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決断の時編
そこかしこに
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お昼を過ぎた頃、午前中のいろんなお勤めを終えたお兄様がルミエと一緒にやってきたよ。
「ほらアデル、お前の好きなクルミのフワスだよ。たくさんお食べ」
「フワス…(クッキーだよね?)美味しそう。えへへ頂きます。」
「アデル様、それお好きですよね?離宮でもよく焼いてるじゃないですか」
「アデルがフワスを…?いつの間にそんなこと覚えたんだい?」
「それは、ムガムガ…今度お兄様にも作って持ってきますね」
「なかなか美味いですよ、アデル様のフワス」
僕は日本に居る時どっちかというとコンソメ味のガチ勢だった。だけどこっちに来てからは甘い焼き菓子ばかり作っていたんだよね。
もちろんあの離宮で手に入る食材や設備を考えると、バイト先で覚えた粉物のお菓子が作りやすかったっていうのもあるんだけど、味覚が甘党に変わったみたい…あの頃疲れてたのかな?
よく考えると他にも嗜好が変わったものがある。
紅茶なんて好んで飲んだこと無かったし、まぁ、カフェオレとか無い世界だから仕方ないけど、他にも細かい部分で色々と。
違う文化圏に居るせいだって思ってたけど…それだけじゃないのかな?
「ここに居たんだねワイアット。私を置いていくなんて寂しいじゃないか」
「ご公務の最中でしたでしょう?置いてなどと…人聞きの悪い…クス」
「ふふアデルも。もう体調は良いのかい?」
「全く!全然大丈夫です!」
大天使ミカエル、降臨!ひょえ~、相変わらず眩しい!ぐ、グラナダ様は…よしっ、いない!チャ~ンス!ではじっくりと鑑賞を…
あ、あれ?これも嗜好が変わったものの一つかも?変わったと言うか増えたというか…
僕はDSだったころから基本カッコイイ人、クールな人に憧れててばかりで、無い物ねだり?ほっといて!
だから甘い系の王子様キャラには、美形だなぁって思っても推した事は無かったんだよね。
だから最初殿下沼にハマった時、自分でも信じられなかった。
まぁリアルロイヤル、王子様に会ったの初めてだったから舞い上がったって思ってたんだけど…
これってもしかして…もしかしたらアデルの残滓⁉
甘党のアデルなら甘いマスクも好きに違いない⁉
「どうしたんだいアデル?変な顔して…」
「はっ!いえ、なんでもないです。ちょっと陛下のお顔に痺れてて」
「ふふ、アデルはこの顔がほんとうに好きだね」
「…わ、私も好きですヨ…」
お兄様が…デレた!き、貴重な物をみてしまった…。夫夫円満でなによりだ…
なんとなく腑におちて、僕はこれがアデルの残したなごりなら、グラナダ様には申し訳ないけどこれからも陛下のお顔を遠慮なく愛でようと心に誓ったのである。
「ほらアデル、お前の好きなクルミのフワスだよ。たくさんお食べ」
「フワス…(クッキーだよね?)美味しそう。えへへ頂きます。」
「アデル様、それお好きですよね?離宮でもよく焼いてるじゃないですか」
「アデルがフワスを…?いつの間にそんなこと覚えたんだい?」
「それは、ムガムガ…今度お兄様にも作って持ってきますね」
「なかなか美味いですよ、アデル様のフワス」
僕は日本に居る時どっちかというとコンソメ味のガチ勢だった。だけどこっちに来てからは甘い焼き菓子ばかり作っていたんだよね。
もちろんあの離宮で手に入る食材や設備を考えると、バイト先で覚えた粉物のお菓子が作りやすかったっていうのもあるんだけど、味覚が甘党に変わったみたい…あの頃疲れてたのかな?
よく考えると他にも嗜好が変わったものがある。
紅茶なんて好んで飲んだこと無かったし、まぁ、カフェオレとか無い世界だから仕方ないけど、他にも細かい部分で色々と。
違う文化圏に居るせいだって思ってたけど…それだけじゃないのかな?
「ここに居たんだねワイアット。私を置いていくなんて寂しいじゃないか」
「ご公務の最中でしたでしょう?置いてなどと…人聞きの悪い…クス」
「ふふアデルも。もう体調は良いのかい?」
「全く!全然大丈夫です!」
大天使ミカエル、降臨!ひょえ~、相変わらず眩しい!ぐ、グラナダ様は…よしっ、いない!チャ~ンス!ではじっくりと鑑賞を…
あ、あれ?これも嗜好が変わったものの一つかも?変わったと言うか増えたというか…
僕はDSだったころから基本カッコイイ人、クールな人に憧れててばかりで、無い物ねだり?ほっといて!
だから甘い系の王子様キャラには、美形だなぁって思っても推した事は無かったんだよね。
だから最初殿下沼にハマった時、自分でも信じられなかった。
まぁリアルロイヤル、王子様に会ったの初めてだったから舞い上がったって思ってたんだけど…
これってもしかして…もしかしたらアデルの残滓⁉
甘党のアデルなら甘いマスクも好きに違いない⁉
「どうしたんだいアデル?変な顔して…」
「はっ!いえ、なんでもないです。ちょっと陛下のお顔に痺れてて」
「ふふ、アデルはこの顔がほんとうに好きだね」
「…わ、私も好きですヨ…」
お兄様が…デレた!き、貴重な物をみてしまった…。夫夫円満でなによりだ…
なんとなく腑におちて、僕はこれがアデルの残したなごりなら、グラナダ様には申し訳ないけどこれからも陛下のお顔を遠慮なく愛でようと心に誓ったのである。
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