なあ、キース?」
「………そうですね。」
キースは不愛想にそういったけど、若干嬉しそうだった。この暑さは本当に堪えるから、涼しくなって嬉しいのだろう。だけど、涼しいのなら速やかに服を着てほしいな………。
すると、遠くの方から騎士団長が大声で俺の名前を呼んだ。何事かと思って団長の方を向くと、剣を構えていた。
「おーい! 俺たちの方にも、その氷を恵んでくれ! 巨大な氷を放ってくれれば、俺が適当な大きさに切る!」
まあ確かに、俺達だけ氷で涼んでいるのは申し訳ないし、氷を出すくらいはかまわないけど、巨大な氷を切るって………騎士団長なら可能なのかな? 氷はこの暑さで溶けるだろうから、カーナイト様にどこかに飛ばしてもらう必要もないし、騎士団長が切れなかった場合は頑張って避けてもらおう。
「わかりました! 心を込めて、打ち込みますね!」
俺がそういうと、二人は若干引いていたようだったけど、俺は構わず氷を打ち込むことにした。
魔法実技の最初の授業で出した氷は流石に巨大すぎるから、その半分くらいの大きさのものを騎士団長にプレゼントしよう。
『氷弾』
俺が氷を出すと、若い騎士たちからどよめき声が聞こえてきた。それに対して騎士団長は、待ってましたと言わんばかりににやりと笑い、氷に向かって走り出した。そして、視認することができないほどの速さで剣を振りぬいたと思ったら、巨大な氷は騎士たちの身長くらいの大きさに切り分けられていた。その後は何事もなかったかのように、一つの氷に寄りかかって涼みだした。騎士たちはしばらく歓声を上げた後、各々氷に抱き着いたり、よりかかったりしながら涼み始めた。
騎士団長はサラリと切っていたけど、あんな巨大なものを一撃で等分するなんて尋常ではないことくらい俺にもわかる。
「キル、あれをできる騎士はどれくらいいるの?」
「そうだな………騎士の数パーセントだろうな。おそらく兄上たちもできると思う。俺は………まだできない。」
まあそうだよな。あのレベルの技をそう何人もできていたら、この国の騎士力は半端ないことになる。それにしても、アルベルト殿下たちもできるとは驚愕だ。まだ初学院生なのに………流石黄金の世代だ。
「キルは大丈夫、きっとできるようになるよ。それに、キースもね。俺も負けないくらい、巨大な氷を生み出せるように頑張るから、その時はぜひ切ってね!」
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