双子の転生先は双子でした

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Chapter 2

61*音信不通

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そう、この2人…
何を隠そう、職人気質が強いのだ。
その為、事業が本格的に始まるや否や、一切夜会に出なくなってしまったのだ。
そればかりか、アシュリーに関しては、デザイン画を描くことに夢中になり、まるでかつての引きこもり時代を連想させる程、部屋から出て来なくなってしまっていた。
ナタリーに関しては、引きこもってはいないものの、何やら『腕が鈍ってる。実践あるのみ!』と、宣言するや否や屋敷中の老若男女問わず声をかけ続け、手当たり次第ネイルやハンドマッサージを施していった。
もちろん、屋敷中に好評ではあったものの、常に誰かの手を!髪を!顔を!と、触っていた為、アシュリー同様、社交に関しては完全に放置していたのだ。

その結果…
彼らからの、アプローチも無ければ双子からアプローチを掛けることもない為、自然とその関係は薄れていったのだった。


そして、その後悔は、あとになって押し寄せてくる。


「あー、なんか色々と落ち着いたら無性に彼氏欲しくなってきた」

アシュリーによって作られた、試作の淡いピンクのベビードールを身に付けたナタリーが呟いた。
『どうせなら、エロエロにしよう!』と、意気込んで作成したものは、しっとりとした生地とオーガンジーを組み合わせたデザインで、希望通り大変色っぽく仕上がっている。
谷間も、お尻のラインもしっかりとわかる、そのベビードールを着て悩ましげに言うナタリーは、未だ乙女だとは思えないほどの色気を放っていた。

「セザール様とは?連絡とっていないの?」

その様子に、アシュリーがサラッと尋ねるも、ナタリーは「とってない」と言って首を横に振るだけだった。

「もうこの際、押しかけて押し倒しちゃえば?」

夜這いとかやってみたくない!?と、気軽に提案してくるアシュリーに、ナタリーは少しだけ心が揺れる。

「やったら、やったなんだけどさ…
ほら、一応私たちって処女じゃん?だから…ね?」

まるで、同意を求めるようにして、ナタリーがアシュリーへと視線を向けた。

前世では、アラサーという名の30代だったのだ。彼氏もいた。それなりに、リードできる程には経験もある。
もはや、押し倒して、勝手に腰振ってあの快感と絶頂を味わいたい程には、性的にムラムラもしているのだ。
そして、それを実行しようと思えば、全然できてしまうからこそ困っている。

実際に襲ってしまったとしよう。
正直、セザールからしてみればその行為は驚きしかないだろう。まるで経験豊富な動きでリードされつつ、いざ繋がってみれば未貫通だったなんて…
"騙された"と思うかもしれない。

それに、前世では無かったこのっていう括りも煩わしい。
何故、"彼氏彼女"という立ち位置が無いのだろうか。
結婚までは、まだ考えられないけれど…愛し合うことぐらい自由にさせてほしかった。

そう言って、不満を漏らすナタリーに対し
、アシュリーは楽観的に答えていく。

「それは、なんか適当に誤魔化せない?むしろ、『秘密です♡』とか言って!」

「ん~、それでいけるかなぁ?
そもそも、私から連絡入れてないからアレだけど…向こうからも、夜会の後から全く連絡無いんだよ?
今更感ありまくりじゃない?」

「…そうかなぁ?
ちょっと、考えすぎじゃない?
"やっと事業の方が落ち着いたから、会いたいです!"って、ストレートに言ってみたら?帰りの馬車で、あれだけいい感じだったんだもん!セザール様だって嬉しいわよ!きっと!」


そう言って、双子が雑談していたその頃…


話題の中心人物である、セザールの屋敷であるマルクス家では、1人の女が喘ぎ声をあげながら必死に腰を揺らしていた。

「ぁっ、あんっ!…っん!ひぃんっ!!」

ギシギシとベッドが揺れるその音からは、その行為の激しさが伝わってくる。

「あぁっ!もう、だっ…め…っあん!いっ、く…っ!」

女が、大きく弓形に身体を反らせたその瞬間…
男もビクンと身体を震わせて、女のなかにその欲望を吐き出していた。

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