37 / 247
新生活順応編
あいさつ行幸
しおりを挟む
「立てるか?アデル。着替えて朝食にしよう」
「ひ、ひゃい。あっ、今何時ですか?グラナダ様、朝の会議は?会議はいいんですか?」
グラナダ様のスケジュールならちゃんと把握してるよ。どう?有能でしょ?
「本日はアデル様のために終日予定を空けてございますよ。お目覚めになりましたか?ようやく当主の部屋にアデル様のお姿を見ることがかないまして、このトマス感激でございます。」
いつの間にか着替えを持ったトマスさんが居た。えっいつから?見てないよね?お願い何も見てないって言って!
爆発しそうな頭をなんとか鎮火させてトマスさんから着替えを受け取った。それにしても…
僕は今まで執務室や大勢で会議するホール、食糧庫などの限られた場所、主にお仕事する場所にしか入ってなくて、グラナダ様のプライベートな場所はまさに初めてなんだけど…
聖域キターーーー!
キスでうっかりしてたけど、まごうことなき推しの自室。あぁ、イメージぴったり!
無駄な装飾のない…重厚で…整然とした…この時の僕はきっとハンターの眼をしていたに違いない。
塵一つ見逃すまいと、あわよくば戦利品をゲットできないかと、不届きなことを考えているのがバレたのか手を引かれグラナダ様の隣に座らされた。
「朝食の後、部下から定時の報告を聞く。その場でお前を改めて紹介しよう。午後は屋敷の者たちに会わせよう。アデルはこれからこの屋敷を差配していくのだからな」
「へ、へぇ~」
そうなんだ。
「使用人たちにも私の馬鹿な行いを白状せねばな」
「…まぁ…その…そうですね」
否定はしない。
「どうだ、お前から私に何か望みはないか?罪を償わねばならん。数々の罪を。」
「えへへ、そんなこと言ってたらグラナダ様は存在そのものが罪作りですよ。いちいち償ってたらきっと身がもちませんよ。ぐぁっ」
また、抱きしめられる。あっ!キスはだめ、トマスさんが居るからキスはダメー!…って言ってるのに!!
部屋を出ると扉の横には安定の護衛さんがいた。
「お、おはようございます護衛さん。なんだかお久しぶりですね。」
「おはようございます奥方様。専属護衛官のマカフィーと申します。やっと言葉を返すことが出来嬉しい限りです。これからは奥方様をもお守りしますのでどうぞ…安心してお任せください」
「えぇ!!こんなステキな声だったんですね。…モニョモニョ…ウタッテー…アデルって気軽に呼んでくださいね。今までありがとうそれから、これからもよろしくお願いします。」
すごくいい声してた♡
「……マカフィー…お前はここに待機せよ。」
「しかし私の職務は「随従は許さぬ!待機と言ったら待機だ!」
グラナダ様も負けじといい声。でもマカフィーさんに仕事させてあげてー!
いつも外から見てた執務室。ついに室内に入れる日が来た!
「お、お邪魔しまぁ~す…」
グラナダ様にエスコートされながらおずおずと室内に足を踏み入れる。そこには隊長さんをはじめとしたごつい兵士さんたちや顔色の悪い魔術師さんたちが右と左にずらりと並んでそこそこ広いはずの執務室が狭く感じた。
圧が…圧がハンパないっ!だけどグラナダ様がスッと前にでるとそのごつい集団に緊張感が走った。
「報告を聞く前に紹介しておく。緑ゆたかな東の地カマーフィールドより遥々この辺境バーガンディへ嫁いできてくれた私の、ゴホン、愛妻アデルだ。この幾月、余計な命で皆を振り回したことすまなかった。だがすべての誤解は氷解した。今後はバーガンディ当主の妻として比類なきその才を惜しみなく発揮してくれることだろう」
……緑ゆたかって…緑以外何もないらしいよ?つか、愛妻って言った⁉比類なき才って何のこと?
突っ込みどころは満載だったけどようやくみんなに挨拶が出来た。
「ひ、ひゃい。あっ、今何時ですか?グラナダ様、朝の会議は?会議はいいんですか?」
グラナダ様のスケジュールならちゃんと把握してるよ。どう?有能でしょ?
「本日はアデル様のために終日予定を空けてございますよ。お目覚めになりましたか?ようやく当主の部屋にアデル様のお姿を見ることがかないまして、このトマス感激でございます。」
いつの間にか着替えを持ったトマスさんが居た。えっいつから?見てないよね?お願い何も見てないって言って!
爆発しそうな頭をなんとか鎮火させてトマスさんから着替えを受け取った。それにしても…
僕は今まで執務室や大勢で会議するホール、食糧庫などの限られた場所、主にお仕事する場所にしか入ってなくて、グラナダ様のプライベートな場所はまさに初めてなんだけど…
聖域キターーーー!
キスでうっかりしてたけど、まごうことなき推しの自室。あぁ、イメージぴったり!
無駄な装飾のない…重厚で…整然とした…この時の僕はきっとハンターの眼をしていたに違いない。
塵一つ見逃すまいと、あわよくば戦利品をゲットできないかと、不届きなことを考えているのがバレたのか手を引かれグラナダ様の隣に座らされた。
「朝食の後、部下から定時の報告を聞く。その場でお前を改めて紹介しよう。午後は屋敷の者たちに会わせよう。アデルはこれからこの屋敷を差配していくのだからな」
「へ、へぇ~」
そうなんだ。
「使用人たちにも私の馬鹿な行いを白状せねばな」
「…まぁ…その…そうですね」
否定はしない。
「どうだ、お前から私に何か望みはないか?罪を償わねばならん。数々の罪を。」
「えへへ、そんなこと言ってたらグラナダ様は存在そのものが罪作りですよ。いちいち償ってたらきっと身がもちませんよ。ぐぁっ」
また、抱きしめられる。あっ!キスはだめ、トマスさんが居るからキスはダメー!…って言ってるのに!!
部屋を出ると扉の横には安定の護衛さんがいた。
「お、おはようございます護衛さん。なんだかお久しぶりですね。」
「おはようございます奥方様。専属護衛官のマカフィーと申します。やっと言葉を返すことが出来嬉しい限りです。これからは奥方様をもお守りしますのでどうぞ…安心してお任せください」
「えぇ!!こんなステキな声だったんですね。…モニョモニョ…ウタッテー…アデルって気軽に呼んでくださいね。今までありがとうそれから、これからもよろしくお願いします。」
すごくいい声してた♡
「……マカフィー…お前はここに待機せよ。」
「しかし私の職務は「随従は許さぬ!待機と言ったら待機だ!」
グラナダ様も負けじといい声。でもマカフィーさんに仕事させてあげてー!
いつも外から見てた執務室。ついに室内に入れる日が来た!
「お、お邪魔しまぁ~す…」
グラナダ様にエスコートされながらおずおずと室内に足を踏み入れる。そこには隊長さんをはじめとしたごつい兵士さんたちや顔色の悪い魔術師さんたちが右と左にずらりと並んでそこそこ広いはずの執務室が狭く感じた。
圧が…圧がハンパないっ!だけどグラナダ様がスッと前にでるとそのごつい集団に緊張感が走った。
「報告を聞く前に紹介しておく。緑ゆたかな東の地カマーフィールドより遥々この辺境バーガンディへ嫁いできてくれた私の、ゴホン、愛妻アデルだ。この幾月、余計な命で皆を振り回したことすまなかった。だがすべての誤解は氷解した。今後はバーガンディ当主の妻として比類なきその才を惜しみなく発揮してくれることだろう」
……緑ゆたかって…緑以外何もないらしいよ?つか、愛妻って言った⁉比類なき才って何のこと?
突っ込みどころは満載だったけどようやくみんなに挨拶が出来た。
461
お気に入りに追加
3,297
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる